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離島でいわがきの赤ちゃんを育てるお仕事!まずは一度、覗いてみませんか?

島根県にある離島、海士町。海の見える場所で、いわがきの赤ちゃんを育てている施設があります。それが「海士町種苗センター」です。

今回は海士町種苗センターに密着、インタビューをさせていただきました!

海士町種苗センターとは?
海士町役場が運営する、海士町西地区(日ノ津)にあるいわがきの赤ちゃんを育成する施設。
いわがきを受精させ、海に対応できる稚貝の大きさになるまで約40日間をかけて育てていきます。1年で、4~5回のサイクルをまわします。
大きくなった赤ちゃんたちは、海士町内のいわがき春香を生産する組合にバトンタッチ。
海士町種苗センターの手からは離れ、3年がかりのいわがき養殖がはじまります。


求人情報や移住ツアーの情報も掲載しています。
気になる方は最後までチェックしてみてくださいね!




密着!本日の作業は「枠入れ」

ある日の海士町種苗センターに潜入してみました!

白と青、爽やかな建物が目印

白と青のコントラストが目を引く、こちらの施設が海士町種苗センターです!
そして建物の目の前には、

左:海士町 中央:知夫里島 右:西ノ島

隠岐島前地域3島を見渡せる絶景スポット!
思わず深呼吸をしたくなる、海好きにはたまらない景色ですね。

取材当日は、なにやら大掛かりな作業をしている日とのこと。
早速お邪魔してみると…

作業中の種苗センターのみなさんが出迎えてくれました!

「おはようございます!」

今日は1日よろしくお願いします…!

この日は、枠入れと呼ばれる作業。
なかなか見ることのできない作業、しっかりと見学させていただきます。

まずは、いわがきの赤ちゃんが住む場所となる「トレール(円盤状の樹脂製の採苗器)を海水で洗浄し、泥や汚れを落としていきます。

じゃぶじゃぶ

大きなプールの中で洗われるトレールたち。
気持ちいい水の音と共に、太陽の光が水にキラキラと反射してきれいでした。

その後台車に乗せ、たくさんの水槽がずらりと並ぶセンター室内へGO!

1つに約1t入る大きな水槽たち

広い室内では酸素の音や、機械の音が聞こえてきます。
なんだかワクワクする空間です!

コロコロと運ばれていく

そして、手を大きく上げて水槽の中にIN!
一見軽そうに見えるトレールたち、実際に持たせてもらうとかなりの重さでした。

このトレールに幼生(ようせい)と呼ばれるいわがきの赤ちゃんが付着し、約40日間水槽で育てた後、海へ沈ませ数年間かけて育てていくそうです。

赤ちゃんが付着したあとの様子

海に沈ませる必要があるから重いのですね…なるほど。

ちなみに、センター内室温は生産期間中、約25℃に保たれています。これはいわがきの赤ちゃんが育つのにちょうどいい温度。
暑い中の作業、大変そうだ…と思った直後、

この笑顔!!
作業中は真剣そのものですが、垣間見える笑顔に種苗センターらしさを感じます。

そして、見事な連携プレーで作業完了!
頑張って動いたあとは、しっかりと休憩時間を取ります。

和気藹々としている種苗センターの皆さん。
一緒にいるとなんだか楽しい気分になってきます✨


種苗センターで働く人をご紹介!

休憩に入ったところで。種苗センターでは一体どんな人が働いているのか、知りたくなってきました。
今回は種苗センター最年少スタッフ、篠原さんのお話を聞くことに!

ーー篠原さんはどういう経緯で種苗センターで働くことになったのですか?

(篠原さん)今年の3月に静岡の大学を卒業した新卒一年目です。小さい頃から海に関わる仕事がしたいなと思っていて。
就活中に大人の島留学という制度を発見し、その制度に参画して海士町に来ました。さまざまな事業所の中から「海士町種苗センター」を紹介してもらって、ここで働くことに決めました。


ーー大学ではどんな勉強をされていたのですか?

