地域を超えた中学生のつながりの場、「中学生夢ゼミ」って?【隠岐國学習センター】
人と出会い、対話を通して新しい発見をし、自分の夢や人生に活かしていく。
まるで旅をするかのように!
隠岐國学習センターでは、さまざまな地域の中学生(1〜3年生)を対象にオンラインで行う「中学生夢ゼミ」を実施しています。
一体中学生夢ゼミとはどのようなことをして、参加した中学生たちはどのような学びを得ているのでしょうか?
今回は、スタッフの塚越優さんと鈴木うららさんにお話を聞いてみました!
−−どうぞよろしくお願いします!
中学生夢ゼミとは一体どんなゼミなのでしょうか?
塚越さん 中学生夢ゼミとは、全国の中学生が参加できるオンラインゼミです。
今年度は島根、愛知、大阪、埼玉、長野、福岡など、さまざまな県から15名が参加してくれました。昨年度は海外からの参加者もいました。
鈴木さん 中学生夢ゼミでは、「出会いから学ぶ」「人との対話を通して新しい発見をし、それを自分の夢や自分の人生に活かしていく」ということを大切にしています。
それと、「旅感」というのも大切にしています。
・初めましての人と楽しむ!
・偶然の発見を楽しむ!
・おみやげを忘れずに!
この三つを参加する生徒にはお伝えしています。
鈴木さん 各回にテーマがあるのですが、今年度はこんなテーマでした。
−−楽しそうなテーマがたくさん並んでいますね!
毎年同じテーマで進んでいくのでしょうか?
塚越さん いえ、テーマや内容は参加している生徒たちの空気感を見て作っています。
大まかに、関係作り→中学生という枠を超えて高校生などのほかの方と交流する→みんなで共同して何かを一緒に作る、という流れは決まっています。
鈴木さん 私は今年度から夢ゼミスタッフとなったのですが、一番驚いたのがそこでした。
「今の生徒の状況なら、この段階をもう少し踏み込んでいけるよね」と、生徒の様子によって次のテーマを決めていくんです。
塚越さん 先ほど「おみやげを忘れずに!」という話がありましたが、中学生夢ゼミでは「おみやげ感」というのを大切にしていて。
毎回参加してくれるたびに、今日はこれが良かった、こんな気づきがあった、今日でこれができるようになったとか、そういったおみやげが毎回できるといいなということだけ決めています。
彼らの状態を見て、次は何をするかを考えた方が彼らのためになると考えています。
−−最初のころは、参加者の中には緊張される方もいらっしゃるのかなと思いますが、どんな雰囲気で始まるのでしょうか?
塚越さん 毎年、夢ゼミがスタートする前に気軽に参加OKな「プレオンライン夢ゼミ」を開催しています。
初年度は自分自身のキャッチフレーズを作ろう!という内容を行いました。
たくさん話して、自分を知ってもらえたという感覚と、いろんな人がいるんだと知る、この二つの楽しさを感じてもらうワークでした。
その回ではいろんなキャッチフレーズが作られていて、自由に話している時間も多かった印象です。この子こんな特技があって、という話になり「もっとこの子と話してみたい」と思う子も出てきたり。
いままで小中高とずっと同じ人と同じ関係性で生きてきたけれど、いろんな地域の子と話すのが面白いという話も出てきました。
鈴木さん 参加してくれた中学生の中に普段過ごせるところが家と学校しかない、と思っている子もいたようで「中学生夢ゼミが、そこ以外の安心できる場所になりました」という感想がありました。
こういう気持ちになってくれたとき、うれしいですよね。
▼今年度のプレオンライン夢ゼミの様子
−−なるほど、夢ゼミは参加した中学生にとって「安心できる場所」になるのですね。
初年度はどんな空気感だったのでしょうか?
塚越さん 初年度が始まったばかりのころに、好きなものはなんですか?という質問に対して「毛玉です」と答えた女の子がいて。
それを「あの子おもしろいよね!」と、楽しむ雰囲気がある。言っていいんだと思える空気感があるし、安心感がすごく感じられる。
実は最初は、それぞれの個性がぶつかったときってどうなるんだろう?と思っていたんだけど。中学生同士っておもしろいねって言い合うんだ!と驚きました。
その時に、この雰囲気は大事にしたいと思いました。みんなに気づかせてもらいました。
鈴木さん 私も1年間関わってみて、中学生たちが私たちの想像を超えてくるなと思っていたところはあって。
初年度もそんな素敵な空気感があったんですね。
−−初年度の生徒たちは最終回のころ、どんな変化がありましたか?
