海士町の高校生と児童養護施設で暮らす高校生が、留学体験でつながり、共に成長するプロジェクトのガバメントクラウドファンディングを実施します!
海士町の隠岐島前高校生が参加する海外留学体験プロジェクトについて、ガバメントクラウドファンディング(ふるさと納税を活用したクラウドファンディング)企画が10/10からスタートしました!
このプロジェクトで、2024年夏のスタディツアーに参加した、隠岐島前高校2年の笹鹿さんに、ツアーの様子や印象に残ったこと、その後の変化について、綴っていただきました。ぜひ最後までご覧ください
こんにちは。
島根県海士町にある隠岐島前高校2年生の笹鹿一眞です。
笹鹿さん:
2024年7月28日から8月4日に、児童養護施設で暮らす高校生と一緒に、カナダのトロントでの海外短期留学(スタディツアー)に参加しました。
そこで体験したことや感じたこと、ツアー参加後に自分の中で起こった変化について、お伝えしたいと思います。
Study in Americaプロジェクトとは
笹鹿さん:
Study In Americaプロジェクトは、2023年から始まった「児童養護施設で暮らす子どもたちに海外留学の機会をつくる」プロジェクトで、2024年の第二期生から、ボクを含めて、海士町出身の隠岐島前高校生2名が加わり、この夏、8名の高校生がカナダへ短期留学しました。
初めての海外体験は、見るもの、触れるもの、すべてが新鮮!
笹鹿さん:
この夏のスタディツアーで行ったトロント(カナダ)は初めての海外で、目で見るもの、体や五感で感じること、何もかもが新鮮でした。
トロントの街並みは日本と景観が全然違って、街を歩くのがすごく楽しかったです!
食べ物や食事も、日本で食べているものと違いがあり、面白かったです!
そして、一週間、トロント大学の寮(KNOX COLLEGE)に宿泊し、現地の大学の雰囲気を満喫しました。
笹鹿さん:
このスタディツアー(7泊8日)の日程は
1日目:トロント到着
2日目:Pape Adolescent Resource Centre(PARC)訪問
3日目:Stepstone訪問
4日目:公聴会準備のためのワークショップ
5日目:子どもアドボカシー公聴会(オンタリオ州議事堂にて)
6日目:Daily Bread Food Bank(NPO)でボランティア活動
7日目:観光
8日目:帰国
という感じでした。
2日目、3日目は、共に参加した児童養護施設で暮らす高校生と一緒に、トロントで暮らすユース(社会的養護を受けてきた若者)を支援する団体を訪問し、国籍を超えて、交流を深めました。
児童養護施設で暮らす子どものように、社会的養護を受けている人たちのことは、初めはよくわからなかったけど、PARCという団体を訪問して、カナダの社会的養護を受けているユースの話を聴いたり、Stepstoneで現地の子どもたちと遊んだり、ユースとの会話を楽しんだことは、とても印象に残っています。
ちなみに、Stepstoneという団体との交流の中で、このツアーに参加した日本の高校生8名とスタッフで、海士町の「キンニャモニャ」を披露し、大好評でした!
笹鹿さん:
カナダについて、行く前は文化も習慣も知らなかったけど、トロントで現地の人と交流して、多様な文化が混ざっていることを知ったり、「チップ」のように日本にはない習慣があることを知ったり、カナダという国や住んでいる人のことを知るいい機会になりました。
留学体験を通じて、起きた変化
笹鹿さん:
この留学を通じて、自分の中で「変わったな」と思うことがいくつかあります。一つ目は、「チャレンジできる」と思える行動の幅が広がったことです。
ツアーの5日目には高校生が大人に対して意見や主張を伝える「公聴会」があり、前日にその準備のためのワークショップがありました。もともと僕はあまり前に出るタイプではありませんでしたが、この留学中、チームの意見をまとめて発表するなど、チームをまとめる役割をすることもありました。
笹鹿さん:
留学後、海士町に帰ってきて一か月の間に、高校の体育祭と文化祭がありました。その中で、話したことがない先輩に自分から話しかけ、コミュニケーションがとれたのは、カナダでいろんな人と話をしたからだと思います。
カナダで初めてのことにたくさんチャレンジしたことで、今まで挑戦するのをためらっていたことでも、「このくらいだったらできる」と自信がつき、挑戦したり、できると思える範囲が増えたと感じます。
笹鹿さん:
二つ目の変化は、進路の選択肢が広がったことです。
留学前は、自分が将来何をするのか、はっきりとしていなかったけど、留学を通じて、これまで知らなかった世界や選択肢があることを知りました。これまでに考えていた進路と一緒に、新しい選択肢を含めて、将来についてよく考えるようになりました。
笹鹿さん:
留学前は、英語に自信がなく不安でしたが、カナダに行って、いろんな立場の人の話を聴いたり、英語を使ってコミュニケーションする経験を通じて、英語をもっと勉強したいと思いました。
そして、もう少し英語が上手になったら、海外で働くことも考えてみたいと思えるようになりました。
今回、一緒に留学に行った仲間や留学中に出会った皆さんとの関わりがあったからこそ、将来について考えるようになったと思うし、少し立場の違う友達もできて、世界が広がり、自分が変わるきっかけをくれました。
海外に興味があったり、広い世界を知りたい人に、ぜひ体験してほしいです
笹鹿さんのツアーレポートを読んでいただき、ありがとうございます。最後に、このプロジェクトを海士町とともに進めているピースウィンズ・ジャパンさんからもメッセージをいただきました。
ピースウィンズ・ジャパンさん:
子どもは、自分が生まれ育つ環境を自分で選び、変えていくことを簡単にはできません。海士町のような離島に住む保護者の方が「子どもたちに、できるだけ多く、様々な体験をさせてあげたい」と思っていても、子ども一人一人のニーズや希望を叶えるには限界があります。
今回のプロジェクトは、笹鹿さんのように、海士町地域で暮らす学生の中で、海外に興味があり、より広い世界を体験したい子どもが対象となります。このプロジェクトを通じて、留学を体験した子どもが海士町へ戻り、一緒に暮らす仲間へ経験を共有することで、周りの子どもたちにとっても、いい影響を与え、より多くの選択肢を見つけられる機会になることを願っています。