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海士町来島企画!無名人インタビュー流の「傾聴」とは?

年間200人にインタビューされている無名人インタビューチームのみなさんが、今年の2月に海士町に来てくださいました🚢

海士町役場で働く宮原颯さんのインタビューがきっかけで、来島が実現🙌

滞在中に「人間関係は『聞く』ことから始まる無名人インタビュー流の話しの聞き方『傾聴』座談会」を開催いただきました。

当日の様子をレポートしたいと思います✏️


講師は、無名人インタビュー主宰する作家の栗林康弘さん。
まずは自己紹介と無名人インタビューの紹介がありました。

無名人インタビュー主宰 栗林さん:
無名人インタビューでは「有名人だから面白いんじゃない。人は誰でも素晴らしく面白い」をコンセプトにしています。2020年の2月ですね。約4年前からはじめました。

栗林さん:
具体的に何をしているのかというと、noteというサイトをメインの活動場所に、 申し込んでいただいた方にオンラインでインタビューをするというもので、編集したものをnoteに公開しています。

無名人インタビューの特徴は、参加者のためのインタビュー。

栗林さん:
たとえば、雑誌の売り上げのために有名人にインタビューをしたり、その人が出演した映画のインタビューをしたり、いわゆるメディアのために使われることが多いですけど、無名人インタビューは参加者のためのインタビューです。

現在、過去、未来の物語構成で、聞いています。

その人に深く入り込んで、話したいことを話して、自分の人生を振り返っていただくことが目的です。

▼無名人インタビュー
約20名のチームで運営されているとのこと。


話さない、共感しない。

ここからはクイズ形式で、無名人インタビュー流の「傾聴」を教えていただきました!

栗林さん:
たとえば、参加者の方が週8食おでんを食べますと言った時にインタビュアーがその話に対してどういうリアクションをすべきだと思いますか?

参加者:
週8食はおでんを食べています。

インタビュアー:
A.すごい!そんなにたくさん食べるなんて驚きです。
B.おでんと言えば、私はジャガイモを入れます。
C.どうしてそんなに食べるんですか?

無名人インタビューさんとしては、Cの「どうしてそんなに食べるんですか?」が適切だといいます。

相手の思考の邪魔をせず、参加者の本質を引き出すために自分の話をしない回答を意識しているそうです。

もう1つご紹介!

無名人インタビューさんは、「共感しない、理解する」ということも大切にされています。

たとえば参加者の方が「早起きするのが良いと思います」という風に考えていた場合はどれだと思いますか?

参加者:
早起きするのが良いと思います

インタビュアー:
A.良いですね。私もそう思います!
B.はい!

無名人インタビューさんとしては、リアクションをしないで「はい。」と返すBが妥当だとか。

共感してしまうと、インタビュアーが望むような回答を相手はしてしまう。

インタビュアーが投げかけた質問に対して、参加者の言葉にしてもらうまで待つことが重要のようです。

例外として、相手が緊張している場合は「なるほどね」と緊張をほぐすこともあるそうですが、基本的には共感しない、理解する姿勢を大切にしているといいます。


ダシをひくという考え

「話さない、共感しない」ということを踏まえ、「ダシをひく」という心構えを教えていただきました。

栗林さん:
例えばジャーナリズムとかメディアの取材だと、自分の知りたいことやこちらが知りたいことを引き出す質問をすると思うんですけど、そうするとその人らしさを捉えられないと考えています。

コンブは一晩水につけてじっくりゆっくり旨味を引き出しますよね。一方で、自分のほしい旨味にナイフを突きさして、えぐるやり方もあります。

無名人インタビューでは、前者のじっくり待つスタンスでインタビューに臨んでいます。

▼心構え
「自分の話をしない」・・・参加者の思考の邪魔をしないため
「オープンクエスチョン」・・・自分の言葉で話すのを邪魔しないため
「待つ」・・・参加者のじっくり考える時間を奪わないため
「共感しない」・・・参加者の価値観を自分の物差しで測らないため

人生を分解して物語化


栗林さん:

インタビューって、いつもまるで映画みたいな感覚になるところがあるなと思っています。

その人が自分の人生を生きていて、人生の中で感じたことや考えていたこと、その変化や流れ、いろんなきっかけが連なったということが、その人の魅力だという風に考えています。

