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「つながる×つなげる」海士町新庁舎のコンセプトと空間デザイン

2024年秋の完成を予定している海士町の新しい役場。
今回は新庁舎のコンセプトと、そのコンセプトを体現する空間デザインについてお届けします。


新庁舎・開発センター・交流棟。3つの建物の役割について。

現在建設中の新庁舎、その隣の開発センター、そして "交流棟" (現庁舎の位置に建設予定)3つの建物にはそれぞれ異なる役割があります。

なかでも新庁舎は「暮らす・創る・話す」をテーマに、誰もが気軽に暮らしの相談ができ、未来についての対話が生まれる場所として活用されます。

つながり、引き合い、引かれ合う。新庁舎1階の未来共創スペース「しゃばりば」。

そうした機能的役割をもつ新庁舎の全体コンセプトは、「『つながる×つなげる』時とともに進化する、だれにも開かれたチャレンジスポット」。

新庁舎1階の未来共創スペースは、人と人、人とコトがつながり、引き合い、引かれ合い、綱引きのように切磋琢磨する場。そんな「しゃばる」がどんどん起きる場として、「しゃばりば」と名づけました。

「しゃばりば」では、どんなことができるのか?

具体的に新庁舎1階の「しゃばりば」は、例としてこんな使い方ができないかと考えています。

  • 小学生が専門家と子ども議会についての話し合い

  • 島のおじいちゃんと島留学生が地区の盛り上げについて談義

  • 住民さんが地域のお悩みについて役場職員に相談

  • 子連れのお母さんや学生が未来の挑戦について企画

  • 移住検討者が住民さんと対話

  • 隠岐島前校生がジオパークに関する調査研究の発表

  • 海士町の資源を使った新しいビジネスの考案

  • 住民さんがイベントを開催

海士町のみなさんや海士町ファン(関係人口)のみなさん、島外から来られた方や島留学生、役場職員などをはじめ、「しゃばりば」に来ていただくことで様々な接点がうまれ、みんなで作戦会議ができる。そんな空間をつくっていきます。

誰もが「つながりやすい」空間デザイン。

新庁舎1階「しゃばりば」のデザインは、誰もが自然とつながり交流しやすい空間を目指しています。そのために、以下のポイントを重視しました。

①柔軟なレイアウト

大人数のイベントから少人数の打ち合わせまで、多様な活動が行えるよう、設置予定の家具や仕切りはその位置に固定するのではなく、いろいろな場面に合わせて柔軟にレイアウトを変更できるようにしています。

②自然素材とリサイクル素材の活用

隠岐の木材や貝殻、また再生家具といった温かみのある内装により、訪れる方々はリラックスしながら利用できます。

③コミュニケーションを促進する設計

各エリアを自然な動線でつなぎ、人と人が自然に出会い、会話が生まれるような工夫を施しています。

新庁舎1階「しゃばりば」チェックインカウンター。既存の椅子やデスクを活用し製作します。

庁舎を通して、思いを未来へと繋ごう。

また、訪れる人々の生活の充実や未来をつくる場所として、主に新庁舎1階の空間を構成する家具はみんなで一緒につくります!

これまで海士町では「ないものはない」というスローガンのもと「承前啓後」「人や地域、文化や歴史のつながり」を大事にしてきました。それにより、ここでは島内外の人々が緩やかに出会いつながり、数多の思いが重なり合うことで大小あらゆる挑戦が生まれてきました。

だからこそ、新しくできる役場ではここにしかない「海士町らしさ」を空間から感じられ、さらにこれからの未来へと私たちの思いを繋げていくために、私たちの思い出の家具や身近な素材を再利用しながらみなさんと空間を作っていきたいと思います。

海士町ではおなじみ牡蠣の殻も庁舎内装の一部になります。

新庁舎1階の「しゃばりば」と2階役場執務室には、新規購入する家具ばかりではなく、既存の家具の一部を加工してできる再生家具を配置します。

これはその一例である、いくつか家具が集まってできる大きな船「あままる船」。現庁舎で使われなくなった椅子や、ゴミとして捨てられるはずだった浮き(ブイ)などを活用した再生家具から構成されます。

新庁舎1階の家具「あままる船」。いくつかの再生家具を集めると大きな一つの船に。

再生家具を作ることにより、ごみの排出量をおさえることで私たちの環境を守り、そのものに込められた思い出も過去から未来へと継承していきたいと思っています。

7月下旬と9月上旬には、家具をみんなで製作するワークショップを開催します。

9月のワークショップの参加募集は8月上旬ごろを予定していますので、そちらもお楽しみに✨

現庁舎2階の応接室で使用されているソファは、肘掛をリメイクし新庁舎でも使用予定。7月下旬開催のワークショップにて一緒に製作します。


浮き(ブイ)はサイドテーブルへと生まれ変わります。


浮き(ブイ)で作るサイドテーブルの完成予想。



【募集】使わなくなった道具・衣類を集めています。

海士町新庁舎魅力化プロジェクトでは、「ないものはない」を体現するために、海士町の歴史とともに歩んできた身の回りにある道具や衣類を集めています。みなさんの思い出の品は、一部リメイクされ、役場の家具として生まれ変わります!

〈探しているもの〉
・厚手のズボン(ジーンズや冬物ズボンなど) 7/28まで
・古着(洗濯されていて、汚れていないもの) 8/10まで
・遊漁灯 9月末まで
・漁船についている金物類 9月末まで
・木材を使った和箪笥(合板NG) 9月末ごろまで
・イーゼル 11月まで

上記のモノをお持ちでご提供いただける方は、こちらの連絡フォームからお知らせください。

ご家庭に眠る宝物。
みなさんの思い出とともに、未来へと一緒に継承していけたらうれしいです。

ご連絡お待ちしてます。


(海士町新庁舎魅力化プロジェクト実行委員会 広報担当:佐藤奈菜)

島との距離は離れても、気持ちはいつも近くに