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5月7日(日)まで!ちょっとした工夫が未来を変える。『隠岐サーキュラーデザインミュージアム』

隠岐サーキュラーデザインミュージアムに行ってきました!

4月22日(土)から5月7日(日)までEntôジオラウンジにてOki Islands Circular Design Museum(隠岐サーキュラーデザインミュージアム)が開催されています。



サーキュラーエコノミーと聞いても、いまいち…ピンとこない?

サーキュラーエコノミー(循環経済)とは生産→消費→破棄という流れを見直し、廃棄物を出さないように製品やサービスを新たにデザインする取り組みのこと。持続可能な形で資源を利用する「循環経済」への移行を目指すことが世界の潮流となっているそうです。


ごみ=価値あるものを目に見える形で

今回開催された展示では、海士町在住の「任意団体サーキュラーデザインラボ」の皆さんが中心となって企画されました。
「海士町にはすでに良いサーキュラーエコノミー(循環経済)の事例がたくさんあるよね」と循環に関心を持ったメンバーを集い、今回のイベントが実現したそう。

「目に見えないものの価値を伝えるのは難しい。目に見える形で伝えよう」と、廃棄予定のリネンシーツや来場者名簿には裏紙を使用するなど、展示にも廃材が活かされています。

左から藤代圭一さん、寺田雅美さん、佐藤奈菜さん、石原紗和子さん
廃棄予定のリネンシーツが展示に利用されています。


お菓子工房アヅマ堂さんの身近な循環

海士町内の古民家を改装してできたお菓子工房アヅマ堂さんでは、おからドーナツの袋に古新聞紙を利用しています。たくさんの注文があるときは、お重に入れてお渡しし、後日返却してもらうスタイルも取り入れています。

「エコは意識していたもののサーキュラーについては当時、知らなかった。こんな形で取り上げてもらえるなんて恐縮」と店主の大野祥子さん。

新聞紙やお重の活用は、仕入れるコストや手間も軽減されてお店としても助かっていると言います。このイベントがきっかけでアヅマ堂に来店されたお客様も多かったようです。

おからドーナツは海士町でお豆腐屋兼商店を営まれている亀田商店さんで無料配布されているおからが原料に!
その名も『亀ド』は1つ30円で販売されています。
子どもたちもおこづかいで買いやすい価格です。

程よい甘さとモチモチした触感がたまりません♡
しっかり循環している…としみじみ。

「お重を使った商品の受け渡しは、まだまだ課題もあるけど今後当たり前に利用してもらえたらうれしい」とのこと。

またお店に訪れるきっかけにもなりますね。


海士町外の取り組みも

展示では、海士町内の身近な取り組みだけでなく、サーキュラーエコノミー(循環経済)に関する様々な取り組みも紹介されていました。海洋プラスチックから雑貨を生み出す「buØy(ブイ)」やプラごみを減らす取り組み「洗剤の量り売り(海をまもる洗剤)」など来場された方も興味深々です。

「buØy(ブイ)」

ブイは海洋ゴミとして破棄されたプラスチックを材料にし、美しい製品に生まれ変わらせるプロジェクト。キーホルダーや色とりどりのお皿は「可愛い」と大好評でした。

海をまもる洗剤


海をまもる洗剤は自然を守る天然成分・植物由来の洗浄成分で石油成分は使用していません。
洗剤の量り売りでは容器の再利用でプラごみの削減も!
環境力と洗浄力を兼ね備えた洗濯用洗剤です。
※イベントで販売は行っておりません。


ジオパークでゆるスポーツDAY

この日は「サザエタワー選手権」や「海岸ゴミ拾い選手権」も開催!

「サザエタワー選手権」
隠岐の特産品の1つであるサザエ。
加工の際に出た殻もすぐに破棄するのではなく高く積み上げて競うゲームとして再利用。廃棄物から資源につなげるきっかけになればと「サザエタワー選手権」を企画したそうです。
優勝は51㎝を記録した兄弟!
友達やファミリーで協力し、大いに賑わったイベントになりました。

島前高校1年生も記録に挑戦!


「ゴミ拾い選手権」
参加者を数チームに分け、「ぴったり10kg」などゴミの重さを競います!
総重量の競争だと、質量の軽い素材を見逃してしまいがちですが「ぴったり10kg」とすることで、子どもたちも楽しみながらゴミを拾うことができます。また、今回は「より楽しく拾おう!」とピンク色のゴミ袋・リプレイフルトラッシュバックを導入しています。

リプレイフルトラッシュバッグスは、ゴミ捨ても楽しみながら、をコンセプトにデザインしたゴミ袋。海外のスーパーマーケットではカラフルで多種多様なゴミ袋が売られていたことに着想を受け、素材にはバイオマスプラスティック80%を使用し、石油資源の使用削減に貢献しています。

名前の「リプレイフル(Replayful)」には遊ぶという意味のPlay、再生という意味をもつReplayで楽しみながら、そして、環境への配慮も忘れずにというダブルミーニングを込め、Replayfulと表現しているそうです。

漂流ゴミがこんなに!


「みんなでつくる隠岐の未来」

展示内のこのコーナーでは、隠岐の未来を考える4つの質問から1つを選んで書いてもらうもの。

回答の一部をご紹介♪

Q1隠岐の好きなところはどこですか?
A.「温かい人がいっぱい。挑戦を後押ししてくれる環境」

Q2あなたが日々、実践している循環は何ですか?
A.「体操服(ズボン)を寝巻にしています」

Q3子どもたちや孫たちにどんな未来を残したいですか?
A.「自然の中で自分がやりたいことを存分にできる未来」

Q4未来のために明日から実践したいことは何ですか?
A.「道にごみが落ちていることに気づいたら拾うようにする。そのために袋を持ち歩きます」 

などなど子どもから大人まで未来が楽しみになる実践が集まりました!

未来がたくさん!
世代を超えた交流も!


展示イベントは5月7日(日)まで開催中!

「廃棄や環境について問題に思っていてもなかなか行動できないと思っていた。それが気軽にできるところが海士町の良いところ」、「生活を見直すきっかけになった」、など、来場されたみなさんからは、思い思いの感想を教えていただきました。

展示を企画した藤代さんは、「専門家は一人もいない。この展示は、興味のある有志が手作りで未完成だけどやってみようとはじめたもの。これをきっかけにこんなこともできる!これ一緒にやろうよ!と共感してくださる方に出会えたらうれしい」と今後の展望を話してくださいました。

高校生に説明する藤代さん


海士町noteスタッフの私は、この4月から海士町に移住しましたが、当たり前に訪れていた町内のお店や施設でこのような循環の取り組みや意図があったとは知りませんでした。暮らしの中で、使って捨てるのではなく誰かに渡したり、再利用する工夫をみつけて「サーキュラーエコノミー」につなげていけたら良いなと実感した1日でした。

Oki Islands Circular Design Museum(隠岐サーキュラーデザインミュージアム)の展示では、まだまだたくさんの海士町の循環の事例が紹介されています!

観光で来られた方は島のガイドブックとして、海士町にお住まいの方は交流の場としてもお楽しみいただけるイベント。

暮らしを見直す良いきっかけにもなるはず。

展示は5月7日(日)までの開催です。
GWにぜひ訪れてみてくださいね!

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