塚越さん 最終回に「多様なものは面白さなんだと気づいた」という感想があって。
自分が見慣れないことを「変だ」って表現することってあると思うんだけど。
そうではなく、変わったもの、違うものがあるなっていう感覚になってくれたいいなと思っているので、この感想が出てきたときうれしいなと思いました。
鈴木さん 初年度の中学生夢ゼミに参加してくれた子のなかで、島前高校に入学した子たちがいるのですが、その子たちは「中学生夢ゼミ本当に良かった!」と言ってくれていて。
高校生たちから、「次の中学生夢ゼミに高校生として参加したいんだけど、いつあるの?」と声をかけてくれています。
当時の経験をすごく楽しそうに話してくれます。
−−中学生夢ゼミに参加して、島前高校に入学される方もいらっしゃるのですね!
塚越さん 当時は中学生夢ゼミ自体も直接広報していなくて。
島前高校の説明会で募集したり、魅力化のアカウントをフォローしていたら情報を知ることができたりという感じでした。あとは参加者の生徒がほかの子たちを誘ってくれたり人の紹介から広まっていきました。
鈴木さん 中学生の参加動機は人それぞれで。
島前高校に入りたい!という意志があって参加する子と、保護者に勧められてなど、いろんな子がいました。
2024年4月からの新年度からは幅広い層の中学生に参加してもらえたらうれしいなと思っています。
−−いろんな地域の中学生が関わることのできる機会、なかなかないですよね。
今年度からスタッフとなった鈴木さんも授業を担当されたそうですね。
鈴木さん はい、2回担当を持たせてもらいました。
私自身、最初の方は「スケジュール通り進めないと!」や「生徒たちがこちらが意図していたことと違う雑談をしている…飽きちゃったかな?」と考えて不安になることもありました。
鈴木さん でも、そこで様子を見ていると、気づいたらその雑談の中から進路相談が始まっていたり、ぶっちゃけ今何が不安?とかそういう相談がされていたり。
最後の感想で、「ワークも楽しかったけど、仲間と雑談できたということが良かったです」という声があって。
こちらが提供しているのは「きっかけ」なんだなと気がつくことができ、私にとっても勉強になる時間でした。中学生ってすごいんだなと思いました。
塚越さんも「中学生が毎回自分の想像を超えてくる」という話を前にしていましたよね。
塚越さん そうだね。「きっとみんなが想像を超えてくるんだろうなと」思いながらやっています。彼らの想像力や行動力は僕らよりもすごいんです。
ワークをやっていても感じることではあるのですが、夢ゼミ自体は基本オンラインなので、接続の問題で音がうまく聞こえないプチハプニングなどもあって。
そのとき生徒同士がLINE電話し始めたんです。
鈴木さん ありましたね!
鈴木さん 中学生夢ゼミに参加している子たちは、そこでの空間が楽しくて友達になり、連絡先を交換していることがあって。
システムエラーでオンラインに入れなくなった子が、別の子にLINE電話で繋げて参加していたことがありました。応用力すごいな!と思います。
塚越さん 本当そうなんです。さっき鈴木さんが言っていたように、僕らはきっかけでしかない。彼らが仲良くなったり、共同するためのきっかけ。
中学生たちの成長力の方がすごいです。逆にどんなきっかけがあればもっと面白くなるかな?と考えているくらい。
狂う回とかも面白かったよね。
鈴木さん そうでしたね、今年度私の担当回があったのですが、「今日のテーマは狂うです!諸君、狂いたまえ!」と伝えて。
鈴木さん 今日は狂いながら話しましょうとお話しして、その回は島前高校出身のゲストや高校生にも参加してもらって。
ゲストの話を聞きながら思ったこと感じたことを考えて、自分のネジを外しながら考えてみようという回。
チャット欄が「うおおおおおお」とかで埋まっていきました笑
その後も「今日は狂って感想を発表します!」と言ってくれる子もいたり。
鈴木さん 今年度は自分を知る、伝えるというところから始まって、だんだん相手に問うインタビューを始めたり、言葉以外の表情やジェスチャー、オノマトペで表現しようという回をやってみたり。
少しずつ変わっていく彼らを見ているのがたのしかったです。
その中でも、今年度のハイライトはやっぱり…オランダ路上インタビューですかね。
塚越さん あれはいい回だったね、鉄板にしたいくらい。
−−オランダ路上インタビューとは、一体どのような内容なのでしょうか?
