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前例のない働き方。半官半X職員にインタビュー!

離島が身近でない方にとっては、離島で働くこと、そして離島の役場で働くことを、なかなか想像しづらいかと思います。

そこで前回は、海士町に移住した経緯や不安、海士町役場で働くまでの流れなどをご紹介しました。

第2回目の今回は、海士町役場 半官半X特命担当の仕事内容について詳しくお伝えします!

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半官半Xとは


半官半Xは、『官』として役場の業務に従事するだけでなく、『X』として自分の「好き」や「得意」を地域に還元する海士町役場独自の働き方です。

半官半Xの中の大きな軸として、その『X』が海士町のためになっているかどうか、その『X』が楽しいかどうかを大切にしています。

農業、漁業、林業、観光、医療、福祉、教育、IT、芸術など、どんなことでも、地域のためになることにどんどん挑戦していき、自分の管轄だけでなく、海士町の抱える課題や役場の抱える課題、すべてに当事者意識を持って働ける役場を目指しています。

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半官半X特命担当職員のみなさん


半官半Xが発足した経緯

「日本公務員の、縦割り構造を変えたい。」
「現場で困り事があるならば、公務員が現場に出て力になればいい。」

このような思いを胸に現海士町長である大江和彦が、提唱して出来た概念が『半官半X』です。

一般的な役場の働き方は、事務作業やデスクワークが中心で、役場の外へ繰り出す機会が多くありません。また、役場の縦割りのシステム上、課同士の業務の連携も制限されてしまい、大きすぎる課題へのアプローチが難しい状態でした。

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岩がきの種苗センターで後継者として働く半官半X特命担当職員

『地域の担い手不足』という海士町が抱える大きな課題に対し、職員自身が地域の担い手になればいい!と、地域の方々と実際に触れ合う中で、信頼関係を築き、新たな課題解決の糸口を見つける試みを実践しています。

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今年(2021)海士町役場に入庁し、半官半X特命担当に所属する吉元さんにインタビューを行いました。吉元さんは高校まで海士町で過ごし、関東の大学に進学しました。その後、5年間、関東でシステム関係の仕事に携わり、今年海士町にUターンされました。

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ー今の仕事内容について教えて下さい。

今は主に水産系、未来共創基金、電算系の仕事をしています。

具体的に、水産系の仕事では、おすすめの魚など、様々な種類の魚を詰め合わせた鮮魚ボックスを個人や居酒屋に直接届けるという新しいふるさと納税返礼品を考えています。

新型コロナウイルス感染症の影響で、居酒屋等の飲食店での需要が薄れ、魚の価格が下がっているため、市場を通さず直接消費者に届けることで、市場よりも高い単価で漁師さんから買うことができる仕組みを作ろうとしています。

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鮮魚ボックスの例

未来共創基金では、島の未来をつくる事業の提案を受け、ビジョンの実現のために、ともに考え、支えていく仕事をしています。

未来共創基金とは
海士町ふるさとづくり寄付条例に基づき設置され、海士町に納付されたふるさと納税の一部(年間全納付額の25〜30%程度を予定)を原資とし、魅力的で持続可能な島の未来のために不可欠な事業に投資しています。

電算系の仕事とは、役場内の機器やネットワーク・システムに関する業務です。パソコンの設定や、役場内の機械のトラブルなどを対処しています。

ほかにも新しく改装するホテル(Entô)がオープンするまでの間、半官半Xとして事務作業などの手伝いをすることもありました。


ーなぜ、海士町役場に入庁されましたか?

もともと海士町に帰って働きたいとは考えていました。純粋に海士町が好きで、海も好きで、海士町がもっと良くなるための仕事ができれば、楽しいだろうなと思っていました。

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海士町のきれいな景色。好きな写真だそうです。

海士町内の民間企業で働くことも考えましたが、海士町役場に半官半X職員として入庁すれば、海士町を良くするために幅広く様々な挑戦をすることができるのではないかと感じ、応募しました。

以前勤めていたIT関係の知識も活かしながら、海士町がよりよくなっていくために何ができるのかを考え、行動していきたいと思っています。

ー仕事における楽しいところを教えてください。

システム関係の仕事は、前職で5年ほど携わっていた経験を活かせています。自分ができることに対していろんな人を巻き込んで、作り上げていくことが面白いです。

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役場庁舎内の機器を設定中

ほかの仕事に関しては、知らないことばかりなので、色々なことを吸収できる環境が楽しいです。例えば、水産系の仕事の際に、漁法や旬の魚、海士町の水産業が今どういう状態なのか、という今まで携わることのなかった分野に関わることができて新鮮です。


ー働いていて、難しいと思うことはありますか?

