離島に水族館!?釣って!触って!描いて!みて!『みんなでつくろう!水族館』イベントへ行ってきました。
水族館がない海士町に水族館ができた!?
海が目のまえに広がるロケーションで、9月10日(日)『みんなでつくろう!水族館』イベントが開催されました。
海にまつわる様々な企画が楽しめるということで早速行ってみることに!
会場となったのは、海士町豊田地区にある旧あまんぼうハウス。以前は海中展望船あまんぼうの発着場所でしたが、菱浦港に発着場所が移り、現在はダイビング施設(夏季のみ)として使用されています。
そんな旧あまんぼうハウスで「海の士(ひと)を育む会」さん主催のもと、海士町の魅力、旧あまんぼうハウスの周知や地域交流の場として今回のイベントが実施されることになりました。
海士町に生息する魚を水槽展示🐠
入口をくぐると水槽がズラッと並んでいました。
ホテルで使用されなくなったシーツを再利用し、白一面に背景を統一。
魚に注目してもらえるように、1つ1つの演出にこだわったといいます。
水槽展示は、もともと水族館で働いていた経歴を持つ西田拓稔さんが主体となり、大人の島留学生の篠原夢さん協力のもと、つくられました。
「ソラスズメダイやタコクラゲをはじめ、食利用されていないけど、この地域に生息する生物はたくさんいて、そういった地域資源を今後も活用していきたいです。」と西田さんは話します。
水槽の中も照明で照らされ、泳ぐ魚の細かい模様や美しい色合いも楽しむことができました!
ソラスズメダイは、体全体が青いのではなく、光の中にある青色のみを反射するので青く見えるのだとか。
会場のテラスでは、タッチプール体験が行われていました!
クイズとともに、楽しくヒトデやナマコとふれあえるプログラムです!
このプログラムは、イベント協力者のひとりである篠原さんの提案で実現したそう。もともと大学で海の勉強をしていた経験から今回のアイデアが生まれたといいます。
「みんな来てくれてすごくうれしかった。生き物が苦手な子も、最後は積極的に生き物とのふれあいを楽しんでいて、この企画に携われてよかったです!」と篠原さん。
気づくと子どもたちの憩いの場に。
わかりやすい解説とともに生物の知識も学べるタッチプールコーナーでした!
漁船に乗って海の生き物を観察🚢
この体験では漁船に乗り、箱眼鏡で海の中の様子を観察することができます!肉眼でも海の底の方まで見ることができますが、箱眼鏡を使うとさらにキレイ!!
箱眼鏡を使って魚を探すことが自体が楽しかったという声もありました。魚の大群が横切ると大きな歓声も!!
竹竿で魚釣り体験🎣
会場のテラス側の堤防では、竹竿を使った魚釣りが行われていました!
子どもから大人まで一緒になって楽しんだ魚釣り!
どんな魚が釣れたのでしょう?
イカや魚の切り身、貝などを釣りエサにします。
エサの香りで魚をおびき寄せると...。なんと、29㎝の立派なカサゴが!!
まさか竹竿で釣れるとはびっくりですね!
ベラやクサフグなども釣れ、子どもたちも大盛り上がりでした。
隠岐島前高校生と協力して釣り部門を担当した城之内さんは、「最初から最後まで誰かが釣りを楽しんでいました。島のお母さんたちが子どもに釣りを教える機会は少ないだろうから、こういった機会にやらせてあげたいという気持ちがすごく伝わってきました。」と話してくれました。
釣った魚を大きな生け簀にいれ、観察タイム!
「あれ大きい!!」「僕が釣った魚!!」など、子どもたちの声が飛び交います。まさに”みんなでつくろう!水族館”ですね!
あわせて、魚の餌やり体験も!魚の生態が知れる貴重なプログラムとなりました🐟
美味しいご飯タイム🦑
豊田地区で水産加工をされている「海の駅松島」さんによる、海幸カレーと白いかの漬け丼の販売やいかの一夜干し等の物販もありました。
お昼前には行列が!海を眺めながら島ならではのランチを味わいました🍛
みんなで1つの海を!フィンガーペインティング🎨
お腹も満たしたところで、お次はフィンガーペインティングへ!
はじめて聞きましたが、その名の通り、指に絵の具をつけて大きな布にお絵描きをします!
海にまつわる形に切り取られた段ボールのふちをなぞると誰でも簡単に描くことができます🐬
イルカやクラゲなど様々な海の生き物が描かれていました!
