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【こばかなさんがやってきた!】「ないものはない島」に来たら、今ここにある幸せに気付いた話

2023年10月、こばかなさんが海士町に遊びに来てくれました。こばかなさんはコーチング企業「THE COACH」のFounder(ファウンダー:創業者)・元CEOであり、今はデザインやコーチングなどのお仕事を幅広くされている方です。

今回のnoteでは、こばかなさんが海士町で感じたことをまとめてくれたエッセイを、寄稿記事として紹介します。


こんにちは、こばかなです。デザインとか、コーチングとか、新規事業の立ち上げとかをやっています。

生まれてからずっと東京で暮らしている私なのですが、今回はご縁があって島根県の離島「海士町(あまちょう)」に行くことになりました。

聞いたことがない島だったので調べてみると、いわゆる“観光地”っぽい派手なアクティビティなどはなく、コンビニや映画館などもない島だということがわかりました。それなのに、検索エンジンのサジェストには「ないものはない」という、まるでなんでもあるかのようなキーワードが出てきます。果たして海士町はどんな島で、どんな旅になるのでしょうか…。

海士町は「ないものはない宣言」をしている離島

島根県の海士町(あまちょう)は、人口は約2200人ほどの離島で、隠岐諸島のうちの1つです。承久の乱(1221年)に敗れた後鳥羽上皇が島流しされた場所としても有名です。

東京からは、飛行機で米子空港(鳥取県)まで行き、そこからフェリーに3時間乗ると到着します。

フェリーは3時間かかるので遠いのですが、飛行機と違って横になれるので、寝たら一瞬で着きます。

海士町に着いた直後の感想は、とりあえず「とにかく自然豊か」です。

スーパー、コンビニ、映画館などはありません。
島にある信号機は一つだけ。
派手な観光名所っぽいところもなさそうです。


海士町の玄関口となるフェリーのりば。海と山に囲まれています。

実は海士町が公式で「ないものはない」宣言をしており、「あるものに目を向けることが得意」なことを島の特徴を魅力としてPRしています。

島につくと「ないものはない」ポスターが至るところに貼られており、なんだか潔い島だなぁと思いました。

今回の旅では、海士町役場の山斗さんとおすすめスポットを巡りつつ、Iターン(移住)した方々のお話を聞く機会をいただきました。

何もないからこそ、そこにあるものに気づける

おすすめスポットを巡るため、小雨に打たれながら電動自転車を走らせると、徐々に海士町にはたくさんの魅力があることに気付かされます。

取材メンバーと一緒にひたすら電動自動車を走らせます。

涼しい秋の風、鈴虫の美しい音色、島中を満たす緑の香り、そんな空気を肺に入れる心地よさ…海士町を自転車で走るだけで、五感から幸せを感じました。まるでサウナで整っている感覚がずっと続いているかのような気持ちよさです。

海士町役場の山斗さんに手渡されたクロモジの枝

自転車旅の途中で、海士町の就労支援施設「さくらの家」に立ち寄ります。海士町役場の山斗さんに海士町名産の「ふくぎ茶」の原料となっているクロモジの枝をパキッと折って手渡されたので、匂いを嗅いでみると、とても爽やかな香りがしました。

このように小さな自然の魅力を紹介できる島の皆さんの感性が素敵だなとじんわり感動してしまいました。

それと同時に、自分が身近な自然の魅力に目を向けたのは、小学生の頃にツツジを吸っていた時以来かもなぁと少し反省しました。

海士町ではこのような体験を通じて、まずは自然の魅力を再発見することができました。

行くのが大変な場所だからこそ、想いがある

続いて隠岐桜風舎で働く方々のお話を聞きました。

隠岐桜風舎で働く伊藤さん(左)と、マイアさん(右)