栗林さん:
たとえば、「高校の時にピアノの県大会で3位になりました」という出来事に対して、 どうしてそうなったのか、あとはその時の感情を聞きます。

インタビュー
参加者(出来事):

「高校の時にピアノの県大会で3位になりました」
インタビュアー
「その時どう感じたんですか?」
参加者(感情):
「悔しくはなかったんですけど、ピアノを辞めました」
インタビュアー
「どうして参加したんですか?」
参加者(きっかけ):
「自分を試してみたくて」
インタビュアー
「代わりに何をするようになりました?」
参加者(それから):
「熱中できることを探して、今はゲーマーです。」

栗林さん:
「県大会3位」という事実を伝えることで、「なるほど!」となるとは思うんです。
しかし、物事の歴史や過去とかそれからを聞くことで、そのものに深みを感じ、魅力を感じるようになります。

また、人生は織りものととらえていて、
例えば感情が強いと、 ぎゅっと横糸を引っ張って歪んじゃうんですよね。
そして、いろんな色があって、織りものの模様がその人の個性になるんです。

言葉のキャッチボールをやめる


栗林さん:

インタビューの最終段階では、「言葉のキャッチボールをやめる」ことを意識しています。

例えば参加者が先日釣りをしていて、「めちゃくちゃ楽しかったです」と回答があった場合、「釣りよいですね」みたいな回答をしたり、「何が楽しかったんですか?」と回答したり、2人の間でポロポロって中間に転がすような質問をするんですよ。

栗林さん:
答えが2人の間にないので、じゃあこの答えを一緒に、 考えようみたいな流れになります。この部分は感覚的にわかりづらいところなので、これからワークショップ形式で実践してみようかなと思います。


ここからは実践タイム!
会場にいるみなさんを対象に3分間の模擬インタビューが行われました。
質問内容は、「最近楽しかったことはなんですか?」


栗林さん:
最近楽しかったことはなんでしょうか。
Yさん:
家族全員で公園に行って、ゲームに行ってお散歩をしたことが楽しかったです。
栗林さん:
何で楽しかったんですか?
Yさん:
家族と一緒に過ごす時間は多かったんですけど、一緒にみんなでやるっていうのが、ここ最近できていなかった。 一緒にみんなでやれたことが、すごく楽しかったです。
栗林さん:
みんなでやるとなんで楽しいんですか?
Yさん:
そうですね。なんか、なんだろう、ちょっと特別な時間を共有できたっていう感覚があった。
栗林さん:
特別ってどんな?
Yさん:
サークル活動で、みんなで何かをやった時でしたり、一体感っていうんですか、なんかそういうのとちょっと近しいのかな。
栗林さん:
その楽しさって、ほかに名前とかつけられそうですか?
Yさん:
青春ですかね。
栗林さん:
ありがとうございます。

栗林さん:
ちょっとNOって言いにくい環境ではあるんですけども、 その人が言ったことに対して、「なるほどそうですね」と受け止めるのではなくて、 「なんでですか?」みたいな形で質問を投げかけながらボールを転がしていくイメージ。そうすると、参加者(インタビューされる側)が本当に感じていることがもうちょっと明確になっていく。

参加者が楽しいと感じている部分が、ちょっとつかめたりするんですよね。

ぜひ、身近な人と 3 分間インタビューというものを試していただけたらなと思います。

無名人インタビューのみなさん、ありがとうございました!!

海士町noteスタッフも普段と違う切り口の「傾聴」を学ばせていただきました!
日常会話で大切にしたいことや今後の取材でも参考にしたい内容に新たな幅が広がったように感じました。

今回、海士町に来島してくださった栗林さんがこんな記事を書いてくださいました🙌

海士町のファンになってくださったということで、またひとつ海士町を知っていただけたと思うと、うれしいですね。

普段は、60分間カメラをオフにしてオンラインでインタビューをされるという無名人インタビューさん。
海士町来島時は、対面でのインタビューもされていました。


無名人イン旅ューin海士町記事公開がはじまりました!!

海士町で取材された記事はこちらのマガジンに随時追加されていくとのこと!こちらもお楽しみに🙌


(大人の島留学生:渋谷)

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