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普段の生活学校が行われました
「先に準備しちゃおう!」そのひと声で2人の中学3年生が中央公民館で布団運びを・・・!これから何が始まるのでしょう?
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こんにちは!海士町教育委員会でインターンをしている山田若奈(やまだわかな)です。今回は海士町教育委員会の事業の一つである5泊6日のビッグイベント、”普段の生活学校”に迫ります!
普段の生活学校とは
5泊6日普段の生活学校・・・?なんと不思議な名前の事業なのでしょうか。名前の通り”普段の生活”の学校なのでは・・・?いやいやまさか、そんな、と思われたそこのあなた。正解です!
普段の生活学校とは、公民館事業の一つで洗濯・炊事等日常的な家事を行いながら職場(学校)に通う合宿体験を行うことにより、生活技術と集団生活を学ぶ
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なぜこの様な体験があるのかというと、隠岐諸島には大学がないため、本土まで渡らないと進学が出来ないのです。つまり大学に通うには、海を渡って親元から遠く離れた場所で生活することになるので、必然的にさまざまな能力が必要になってきます。
また、この普段の生活学校では特に”【行動力】【忍耐力】【感謝の心】【連携力】の力”を身につけるために行います。
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それでは早速当日の様子を覗いてみましょう!
当日の様子
<生活編>
日中は学校に通い、帰宅後、食事作りをします。合間を見て洗濯や、身の回りのことを全て自分自身で行います。また、学校のない土曜日には、まず自分達で食べたいメニューを決めるところからチャレンジ!班のみんなで決めた食べたい料理を中心に、栄養バランス・予算との兼ね合いを考えながら食事作りをしました。
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<学習編>
今回初めてICTを使用した学習の試みも。毎日1時間程度の自主学習終了後、”kahoot!”(カフート)を利用してクイズ形式で学びの復習を行いました。そして、最終的には、与えられた問題を解くだけでなく、自分たち自身で問題を作成!
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※ICT教育(パソコンやタブレット端末、インターネットなどの情報通信技術を活用した教育手法)
<素潜りタイム編>
炊事・洗濯・学習時間と忙しい中で毎日30分から60分程度、自分を理解すること(自分の性格/興味/凸凹など)を目的とした時間のことを今回素潜りタイムと名付けました。何をするにも自分がどんな目的で行うのか、特に中学3年生にとっては自分自身を深ぼることで、自分自身がどこに向かって行きたいのか?何のために学習するのか?学習のモチベーションを高めるために行われました。
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そんな素潜りタイムではユーモアたっぷりの自己紹介である「ワタシの/アノ子の取り扱い説明書」などを行いました。
<最後に>
最終日には6日間で得た学びや感じたことをみんなの前で話してくれました。”今までの当たり前が当たり前ではないということ””身近な友達からも学ぶこと””「ありがとう」を伝える力””自分1人で完璧に出来るようになることではなく、チームのために何が出来るかを意識すること”など様々に言葉にして伝えてくれました。
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教育委員会のうらがわ
今回は大阪教育大学の学生さんも実習を兼ねて、普段の生活学校のスタッフとして活動してくださいました。日中研修に参加し、海士町のことを学びつつ、最終日には子どもたちに普段大学で学んでいることを活かし、プチ授業をしてくれました。
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当日中学生に行うワークを海士町に住んでいる島体験/島留学と事前に確認しました。
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今回は中央公民館が子どもたちの日常生活を送る舞台!子どもたちが出入りする姿はとても微笑ましい日々でした。
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一言メモ
初日、子ども達は少し緊張した様子ではありましたが、日に日に素直に表現できるようになっていました。どうしても同学年の生徒同士の人数が少ない故に、出来あがっている関係性の中で周りの目を気にしてしまい、自分が持っているものを表現する事が億劫になりやすくなっています。しかし、今回の普段とは少し違う環境下で、日常生活を共にする友達の新たな一面が垣間見えたのではないでしょうか?
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この6日間、料理をしたり洗濯をしたりなど、普段しないことをすることは子ども達にとっては非日常だったかもしれません。しかし私たち大人にとっては当たり前の日常。でも、それはいつしか当たり前になってしまっているだけなのでは?ありがたいは有難い、ある事が難しいことを改めて思うと同時に、私たちも常に周りの方々に支えられているのだと実感した6日間でした。