海士町をまるごと味わいたい。「TADAYOI−海士グランピング」で海に漂うような特別な時間、過ごしませんか?
離島観光の新たな挑戦。隠岐諸島初のドーム型グランピング施設が海士町に誕生しました。
海士町は、観光分野の挑戦の1つとして、2021年7月に隠岐ユネスコ世界ジオパークの泊まれる拠点「Entô」をオープンしました。離島における新たな滞在価値の創出・提供を通じて、隠岐諸島の地域活性化を目指してきましたが、次なる一手として、約2年前から構想していたグランピング事業がいよいよスタート。
島の食材や文化に触れるきっかけを創りながら、海士町ならではの観光体験・感動体験を共に創りたいという点で、㈱FoundingBaseさんと海士町が共創し、グランピング施設「TADAYOI」がオープンしました。
今回はグランピング事業の立役者である、㈱FoundingBase所属、海士町の地域活性化企業人の夏川戸大智さんにお話をお聞きしました。
海の上で漂っているかのような滞在を。
ーー「TADAYOI(ただよい)」のネーミングとコンセプトについて教えてください
夏川戸さん:
TADAYOIのネーミングには2つ意味があります。
1つは海の上に漂っているような体験というところ。
ドームテントからは島前カルデラの海が一望でき、海の上に浮かんで過ごしているような空間になっています。「海士町」には「海」という字が入っていますし、滞在期間中は室内にいても「海」を楽しんでほしいことからつけました。
2つ目は「ただ、良い。」という意味で、海士町のないものはない精神にもあるように、今、目の前にあるもののよさを見い出し、ありのままの島の魅力を感じていただきたいと思っています。
夏川戸さん:
昔から海士町の子どもたちは、海や自然の中で過ごせる環境にあります。
一方で観光で来島されたゲストのみなさんが、島のありのままの自然を体験できる場所はたくさんありそうで少ないよな…と。海士町でグランピング事業に携わることになったときは、めちゃくちゃ楽しそうだなって思いました。
夏川戸さん:
自然を体験できる場所はもちろんのこと、海士町ってみなさんが気さくに交流してくれたり、フレンドリーだけど、海士町に知り合いがいないとなかなか地域交流まで至らない。
初めて海士町に来られた方にも、何年も島で暮らしている人たちと同じくらい自然環境と人との交流が楽しめる環境を、海士町ならつくれると思いました。
島をまるごと楽しめるグランピング
ーーテントにはドームテントとコットンテントの2タイプがあるんですね。
夏川戸さん:
はい。ドームテントは、目の前の海や自然を滞在しながらも楽しんでほしいという思いから、しっかりした密閉空間(エアコン完備)で強風でも耐えられるような作りにしました。
夏川戸さん:
室内は、自然色の家具や岩のテクスチャーを意識したフローリングにもこだわりました。隠岐ユネスコ世界ジオパークらしいしつらえを意識しています。
行き交う船を見ることも島ならでは光景です!
夏川戸さん:
もう一種類のテントは、海士町の自然を楽しんでいただきたいので、コットンテントを取り入れました。外の気温や気象を肌で感じられるため、自然を身近に感じやすい空間になっています。
ーーキッチンスペースやシャワースペースについて
夏川戸さん:
中長期で滞在される方にも、海士町を楽しんでいただけるように、別棟のキッチンスペースを取り付けています。私たちが提供する食事だけではなく、釣った魚を調理するなど、自分たちでつくることも存分に満喫してもらいたいですね。
キッチンと一緒にお手洗いやシャワースペースも1棟に1つずつ用意しており、いつでも安心してご利用いただけます。
入浴については、夜のみEntô内の大浴場の利用ができるそうです。
ーー海士町の食材を使用していると聞きましたが、食事のこだわりを教えてください。
夏川戸さん:
食材の9割以上が海士・隠岐諸島のものを使っています。自然の恵みをリアルに体験できるところがグランピングの魅力の一つだと思っていて、夕食は、海士らしさ、隠岐らしさを堪能できるBBQになっています。
夏川戸さん:
BBQでは、火起こし不要のガスグリルを採用しています。焼き方がわからない方はスタッフが教えます!!!
夏川戸さん:
私は観光って町の産業の入り口だと思っていて、町の一次産業、事業者の方々がつくられたものを私たちが入り口となって販売につなげていきたいですね。
例えば「美味しかったから帰ってからもネット通販で買ってみたい」と思っていただけるような、産業の新しい市場を切り拓く役割も意識しています。
ーー「TADAYOI」ならではのアクティビティはありますか?
特におすすめなのは、海がきれいなので水中の様子も見れる透明なクリアカヤックですね。
夏川戸さん:
また、水面を漂うSUPや海士町の特産品でもあるフクギ茶でロウリュ(フィンランド式のサウナ入浴法)が楽しめるサウナも準備しています。
夏川戸さん:
月替わりで地域交流も考えていて、夏はクルージングであったり、地域の農家さんで収穫体験など四季折々、海士町だからできるコンテンツを作っていきたいです。
海士町にきて2年目という夏川戸さん。まちのことを少し聞いてみました。
ーー海士町で思い出に残っているエピソードがあれば教えてください。
夏川戸さん:
「海士町での思い出と言えば、昨年のソフトボール大会です!」
当時、私は海士町の日須賀地区という区民が20人弱の島の中でも小さな地区に住んでいました。海士町で毎年開催されている「ソフトボール大会」に、これまで日須賀地区は出場したことがないと聞きました。自分が大学時代に野球部に所属していたこともあり、日須賀地区のみなさんと一緒に出ようと決意!
地区の全員の家を回って出ませんかって声をかけて…(笑)まだ海士町に来たばかりの5月くらいでしたね。「その日って空いてますか?メンバー登録しておいたんで」と伝えて、しっかり練習もして、初出場でなんと3位になりました!めちゃくちゃ面白かったですね。
ーー海士町のどんなところが好きですか?
夏川戸さん:
町のことを自分事化して話す方が多くて衝撃的でした。「町はこうあるべきで、こういうことをやりたい。」思考と行動をしっかり続けられる人であふれているところが好きです。
夏川戸さん:
海士の方から「この時期に取れるメカブがすごくおいしくて、BBQにあったらいいと思うんだよね。」など、グランピングのことまで自分事化して考えてもらえたときは、本当にうれしかったですね。
海士町を好きになるきっかけになりたい
「海士町は島ですし、観光地としては、なかなか行き先の選択肢として生まれにくい場所という面もあります。
観光を通してこの町ってこんなに良いところなんだ。もっと人生過ごしてみたい。と思ってもらえる、人生の中で選択肢のひとつになるような原体験を観光を通じて作りたいです。
僕らが感動体験を提供して海士町に関わる人が増えたらうれしい。
1番町のことを楽しんでいるからこそ伝えられるコンテンツを今後も作っていきたい」と夏川戸さんは話します。
「グランピング」=「豪華なキャンプ」とイメージをしがちですが、「TADAYOI」では、かしこまらず3世代が安心してグランピングを楽しめるところも魅力的ですね。
地域の子ども会や企業の研修で利用を希望される方も増えてきているそうで、「宿予約だけでなく、全体のコーディネートもお気軽に!」とのこと。
ぜひ行ってみて&相談してみてください!
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(R5年度島留学生:渋谷・柿添)