塚越さん 元魅力化スタッフの澤多さんが、今オランダに住んでいて。せっかくなのでオランダと中学生夢ゼミをつなげて「オランダの方に突撃インタビューしてみよう」と。
鈴木さん 澤多さんにスマホを持ちながら歩いてもらい「今パン食べてる人に声かけてみようか!」と、その場で声をかけて。
事前に考えていた質問を中学生が直接聞いたり、澤多さんに英語で伝えてもらったりしました。
その中に、元々日本に住んでたという方がいらっしゃって「犬のしつけは 、お手とおかわりでしてるの」なんて話が聞けることもありました。
最後はオランダの方々から中学生に向けての質問をしていただいて、中学生が英語で答えてみたりと、疑似留学みたいでしたね。
鈴木さん これを中学生夢ゼミのみんなでやってみても面白そうです、「今から家の周り散歩します!」とかどうでしょう?
塚越さん それもおもしろいね。国内に留まらず、海外から参加してくれる中学生もいるから、土地の面白さがあっていいかもしれないね。
−−今年度の最終回はどのような雰囲気だったのでしょうか?
鈴木さん 毎回異なったテーマの回を重ねていくごとに、みんながそれぞれ自分でおみやげを持ち続けていたことを実感しました。
一番最終回のとき、
「これまでおみやげを大切にということだったので、最後は僕からみんなにおみやげを渡そうと思います。みんな、日常のしあわせを大事にしてね!」
と言っている子がいて。
鈴木さん 「学び」という固い言葉にしたくないくらい、自分たちで自発的にどんどん話しておみやげとして持って帰ってくれていたことが、うれしかったです。
最終回にはさまざまな感想を聞くことができました。同年代と関わるからこそ、いろいろな刺激を受けやすいのだろうなと思います。とってもいい雰囲気でした。
−−今年度からスタッフとして関わられた鈴木さんは、気持ちの変化などありますか?
鈴木さん この一年ですごく変わりました。最初のころは授業も全部用意しなくちゃ、と思っていたけれど。
こちらから提供しようという気持ちではなく、きっかけを与えて彼らの反応が返ってきて、一緒に作っているんだという感覚になったときに「すごく楽しいな」と思いました。
もっと彼らのことを信じていい、もっと彼らと一緒に自分自身も楽しんでいいんだなということをみんなに気付かせてもらいました。
「偶然の発見」を楽しいと思えるようになったことが、自分の中での大きな変化です。
新年度もどんな出会い、学び、偶然の発見があるのか、私自身も楽しみです。
−−新年度は2024年4月中旬ころに募集開始ということですが、来年度の中学生夢ゼミはどんな時間にしていきたい、どんな中学生たちに参加してほしいでしょうか?
鈴木さん 昨年度、今年度と同じように中学生夢ゼミらしい安心感を大事にしていきたいです。いろんな人といろんな話をしてみて、いろんな発見をして。
一つひとつのおみやげが、参加してくれた中学生たちの日常に還っていく時間を作れたらいいなと思っています。
塚越さん 現状にモヤモヤしている子も来てくれるといいなと思っていますし、新しい出会い、新しい気づきが欲しいなと思っている子が来てくれるといいなと思っています。
中学生夢ゼミは、島前の学びを日本全体に広めていくことを一つの目標としているのですが、中学生夢ゼミではここでの学びを島内の中学生にも感じて欲しくて。
島内は中学校が一つだけだから同じ環境で過ごすことが多くなる。
中学生夢ゼミでは今まで出会わなかったような地域、海外、同世代の子と話ができるきっかけになると思います。
島前地域にいる中学生たちにもぜひ、興味を持ってもらえたらと思います。
夢ゼミはみんなで作る場所。安心して参加してもらえるとうれしいです。
2024年度、プレ夢ゼミ募集スタート!
2024年度の中学生夢ゼミは、5月にスタート!
スタートに先立ち、お試し版として「プレ夢ゼミ」が開催されるとのこと👀
中学生夢ゼミが気になった方はぜひ、参加してみてくださいね✨
▼プレ夢ゼミの申し込みフォームはこちら▼
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