半官半Xは、前例のない働き方なので、半官半Xをこれからどのような形にしていくのか、半官半Xを確立させることが難しいです。

また、事務作業などの仕事、現場に出る仕事、新しく生み出す仕事のバランスやタスクがいっぱいで大変なときもあります。

ーやりがいを感じるときはどんな時ですか?

今自分がやっていることが、海士町のためになっていたり、海士町がよりいい方に向かっていたりすることを感じれたときにやりがいを感じます。

特に未来共創基金の業務では「未来のためにできたらすごくいいね!」ということを考えているので、そこに関われていることがモチベーションにもなっています。半官半Xの仕事のほとんどが、未来の海士町のためになっているなと思うことが多いです。

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ー半官半Xはどんな方におすすめですか?

海士町にいると繋がりがすごく大切だと思っていて、知りあいだったり、つながりがあったりすると、仕事で地域の方と話しやすくなるときがあります。色々な人と関われる機会を大切にし、人とつながりたいと行動に移していけるような方におすすめです。

そして、どんなことにも興味を持ってほしいなと思っています。「これはいやです、これはやります」とやる前に判断するのではなく、もし興味のない仕事であったとしても、これにはどういう意味があるんだろうと考えながら意義を見つけてほしいです。

また、半官半Xだからと地域に関することについてしっかり学んでいる必要はないと思っています。学んでいること、得意なことそれぞれが違っていて、いろんな人がいるとよりよい半官半Xになるのではと思います。

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半官半X特命担当でインターンをしている大学生

ー島で働く良さはありますか?

住民のみなさんと距離が近いため、自分の仕事によって住民のみなさんに与える効果が想像しやすいかなと思います。小さな島だからこそ、こういう成果が出そうだな、こういうものを作ると喜んでくれそうだな、と考えられるところに働きやすさがあるのかなと思っています。

また、海士町役場は事務作業以外にも外出する機会が多く、キンニャモニャセンターでの交流や海士町の食材の地産地消のために、ビアガーデンも役場職員が行っていたり、火事が起きたときは役場職員も消防本部班として出動しています。

ーこれからの目標を教えてください。

これからも海士町のためになることを軸に、色々なものに興味を持って、海士町の未来のために行動していければと思います。


吉元さん、ありがとうございました。
役場職員としての業務以外にも、消防やビアガーデンのほか、町営バスの運転手が足りない際には、役場職員がサポートをしています。
町の課題を役場職員自らがサポートするなど、役場内に限らず様々な活動を行っていることが、海士町役場らしさだと思います。

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【募集は終了しました】海士町役場 職員募集について

海士町役場では、令和3年度は計3回の職員募集を行う予定です。第2回の次回は、7月9日に募集を開始(締め切り:8月10日)いたします。海士町らしい働き方に興味を持ってくださった方は、ぜひご応募くださいね!


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概要

募集職種・人数
・一般事務(地域の担い手業務・半官半X):5名程度
・土木事務:2名程度

受付期間
令和3年7月9日(金)から令和3年8月10日(火)
※申込用紙の交付は、役場窓口・郵便・メールで請求できます。

受験資格
一般事務:昭和56年4月2日から平成16年4月1日までに生まれた人
土木事務:昭和56年4月2日から平成16年4月1日までに生まれた人
     土木事務の経験を有する人、土木事務を学んだ人

試験日・試験会場
試験日:令和3年9月19日(日)
試験会場:島根県民会館 (島根県松江市殿町158番地)

試験種目
・一般事務:教養試験(選択式)、職場適応性検査
・土木:教養試験(選択式)、土木専門試験

詳しくは下記の募集要項をご確認ください。

募集要項

お問合せ
海士町役場 総務課(山斗)
〒684-0403 島根県隠岐郡海士町大字海士1490番地
TEL 08514-2-0113
メール:soumu■town.ama.shimane.jp( ■を@にしてください)

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