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次に繋げる、未来に繋げる!「崎村だんじり」復活へのGCF®が始まりました!

海士町崎地区での伝統行事「崎村だんじり」。その歴史は、約200年と言われています。この行事を次の世代へつなぐべく、ガバメントクラウドファンディング®がスタートしました!

ーガバメントクラウドファンディングとはー
ガバメントクラウドファンディング®(以下、GCF®)とは、地域のプロジェクトから寄付先を選ぶ、クラウドファンディング型のふるさと納税です。

GCF®では、地域の課題や取り組みを「プロジェクト」として掲載しており、より具体的な使い道を選んでふるさと納税を行うことができます。

ふるさとチョイスGCF®ホームページより

崎村だんじりのGCF®はこちらから!👇

今回お話をお聞きしたのは、崎村だんじりが行われる海士町崎地区の区長 澤田 恭一さんと、崎地区近海で行われる定置網 漁労長 大窪 諒慈さん。

崎村だんじりを次の世代へつないでいく世代の澤田さんと、だんじりを担っていく世代の大窪さんのお二人に、崎村だんじりへの想いをお聞きしました。




「崎村だんじり」とは?

澤田さん:
崎村だんじりは、約200年前に誕生したと言われる行事です。諸説あるようですが、当時の北前船乗組員が西宮の「だんじり」を見て、崎村でもこれをやりたいとのことで誕生したと言われています。

正月明けの1月10日の十日恵比寿祭で行われてきた崎村だんじりですが、人口減少などにより輿(こし)の担ぎ手が集まらず、一度途絶えてしまいました

しかし、平成元年に崎地区の神社「三穂神社」の拝殿新築記念に復活し、近年は4年に一度開催されてきました。そんな中、新型コロナウイルスの影響で開催の見送りを余儀なくされたんですね。

崎村だんじりについて話す、崎地区長の澤田さん

澤田さん:
前回の開催から今年で8年が経過し、崎地区の中でももう一度復活させたいという声が多く上がるようになり、今回催行することになりました。

地区内でも、特に若い方達からの声が多かったように感じます

崎村だんじりというのは通称で、正式名称は「恵比寿祭りの風流ふりゅう〔だんじり〕」と言います。名前に風流という言葉が入っていることから分かるようにとても統制のとれた勇壮な行事なんです。

風流という言葉は催し物といった意味もあるんですけど、みやびやかという意味もあって、そういう統制のとれてというところを強く意識してつけたのかなと思っています。


澤田さん:
崎村だんじりでは、輿を垂直にしたり、戻したりの繰り返しがあるんですけど、その繰り返しというのがやっぱり綺麗なんですよね。

今年もたくさんの方が来られると思いますが、そういったところにも注目してみていただきたいです。


大窪さん:
崎村だんじりは他にも見所があって、左右に大きく傾く輿の中には子どもが乗っているんですね。昔から子どもが乗ることはずっと伝えられて継承されているものだし、彼らにとっては忘れられない一生の思い出になりますよね。

崎村だんじりについて話す、定置網漁労長の大窪さん

大窪さん:
輿には子どもたちが乗っていますが、担いでいる大人たちは容赦なく輿を揺らすので、そこは見所だと思いますね。

澤田さん:
自分が子どもの頃は同級生が50人ほどいて、当時、輿に乗れるのは男性だけでした。単純に考えて25人いる同級生のうち2、3人しか乗れず、子ども達にとっては憧れでしたね。もちろん上や下の世代も乗るので、競争率の激しいものでした。

中の子ども達は縛られていてクッションなどもあるのですが、見ている側はヒヤヒヤしますね。それでもだんじりは圧巻です。

輿に乗る子ども達の様子



GCF®を活用して

澤田さん:
先ほどもお話ししましたが、今回のだんじりは前回の開催から8年が経過しています。

そのため、新品のものと交換するものや新たに用意する衣装など、多くの資金を必要とします。そんな中、海士町役場の方に相談したらGCF®をおすすめしていただきました。

私はGCF®についてよく分かってはいなかったのですが、プロジェクトを伴走してくれる方がいたこと、役場の方にも何度もヒアリングをしていただき、はじめることができました。

澤田さん:
みなさんからの応援による資金は、行事のためだけではなく、後世へ伝えていくためにも活用していきたいと思っています。映像での保存も考えていますし、アルバムのようなものにできればと思います。

崎村だんじりに込める想い

澤田さん:
崎地区というのは、海士町で19年間を過ごされた後鳥羽院とも関わり深い地区で、後鳥羽院が初めて海士の地を踏んだのも崎地区なんです。

後鳥羽上皇御駐泊社である三穂神社の碑

澤田さん:
後鳥羽院に関する遺跡なども多く残されています。崎地区全体で残していこうという土壌がありますね。
こういった地区の団結は、だんじりについても同様です。一つになって向かっていけるし、今回のだんじりが、次の世代につながっていくことを期待しています。

大窪さん:
崎村だんじりは、崎地区の中で一番大きな祭りです。老若男女関わらずみんなが一緒に盛り上がるものなので、これからを担う世代としてもしっかり頑張りたいです。

歴史深いお祭りなので、今回実行委員会にさせていただいたのもすごいうれしいし、このイベントをきっかけに地域の方といろいろ一緒にできたらなと思います。

崎地区は海士町の中でも漁業が盛んな地区で、だんじりには大漁祈願という想いが込められています。

昔はだんじりをすると船が沈むほど魚が取れるという話があったし、実際そうだったそうです。

崎地区で水揚げされた魚を捌く島食の寺子屋の生徒

大窪さん:
私が漁労長を務める定置網漁は、海士町の基幹産業の一つです。崎村だんじりを盛り上げながら、漁業で海士町を根っこから支えていきたいと思います。

澤田さん:
今年も担ぎ手が集まったといえど、崎地区以外の方も参加してもらう予定です。そのため、崎地区だけでなく海士町全体でだんじりを作っていくようになります。

だんじりの開催を通して、海士町を更に活気づけていきたいですね。

大窪さん:
実は、今年は定置網にとっても大事な年なんです。去年やったことが今年の漁に吉と出るか凶とでるかの勝負の年なので、このだんじりを盛り上げながら、大漁を呼び込みたいと思っています。



ーー崎村だんじりという崎地区だけでなく、島全体に活気をもたらすこのだんじり。
海士町が一つとなって、だんじりを成功させるためのお二人の熱い想いを感じることができました。
実は今回の取材は海士町noteスタッフの私が離島する直前のタイミングでご協力いただきました。
離島という大きな節目に海士町を代表するお二人のお話を聞けたことはとても光栄でした。
自分も伝統文化を絶やさないよう、海士町や自分の地元との関わりを絶やしたくないと強く思いました。

崎村だんじりのGCF®は、開催日前日の11月2日まで受け付けています。
みなさんからの応援、お待ちしています!

(海士町note担当:布野)

島との距離は離れても、気持ちはいつも近くに