年齢問わず楽しめるところがこの企画の魅力。
布を広げると、ひとつの大きなアート作品になります。
魚が浮かび上がる!?海士町版ペイントアクアリウム✨
ペイントアクアリウムでは、海の生き物が描かれた紙に好きな色を使って塗り絵をしていきます!
1色で塗り絵をする子もいれば虹色で描く子も!
好きな色を使って海の生き物が彩られていきます。
ペイントアクアリウムは、塗り絵だけではありません!子どもたちの作品をスキャンすると、絵が会場のスクリーンに投影されるんです。
自分が描いた絵が動いている...!!
そんな不思議な体験に子どもたちも興味津々の様子でした。
さいごは…。
開催場所となった豊田地区 区長の山下照夫さんからのお言葉も。
「みなさんに協力いただき、豊田地区としても大きなイベントが無事に終わってホッとしているところです。これからも色んな人と通じ合いながら豊田地区としてもイベントをやりたいですし、旧あまんぼうハウスについても、みなさんに意見を出してもらいながら、今後の活用を考えていきたいです。」と話されました。
約150名のみなさんが集まった今回のイベント。海士町内からの来場だけでなく、隣の島から訪れる方も!終始賑わいを見せたイベントとなりました。
このイベントに込められた思いとは…。
主催者の方に聞いてみました!
今回お話を聞いたのは、JICA海外協力隊 グローカルプログラム生の夏目明咲さん。海士町の海や文化に親しむ機会を提供する活動を行う団体「海の士(ひと)を育む会」で活動中。
そんな夏目さんがこのイベントを主催しようと思ったきっかけや、無事に開催をできた今思うこと、今後の展望などを熱く語ってくれました!
夏目さん:
私は、「海の士を育む会」というところで活動していて、この旧あまんぼうハウスの活用方法と有効活用について紹介を受けたことと、そこで水槽展示をはじめていた西田さんと出会ったことが今回のイベントのきっかけです。
旧あまんぼうハウスでは定期的にイベント等などを開いて、人を呼ぶことはやっているみたいなんですけど、海士町に水族館がないことも知り、何か水族館をテーマとしたイベントをやりたいなと思って。島内のみなさんにもっとここでの魅力を知ってもらいたいなと思って開催しました。
ーーイベント準備にあたって心がけていたことはありますか?
夏目さん:
豊田地区のみなさんと一緒に企画・実施することを大切にしていました。Iターンやお試し移住で一時的に滞在する私たちだけで盛り上がってしまうのはよくないので。地域交流として、みんなが集いやすい場所を作りたかったということもありますね。
ーーイベントの準備やイベントを通して大変だったことはありますか?
夏目さん:
色んな方を巻き込んでやろうとすると色んな意見があって、それをどう調整すればいいのか自分の頭の中で分からなくなってしまって、結局いっぱいいっぱいになったこともありましたね。
ただ、みなさんに支えられてなんとかできました。
スタッフや豊田地区のみなさんの意見でどんどんグレードアップしていって。
全部の企画に力をいれられたのも豊田地区のみなさんの協力やスタッフのバックアップ体制がすごかったっていうのがありますね。ほんと!導いてもらったっていう感じです。
ーー無事にイベントを開催できた今の気持ちをお聞かせください。
夏目さん:
今はこうして色んな方にこんな場所があるんだよって知ってもらったんですけど、ここで終わりじゃなくて、これをどう次に繋げていくか。
今後も、このイベントで終わりではなく、なにかカタチが続いて、繋がって、いい方向に進んでいってほしいですね。
私はもう少しで離島してしまうので、できる限りサポートしていきたいです。
ーーこれから更に豊田地区の活気が増していきそうですね!
夏目さん:
豊田地区は今年はじめてキンニャモニャパレードに出たり、Iターンの方を含めてすごく活発的な印象を持っています。これからも豊田地区のみなさんと一緒に色々なモノゴトが生まれていったらいいなと思います。
海士町らしさが詰まった水族館イベントにいってみて🐬
海士町らしい水族館イベント。
スタッフの得意が活かされた企画では、子どもから大人まで年齢関係なく、海士町に生きる海の生き物に興味深々な姿が印象的でした!
カサゴが釣れた際は、離れた場所にいた人も思わず駆け寄る。
みんなが一緒に楽しむ様子をみて、イベントに込められた想いが伝わってきました。
(R5年度 大人の島留学生:渋谷 ・インターンシップ生:丸山)