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「週に1回は夕食を作らなくていい日♪」そんな日があってもいいよね。島で暮らすママさん2人が届けるお惣菜屋さん。

「今日の献立どうしよう?」「ご飯作るの大変だなぁ〜」
島で暮らすママさんならではの視点で生まれた、お惣菜屋さん「うちのごはん」が7/29にオープンしました✨

1〜2品でも気軽に買えるお惣菜。みんなが安心して食べられる家庭料理を届けたい。

そんな思いから立ち上がった海士町在住のママさん2人にお話を伺いました。

左:長島奈緒美さん 右:篠原絢子さん 

子どもが同い年。そんな接点からはじまったお話。

篠原さん:2人が出会ったのは、子どもがたまたま同い年で海士町の子育て支援センターで知り合いました。

ママさん同士仲良くなったメンバーで、週3とか週4で集まって、お昼にレトルトカレーをもっていってただただ喋るみたいなことをしていましたね。

あるとき、いつものメンバーでお出かけする機会があって、なおちゃん(長島さん)ともう一人のママ友のまりちゃん(山口さん)とで話が盛り上がっていてね(笑)

長島さん:そうそう。「好きな人と働きたいよね」、「なんか私たちであたらしいことやりたいよね」みたいな話をしていました。

篠原さん:そんな話を後から聞いて、「お!めっちゃいいね~!」みたいな。それがきっかけで本格的に動き始めました。


お店の第一歩は、島の露天商。

長島さん:最初はまりちゃんと3人ではじまりました。まりちゃん家に集まって、海士町の課題とか魅力とかをポストイットに書いて、貼り出したりしてね。

篠原さん:ちゃんとやったよね!ワークショップみたいな(笑)

そのときに「ご飯屋さんがもっとあったらいいよね」とか「未利用魚を活用できないか」とか「ここが良くなったらいいよね」と、海士町の素敵な未来を挙げていって。

はじめは島で料理が好きな人とか得意な人が活躍できる場があったらいいよねと、「シェアキッチンをつくろう!」という話になったのですが、「利益化できなさそうだから、宿にしようか」とか色々話し合いましたね。

長島さん:ゲストハウスを考えていた時期もあったよね!

篠原さん:そうそう。でもお金も必要だし、道のりは長いな、となってしまって。そこでスモールステップとして、露天商をやってみようということになりました。

長島さん:2023年から3人で「たべもの研究所」という名前で月2・3回くらい露天活動をしていました。

篠原さん:ただ、露天ですごく疲れちゃったこともあって、「私たちがやりたいことってこれだったのかな?」って。

長島さん:そうそう。ちょっと露天活動をやりすぎて、土日は埋まる、パパは疲弊するみたいな。

篠原さん:それが、1年くらい続いて。露天商ではなくて「私たちの拠点がほしいよね」という話をしていたら、地元の方が「いい物件があるよ」ってみつけだしてくれて、「え!私たち、お店やるの!?」みたいな(笑)

それで、昨年の12月くらいかな?物件を紹介してくれた地元の方と建物を見に行ったら「見積りとれる?」とその場で工事業者に電話し始めて、「心の準備」もできないまま始まりましたね。

長島さん:すごい勢いだったね(笑)

入口のかわいいライトが目印のお店(中里地区)


「たまには夕食をつくらない日」そんな日も必要だよね。

長島さん:私は、今年の4月に子どもを保育園に預けはじめたんですけど、育児をしながら料理をつくることってとても大変で、ご飯をつくることが非常にしんどかったんです。

でも、子どもにはいいものを食べさせてあげたいし、海士町には野菜とかお魚もたくさんあるから「加工食品とか冷凍食品ではなくて、ちゃんと料理をしたい」という気持ちがあって。

それでいったんあやちゃん(篠原さん)と私で「1人が子どもをまとめて見ている間にもう1人が料理をする」というのをお家でやってみたんです。2家庭分つくって持って帰るみたいな。それが、すごくよかったんだよね。

篠原さん:帰ってきたら夕飯ができている状態。知っている人がつくっているし、お互い一緒に買い物をしたことがあるからどんな調味料が使われているのかもわかってね。

長島さん:その方法を試したことで、料理に集中できたし、楽しくつくることができました。

その後、「みんなにもこの良さを伝えたい!」と知り合いのママさんたちに声をかけて、「今晩の夕食はご飯を炊くだけでいいから」と言って、材料費だけいただいて。

私たちが食材を買って、ご飯をつくるという夕食シェア会を開きました。それがすごくよろこんでもらえたんです。そのときに、「たまには夕食をつくらない日も必要だよね〜」と確信しました。

自分の家の夕食をみんなにシェアして、みんながハッピーになる。
それが、「うちのごはん」の原点です。


「食」への興味。「食で人を支えたい」「おいしいという言葉」

長島さん:私は高校生のときに部活しかしていなくて、将来のこととか深く考えていなかったんです。

「好きなことってなんだろう?」と考えたときに「寝ること」と「食べること」だなと思って(笑)

でも、寝るって仕事にならないから食べることを仕事にしようと、実は栄養士の学校を目指したときもありました。

篠原さん:え、そうなの!!