お二人は別の土地からIターン(移住)された方々です。

海士町は離島なので、決してアクセスが良いとは言えない場所です。つまり、なんとなくとか、たまたまでたどり着くような場所ではありません。

そんな海士町をわざわざ選んで暮らす人たちの想いは非常に熱く、皆さんそれぞれが今ここにいる理由、ここにたどり着くまでのストーリーをしっかりと言語化されています。

お二人が所属する隠岐桜風舎では観光客向けの事業を行っており、島の伝統を残したい、島の魅力を観光客に届けたいという想いでお仕事をされているようです。

お話を聞きながら、お仕事とは本来人に役に立つために活動するものだよなと当たり前のことを再認識しました。

IT業界にいるとお客様のことを「ユーザー」と表現したり、数字やデータと向き合う日々になりがちです。そんな自分にまた少し反省しました。

目の前の人のため、島のために一生懸命働く海士町の皆さんの姿は、仕事本来の意義を体現していると思いました。

海士町に「ないものはない」

その後も数名の移住者のお話を伺いましたが、海士町に住む人たちは、皆さん充実しているようでした。海士町は温かい方ばかりだそうで、人とのつながりを実感できるようです。決して便利だとは言えない日々を「楽しいです」と言い切る移住者がそこにはいます。

帰りの船に乗る際、紙テープで見送ってくれました。観光テープは船に乗っている側もしっかりと握ります。初体験です。

帰りの船に乗る際、紙テープで見送ってくれました。観光テープは船に乗っている側もしっかりと握ります。

帰り道、人にとっての幸せとは一体何だろうと考えてみました。

きっと大昔の人からすると、現代は夢のような時代だと思います。自ら畑を耕すことなくお米を食べられたり、飛行機で空を安全に海外に移動できたり、冷静に考えるとすごい時代です。

それだけ文明が発展したにも関わらず、私たちが夢中になっているのはスマホや、SNSだったりします。また、あえて不便な場所に行くようなキャンプがブームになっていることも、人間の本質を捉えているような気もします。

結局私たちが本能的に求めているものは大昔からずっと変わらず「人とのつながり」「自然」といったごくシンプルなものなのかもしれません。

海士町には派手な観光スポットはないかもしれませんが、だからこそ余計なことを考えずに自然を感じられるし、一人ひとりとのつながりが深く、島には想いやストーリーで溢れています。そんな本能的な幸せに気づける島だと思うのです。

私たち一人ひとりに既に備わっている幸せな瞬間


東京にもどってきて感じたのは、東京育ちの私はやっぱりここが落ち着くということです。

新宿や渋谷は朝5時から若者がたむろしていてうるさいし、ゴミがたくさん落ちていて空気もなんだかドブ臭いのですが、それでも私はこの町にたくさんの思い出があって、その一つひとつに愛着があるから今この場所を選んでいるのだと気づきました。

海士町の皆さんのように、私にも今ここに至るまでの想いやストーリーがちゃんとある。友達や同僚といった「人とのつながり」もたくさんある。

IT系の仕事はお客様の顔は見られないけれど、想いを持つ人々にサービスを届けている。都心に海や山のような大自然はないけれど、季節の変わり目を木々や風から感じる瞬間は十分にある。

そう捉え直すと今までよりも日常に愛着が持てるような気がするのです。そういった当たり前をもっと大切に生きようと感じました。

そんな気づきを得られたのは、東京とはいろんなことが違う、“ないものはない”豊かな海士町で過ごした数日間があったからだと思っています。

「ないものはない」の本当の意味

海士町の「ないものはない」宣言には
①無くてもよい
②大事なことはすべてここにある
という2つの意味が込められているそうです。

訪れる前はどういうことだろう?と思っていたのですが、今ではこのキャッチコピーが海士町にぴったりだとわかりますし、こう言い切れるあり方がとても素敵だなと感じています。

人生における大事なことを再発見してみたい方はぜひ、海士町を訪れてみてはいかがでしょうか。

こばかなさん、この度は遠く離れた海士町へ遊びに来てくれてありがとうございました!またの来島をお待ちしております。

このエッセイは、隠岐郡海士町がこばかなさんに依頼して制作いただいたPR記事です。実際に海士町を訪れていただき、海士町役場の職員とともに町を歩いたり、町に住む方にお話を聞いたりしたうえで執筆いただいています。

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島との距離は離れても、気持ちはいつも近くに