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海士町で真夏の成人式が行われました

真夏の隠岐神社にスーツとドレス姿の若者が・・・一体何が行われるのでしょう・・・!

パリッとしたスーツ姿と素敵なドレスに身を包んだ若者が総勢14名


こんにちは。海士町教育委員会でインターンをしている山田若奈(やまだわかな)です。
そもそも成人式は教育委員会のお仕事だったんだ・・・!と衝撃を隠せない中、前回のインタビュー記事に引き続き、今回は海士町の成人式をご紹介します。


真夏の成人式

通常であれば成人式は1月の成人の日に行われるものでは・・・?と多くの方が思われているかと思います。しかし、海士町では毎年夏に成人式を開催する運びとなっています。では、なぜ夏に成人式を行うのでしょうか?

▼成人式を夏に行うにはどんな理由が?
海士町以外の地域でも夏に成人式を行う地域があります。その大きな理由として、”冬に開催されると参加し辛い”という現状があります。特に夏に成人式を行う地域は主に豪雪地帯で除雪が必要なほど雪が降る地域である傾向があります。海士町も例外ではなく、雪の影響により地区によっては身動きが取れなくなる場所もあります。また、離島ということもあり海が荒れ、船が欠航することもしばしば。

ところで、成人式はなぜ行われるのでしょうか?正直、随分前のことで何をしたのか記憶にない・・・そんな方も多いのではないでしょうか。

成人式とは新成人が両親や周りの大人たちに支えられてきた子ども時代を終え、自立し、大人の社会への仲間入りすることを自覚するために、次代を担う新成人に明るい希望を持たせ励ますために町を挙げて祝福する式典のこと
【令和3年度 地域共育のまとめ】【令和4年度 海士の教育】より

それではここから”町を挙げて祝福する式典”である海士町の成人式をお届けしたいと思います。


当日の様子

海士町では夏の旧盆である8月15日に成人式が行われます。冬の成人式といえば振袖ですが、海士町では夏に行われるため、スーツや華やかなドレスに身を包んで来られました。

新成人の方々が続々と隠岐神社へ


<-第1部- 奉告祈願祭>

当日は14名の新成人の方が集まり、隠岐神社で奉告祈願祭が行われました。
奉告祈願祭では、玉串奉奠(たまぐしほうてん)が行われ、無事成人を迎えられたことを報告しました。

その後、タイムカプセルの返還がありました。海士町ではこの学年から、隠岐神社の本殿にタイムカプセルが奉納されています。

タイムカプセル返還の瞬間


<-第2部-式典>

隠岐神社での奉告祈願祭の後、隠岐開発総合センターで式典が行われました。

一人一人名前が呼ばれ、少し緊張した面持ちで会場へ
海士町副町長 吉元操さん


式辞では吉元操(よしもとみさお)副町長が、「周囲への感謝の気持ちを持ってほしい。そして、周囲の仲間を大切にしながら、人生の思い出作りをしてほしい」という大江和彦(おおえかずひこ)町長の想いが綴られたメッセージを代読しました。

また、新成人代表の誓いの言葉では、「最近は物で溢れた世界で生活しているが、海士町の『ないものがない』ことがこんなにも豊かだったのだと気付かされた。』と述べました。

きっと海士町に来たら”ないものはない”の良さを体感できるはず・・・!
町内には様々な所に”ないものはない”のポスターが


祝辞では、海士町議会議長の亀谷潔(かめたにきよし)さんより「大人になるとプライドが邪魔して”分からない”ことを言えなくなってしまうものですが、素直に聞いてみれば意外と一瞬で解決することが多いということです。そこから道が開け、自分の成長に繋がりますので、迷わず求めてください。」と自分の”無知”を認めることの大切さを話してくださいました。

海士町議会議長の亀谷潔(かめたにきよし)さん


その後の新成人による謝辞では、「高校を卒業してからの数年間は、思い描いていた様な日々ではなかった。生活が劇的に変化する中で、私たちが社会でどう生きていくかという不安や葛藤はあったが、いつもと変わらない故郷があることに安心しました。その事に、感謝したい。」と海士町での過ごした日々を糧に生活している様子が伺えました。



最後に、新成人へ向けての応援メッセージを元八角部屋力士 海士の島の宇野信之(うののぶゆき)さんがお話ししてくださいました。海士町出身ということもあり、新成人の方に力士としての11年の生活を通して学んだことや感じたこと、その上で新成人の方に伝えたい思いをメッセージだけでなく、相撲甚句にて伝えてくださいました。

元 海士の島の宇野信之(うののぶゆき)さんの素敵な歌声が会場に響き渡りました


<-第3部-祝賀会>

その後の祝賀会では、小学校ごとにタイムカプセルを開封。恩師の先生や同級生同士で思い出話に花が咲いていました。

タイムカプセルを開封した瞬間

和気あいあいとした雰囲気でとても穏やかな時間が流れた成人式でした。


教育委員会のうらがわ

例年は祝賀会を海士町のイタリアンカフェで行うのですが、今年度は中央公民館で行われました。

おしゃれな内装が施され公民館が普段とは違う雰囲気に


また、今年度も去年と同様コロナのことも検討し、できるだけ多くの方が成人式を見て頂けるようにYouTubeの配信が行われました。

配信準備の様子


去年は新型コロナウイルス感染症拡大防止対策で来賓・保護者・一般の方の来場は控えていましたが、今年度は来賓の方と保護者の方も参列してくださいました。

一言メモ

人口規模が大きい都市部の成人式では、若者は”とりあえず”で成人式に参列している方が多いのではないでしょうか。かく言う私もその1人でした。
今回、自身が運営側に携わることで見えて来た海士町の皆さんの想いがありました。

元力士の宇野さんと新成人のこんな1コマも、海士町ならでは


それぞれの関わりの中で新成人の門出を祝うこの夏の成人式は、海士町出身でない私にとっても、素敵で貴重な時間でした。

これぞ、”町を挙げて祝福する式典”であるのかと心温まる時間でした。

島との距離は離れても、気持ちはいつも近くに