誰でも気軽に使えるAMASAS (海士町版RESAS)で、海士町の気になるデータを調べてみよう!
自分の住んでいる地域にはどれくらいの人が住んでいるのだろう?海士町はIターンの方が増えていると聞くが、毎年、どれくらい転入しているのだろうか?など、気になったことはありませんか。
そんなときにぜひ活用していただきたいのが、AMASAS(海士町版RESAS)です。
AMASASは、海士町にある人口や教育など様々な分野のデータを一元管理して可視化できます。分野ごとに分析グラフを用いて、海士町の特徴を深堀し、地域課題の特定に役立てることができます。また、地域経済発展と地域活動の活性化のための取り組みをより効果的、戦略的に行うとともに、官民連携による政策立案や事業検証、改善活動等を推進していくことも目的としています。
海士町のさまざまな数値情報を調べられるAMASAS
AMASASとは、分かりやすく言うと、上記で説明しましたRESASの海士町版で、海士町に関する各分野のデータがまとめてあるコミュニケーションツールです。
昨年、10月に島体験生として来島した私が、AMASASの開発に携わった3名を取材しました。AMASASに関する記事を前編・後編に分けてお届けします!
前編は、なぜAMASASを開発することになったのかという開発に至った背景を海士町役場人づくり特命担当課長の濱中さんにお聞きしました。
使い方①:海士町の地区別の人口を調べてみる
はじめに、AMASASの使い方について簡単にご紹介します。
例えば、海士町の地区別の人口を知りたいときは次のような方法で調べることができます。トップページ左上の地区別人口構成を選択していただきますと、地区ごとに分けられたグラフが年代別に表示されます。
菱浦地区の15歳以下の人口が何人か知りたいときは、棒グラフにカーソルをもっていくと、具体的な人数が表示されます。
このように、地区別だけでなく、年代別にも細かく分けられているため、海士町に住んでいる〇歳以上の人口を知りたいときにも簡単に調べることができます。
使い方②:海士町のライフステージ動向調べてみる
次に、トップページにあるライフステージ動向を選択すると、この画面が出てきます。転入・転出、転職・転業などの細かい状況を正確に把握することができます。こういった数値を知ることで、人口増につなげる取り組みの話し合いがより具体的にできるようになります。
使い方③:ダッシュボードを活用する
続いて、トップページ左側の「他のダッシュボード(全体的な情報が閲覧できる場所)を表示する」を選択すると出てくるのが、この画面です。
海士町内の様々な取り組みを数値化した表を見ることができます。海士町全体的な情報がまとめてあり、町政運営や地域経済の評価、住民や事業所の課題や新事業創出の検討ができます。
ちなみに、1つのグラフを見ている途中、トップページに今すぐいきたいときは、上記の画面左上の「隠岐國海士町」という〇印を選択していただくと、すぐにトップページに切り替わるため、非常に便利な仕組みになっています。
誰でも簡単に操作できるシステムのため、ぜひ、パソコンやスマホなどで気軽にご覧いただけるとうれしいです!
課題を可視化してから話し合うことの重要性
AMASASのことをもっと深く知っていただくために、開発に携わった海士町役場人づくり特命担当課長の濱中さんに、開発に至った経緯や背景などをお聞きしました。
ーなぜAMASASを開発しようと考えたのですか?
濱中さん:海士町のまちづくりの課題を見える化するために開発しようと考えました。AMASASは単なる分析システムではなく、1つのコミュニケーションツールだと考えていて、データを元にどんな課題があるのか、その課題を解決するためにはどうしたら良いかという話し合いがスムーズに進むことを想定して開発に臨みました。
具体的にお話しますと、海士町RESASには福祉に関する分析画面もありますが、福祉施設の現場の方への聞き取りなどをしていく中で、福祉施設の直接業務と間接業務を可視化するメニューも開発しました。
直接業務とは、職員の方が利用者の方と直接対面して支援を行う業務のことです。一方で、間接業務とは、職員の方が利用者の方と直接対面して支援を行う業務のことです。
このように、福祉施設での業務ごとのデータを分かり易く可視化することで、どこにどれくらい人手と時間が取られているか、一目でわかるようにしました。そうした業務の可視化により、間接業務における負担軽減策としてベッドセンサーなどのAI機器を導入した実証実験も始まりました。
同じ課題感・危機感を持って話し合いができるようになった
ーーAMASASができてからの変化はありますか?
濱中さん:今までは感覚で話をすることが多かったんだと思います。感覚で話すだけだと、人それぞれ課題感や危機意識が異なるため、具体的な課題解決に向けての話し合いが難しかったんですよ。
しかし、AMASASを開発したことで、数字やデータ、グラフなどで分かるようになったため、同じ課題感や危機意識を持って話し合いができるようになったと思います。
ーー開発をする上でこだわったことはありますか?
濱中さん:誰が見ても分かりやすい画面を作成するように心掛けました。ひと昔前は、島民1人ひとりに長年の島暮らしの経験から得たデータベースを持っていたと思うんですよ。その関係性のおかげで、道ばたでの井戸端会議でもそれなりに物事が進んでいたんだと思います。
しかし、近年海士町は移住者の方も増え、それぞれ感じる課題や感覚も以前より多様化したため、それぞれの地域や事業所が抱える課題もわかりづらくなっているように思います。そのような状況を打破したいと考え、開発に取り組みました。
1つのグラフに情報量が多くなく、シンプルで見やすい
その他にはどんな資料があるのか、いくつかご紹介します。
このように、1つのグラフに使う色を何色かに限っていて見やすく、工夫されています。また、情報量も多くなく、シンプルに作られていて、知りたい情報をすぐに得られることも特徴の一つです。
データ見ると、その後の行動の仕方がわかることがAMASASの魅力
ーー見ていただきたいポイントはありますか?
濱中さん:「人口構成の推移」というグラフがあるのですが、見ていて面白いのでおすすめです。なぜなら、海士町での過去と現在の2つのグラフを比較することにより、これまでのまちづくりの成果や今後の課題などが見えてくるからです。
例えば、下記のように、比較年を10年前に設定した、2020年と10年前のグラフをご覧ください。
現在60~70歳代の方の人口の層が大きいのですが、今後10年から20年でさらに大きく減少していくことが予想されます。こうした年代が支えている海士町の一次産業や商工業はどうなっていくんだろうか?と見ていて感じると思います。
反対に、15歳から19歳の人数が明らかに増加していますが、これは隠岐島前高校魅力化プロジェクトの成果によるものですね。ただ、20~29歳代の落ち込みは相変わらず激しいので、その年代を還流を起こすために大人の島留学などに取り組んでいるところです。
このように、データを見ながらそこから見えてきた課題に対し、どのように行動していけば良いか話しやすくなると思います。
濱中さん、AMASASの開発に至った経緯・背景に関するお話をありがとうございました!後編では、AMASASの活用や開発の裏話を公開予定です。お楽しみに!
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