長島さん:そうそう!でも結局、教育系の大学に進学して、保育園の運営会社で働いたりしていたので、「食で人を支える」ことに興味があったのかなと思います。

あやちゃん(篠原さん)のほうが、だいぶ料理をやっていたよね。

篠原さん:私は、小さいときから料理好きの父が毎週末、凝った料理をつくってくれていました。

調味料も原材料をみて買っていたし、出汁も自分でとるところからしていて。父に限らずみんな料理が好きで、私も家族に料理をふるまうことが好きでした。

大学時代は調理のバイトがしたかったけど、調理に限らず接客もしないといけない。本当はもっとプロから料理を学びたいとおもいながらも、大学を卒業後はずっと幼稚園の先生をやっていましたね。

その後、ベビーシッターになったんだけど、ベビーシッターだけじゃなくて、「ご飯をつくってくれませんか?」という依頼が来て、「ご飯をつくることは好きだけど、できるのかな私?」と不安を抱えながらも、やってみたら意外とできちゃって。

2・3時間で5・6品つくるみたいなことをしていました。
「前回これがおいしかったので、またつくってください」といわれたりするのが、すごくうれしかったですね。

図書館ではずっと料理本を読んでいるぐらい料理が好きです。


家庭料理を届けたい。「うちのごはん」に込めたこだわり

篠原さん:子どものご飯って大変なのよね。最初のうちはおかゆもちょっとでよかったのに、成長するにつれて、食べる量とか種類も増えてきて。

子どものご飯を準備して、私たちが食べる大人用のご飯も調理する。時間もないから、だんだんご飯も子どもにあわせたりするようになって。

大人の料理も味が薄くなったり、カレーにスパイスがいれられなかったり、食べたいものが食べられないストレスはありましたね。

だから、たとえばお惣菜屋さんで「子どもにはこれを食べさせておけばいい」みたいな野菜たっぷりのミートボールがあれば、「子どもの健康を確保しながら、自分たちは辛いものを食べちゃおう!」みたいなことができる。

家族の好みによって変えられるのがお惣菜屋さんの魅力だなと思って。

そういう献立を考えるストレスが少しでも軽減出来たらいいなと思うのと、老若男女問わず食べられるメニューを用意しています。

調味料にもこだわっていて、しょっぱすぎない優しい味付けにしました。

長島さん:海士町には野菜とか魚とかいい食材がたくさんあるから、できるだけ余計なものを入れずに食べさせてあげたいという想いがあります。

だから、「うちのごはん」では添加物なしでやろうとしていて。
えびもむきえびだと添加物が入っているので、殻つきを買わないといけなくて、ひとつひとつの調理にも手間がかかるんですよね。

その手間を家庭でやるのってすごく大変じゃないですか。

「本当は手間をかけてつくりたいけど、忙しくてつくれない」みたいな、心の矛盾を私たちが解決していきたいです。

篠原さん:出汁をとったり、煮込んだり。これからの季節は暑いし、時間も手間もかかるからね。

長島さん:メニューはあやちゃん(篠原さん)が結構アイデアを出してくれて、1回つくってみてから、彩りとかを考えています。酸っぱいもの枠とか卵枠とかイモ枠とかレパートリーも考えて。

それと、島内に、スーパーのお惣菜コーナーをずっとやっていた方とか、お惣菜屋さんを開業したことがある方がいらっしゃったり、他の飲食業の方にお話を聞いたりして、すごくアドバイスをくれて助けてもらっています。


海士町産の食材と毎日の選択肢となるお弁当

長島さん:野菜や魚、あとお米なども海士町産です。

篠原さん:ご飯はガス窯を使用しています。「お米を炊くならガス窯にしなさい」と地元の方にいわれて(笑)

でも、やっぱり火の通りが違うみたいでおいしいです。ガス窯で正解でした。

篠原さん:お弁当は2種類あってがっつり食べたい人はどんぶり。
いろんなおかずを楽しみたい人は、いろどり弁当みたいな。

「今日は頑張ったからこっちにしよう」というご褒美じゃなくて、毎日食べる選択肢に入れてほしいと、どちらも同じ値段にしてあります。


ご縁が生まれたクラウドファンディング

長島さん:まだ締めきってはいないのですが、クラウドファンディングを実施していて、ありがたいことに目標金額を達成することができました。

ほんと、いろんな方々が応援してくださって。

面識のない方が寄付してくださったり、そこからつながれたご縁がうれしかったです。

正直最初はクラウドファンディングに抵抗があったんですけど、いろんな人に知ってもらえて、応援してもらえる。いい仕組みだなと思いました。

クラウドファンディングの詳細はこちらです👇


さいごに

長島さん:ベンチを外に置いて座りながら食べられるとか、コロッケとかさつまあげとか食べ歩きとはいわないけど、観光で来られた方が気軽に食べられるものも提供したいよね。

篠原さん:そうだね。ここに来ればなんかしらのご飯がある。そんな場所でありたいです。

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「週に1回は夕食を作らなくて良い日♪」その日があってもいいじゃない。そんなあたたかい気持ちが込められた、ママさん2人が届けるお惣菜屋さん。

海士町の食材をつかった家庭料理は、島の日常を彩ることでしょう。


(写真提供:うちのごはんさん )
(文:海士町note担当 渋谷)


はかり売りの店 うちのごはん
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営業日:毎週 木・金
時間:11:30 - 18:15
電話:050-6870-6387
駐車場:店舗横の専用駐車場(3台)
※周辺店舗への駐車はご遠慮ください


海士町のみなさんへ
海士町で新しく生まれた企画や新商品などがありましたら、ぜひ海士町総務課(TEL : 08514-2-0115)までお知らせくださいね。海士町noteやあまチャンネル(島のケーブルテレビ)などでご紹介できればと思います。

島との距離は離れても、気持ちはいつも近くに