(篠原さん)大学では海洋学部に所属、卒論は「太平洋クロマグロ加入量を説明する複数の海洋パラメータについて」という内容でした。

ーーおぉ…難しそうな内容ですね。海の生き物に詳しい人の方が種苗センターには向いているのでしょうか?

(篠原さん)そんなことはないです!詳しくなくて大丈夫です。
ただ、「生き物が好きな人」が合っている仕事かなと思います。観察をしたり、じっくり成長を見て楽しめたり。
生き物の成長と向き合える人の方が、楽しく働くことができるかと思います。

ーー実際、種苗センターで働いていてどうですか?

(篠原さん)楽しいの一言です!いわがきの成長を身近で感じることができるのも魅力です。それと…とにかくチームのみなさんが温かいです。

島に来る前はなんとなく、みんな厳格で、ひたすら無言で作業するのかな?と思っていたのですが…
仕事中と休憩のメリハリがあって、他愛のない会話が飛び交う楽しい空間です。


ーー取材中も楽しそうな雰囲気が感じられました。
今日は枠入れを見学させていただきましたが、ほかにはどんな作業がありますか?

(篠原さん)色々ありますが、個体測定は好きな作業の一つです。
日々大きくなっていく姿を見ていて、土日を挟んで月曜日に見てみると全然違う生き物!っていうくらい、形も大きさも変わっていきます。

顕微鏡で赤ちゃんが何ミクロンまで育っているかを調べる

水槽の中を見るだけでも大きさの違いがわかったり…
それによって餌の量も変わったり。そういうのを見ていると成長しているんだなぁと思えて、うれしくなります。

ほかにも三角フラスコが並ぶ部屋では、いわがきのエサとなるプランクトンにエアーを入れて水の中を混ぜたり、

プランクトンを濃縮させてエサを作ったり…

いろいろな作業をすることができます。


ーーまるで実験室!楽しい空間です。種苗センターにはどんな方に来てほしいですか?

(篠原さん)まず興味を持ってくださった方は、一度足を運んでいただき、実際に目で見てみてもらいたいですね。
私自身もここに来る前は、種苗センターという名前だけでは、仕事内容などなかなかイメージがしづらくて…。話では聞いていたけれど、未知の領域でした。

すぐ働きます!というよりかは、一度興味があって見てみたいなという人に足を運んでいただきたいです!

・種苗センターを見てみたい人
・水産の仕事に興味がある人
・海が好きな人
・生き物が好きな人
・どんなことにも興味を持てる人


一つでも当てはまる方は、
ぜひ一度、海士町種苗センターに遊びに来てください!



最後は星空のような、いわがきの赤ちゃんと

いわがきの赤ちゃんを育てる種苗センター、とても面白い場所でした。
最近は島内の方も種苗センターに見学に来られることが多いようです。

最後に。センター内の照明を暗くして、懐中電灯で照らすと…

キラキラと光る、小さないわがきの赤ちゃんたち!

まるで天の川、不思議な世界を見させてもらいました。

この赤ちゃんたちがもう少し大きくなった頃に、先ほどの大きな水槽へ入れ、自分たちの足でトレールへ登り、すくすくと育っていくそうです。


生き物への興味がある方、ぜひ一度足を運んでみてくださいね!



【募集!】移住ツアー、求人、見学について


【参加者募集】移住ツアー
今なら移住ツアー参加者の方も募集中!
ツアー内で種苗センターに訪れることができる、貴重な機会です。


【求人】大人の島留学
20歳〜29歳の若者向け、大人の島留学も受付中!


【見学・求人】見学や求人、お問合せなどなんでもお気軽に!
《海士町役場いわがき春香特命担当》 
info@town.ama.shimane.jp
担当:木村

《 海士町種苗センター》 
syubyou@gmail.com
担当:塔本・篠原




(R5年度 島留学生:柿添)


島との距離は離れても、気持ちはいつも近くに