ないものはない!島らしさがつまったハンバーガーができました。
「ハンバーガーが食べたい!」
人生で一度は言ったことのあるセリフ。
これまで海士町にはハンバーガーを食べられるお店がありませんでした。島だから仕方のないこと。と、諦めないのが海士町らしさ。
2021年11月末より、島の玄関口、菱浦港内にある船渡来流亭(セントラル亭)でセントラルバーガーが販売されています!
船渡来流亭の店長である杵築さんと、セントラルバーガーの発案者である大人の島留学生の福垣内さんに、考案のきっかけやこだわりポイントなどをお聞きしました。
島の人も、私たちも、食べたいものを。
ー今日はよろしくお願いします。セントラルバーガーをいただいたその日からバーガーを忘れられません。こんなにおいしいセントラルバーガーが生まれたきっかけを教えてください。
セントラルバーガーを作るきっかけは、社内で行われたイベントのときに福ちゃん(福垣内さん)がハンバーガーを考案してくれたところが始まりです。びっっっくりするくらい美味しくて、船渡来流亭のメニューにしたい!と動き出しました。
「社内イベントでのご飯をどうしよう」という話し合いから、社内の方も僕もみんなが食べたいものが一致して、「ハンバーガーが食べたい!」という意見になって。
良いね!!と盛り上がり、そのときは、福福食堂として提供しました。
社内イベント終了後、ハンバーガーがみんなに好評だったことがうれしくて、店長の杵築さんも船渡来流亭で提供してみようよ!と言ってくださり、商品化に向けて動き出しました。
このときちょうど観光シーズンのピークが終わり、秋冬に向けて新しいことができないか、と新メニューを考えていた時期でもあったので、タイミングとしてもちょうどよかったんです。
社内イベントのときに島にはハンバーガーがないけど、実はみんなが食べたい!と求めてるんだなと気づけてよかったです。どうしても家庭料理でハンバーガーを作ると手間がかかるので、、、。
私たちが作りたいものよりも、島の方たちが食べたいものを提供したいと思っているので、今回ハンバーガーを商品化してよかったなと思っています。
島外からのお客様ですと、例えば岩ガキや寒シマメ漬け丼などを提供した方がもちろん喜ばれるので、島内の方が求めているものをメニューに加えたいと思っていました。
船渡来流亭はオープンしてから10年以上経っているのですが、一度も足を運んでいただいたことのない島内の方にも食べていただきたいと思っています。
ハンバーガー自体とてもキャッチ―ですし、ありがたいことに口コミでもみなさん話題にあげてくださっていて、「じゃあ行ってみようか」と言っていただけるよう、セントラルバーガーは島内のお客様をメインターゲットにしています。
セントラルバーガーはBeefとFishの2種類
-Beef-
-Fish-
こじょうゆ味噌の塩味が最高!
ーセントラルバーガーの特徴を教えてください。
なるべく島内の食材をメインで使うことを主軸においています。バンズは島のパン屋さんのつなかけで作っているもので、あらめは隠岐のものを、フィッシュバーガーに入っているアジフライやサイドメニューのブリナゲット、ゲソフライ、大葉も島のものを使っています。
レタスやトマトなどの野菜も、季節によっては手に入らないものもありますが、できるだけしゃん山の野菜を使わせていただいていますね。
特にこだわったところは、こじょうゆ味噌を使っているところです。パティ(肉)と、ハンバーガーにかけるソースの中に、こじょうゆ味噌を練りこみ、旨味をよりひきだしています。
パティの中に入っている玉ねぎを炒めるとき、あめ色にするために塩をいれるんですが、塩の代わりにこじょうゆ味噌の塩味でうまみを足しています。
あめ色玉ねぎにこじょうゆ味噌をいれたことでより美味しくなったよね!福ちゃんはハンバーガー食べてくれた方の感想聞いた?めっちゃべた褒めしてたよ。ふんわりしてるんだけど、食べ応えもあって美味しいって。
え、本当ですか!?うれしいです。隠岐あらめのブラックタルタルソースも、なんならバーガーより先に「このタルタルソースなにが入ってますか?」と聞いてくださるお客様が多いです。
ーあらめとタルタルソースを合わせようとのアイデアはどのように生まれましたか?
もともと私は島食の寺子屋の1期生で、その時の日本料理の先生からアラメのほかの食べ方として、食感にくせのあるアラメを出汁で煮て裏ごしする、という日本料理の技法を教えていただいて。
そういう所から、裏ごししたアラメを色々な方法で使えることを、島食の寺子屋で料理を作る中で見つけました。船渡来流亭でも元々はいわがき春香のカキフライに合わせようと思っていました。
牡蠣とアラメ、海のもの同士で相性が良さそうと考えていたところ、フィッシュバーガーのコンセプトにもピッタリということで、合わせてみました。
口コミで広がるハンバーガー
ーセントラルバーガーを作る上で、大変なこと・苦労したことはありますか?
そうですね。お客様に提供するとき、できるだけお待たせしないよう、仕込みの作業が大変でした。新メニューを考えるときは、船渡来流亭がフェリー乗り場の近くにあるということもあって、
フェリーの時間に間に合うように提供時間を大事にしているのですが、セントラルバーガーに関しては、すこしお時間をいただいています。
予約していただければ、お待たせせずにお出しできます。お肉バーガー・お魚バーガーそれぞれ1日5個限定ですので、ぜひご予約お待ちしています!
ー大人の島留学生の中でもセントラルバーガーが話題で、食べたい!との声をよく耳にします。反響はいかがですか?
今度セントラルバーガーを食べに、船渡来流亭に初めて来店される方がいらっしゃるんです。このハンバーガーをきっかけに足を運んでくださることがうれしいですね。
セントラルバーガーのサイドメニューに、塩麴漬け唐揚げもご用意しているので、このハンバーガーをきっかけにほかの通常メニューも知っていただいて、船渡来流亭にお越しいただく機会が増えるといいなと思っています。
SNSでの広報にあまり力を入れれていなかったのですが、かなり多くの方がセントラルバーガーを知ってくれていて、口コミの力に驚いています。高校生も知ってくれているみたいで、こんなに口コミで知れ渡った新メニューは今までないですね。海士町のコミュニティだからこそ、人伝えに広まってくれたのがうれしいです。
セントラルバーガーは、今年の9月に始めたテラス席でお召し上がりいただくことを想定していました。残念ながらハンバーガーの販売開始が寒い季節になってしまったので、暖かくなったらまた、テラス席でお召し上がりいただきたいです。
テラス席は、このご時世ということもあり、日々の生活の中でもっと島内の方に楽しんでいただけるよう、今日はテラス席でなにかしよう!と、日々の暮らしにちょっとした刺激だったり、目的にしてもらえるような場所になればと思っています。
お客様の声から生まれたメニュー
ーセントラルバーガーのほかにも、新メニューがたくさんできていますね。どのように新メニューを考えられていますか?
今年度から新メニューを増やしていて、「SABURO(サブロー)アイス」、「われは海の子しらなみパフェ」などを出しています。
船渡来流亭のイメージ的に、レストランという印象が強くて、もっとカフェのような使い方ができることを島内の方に知っていただきたい思いもありました。
また、新メニューは全てお客様の声から生まれたものなんです。「子どもにも食べさせられるような小さいサイズのパフェがほしい」との声と、「島で作っている白波を食べたことがない」との声をお聞きして、その2つのお客様の声があわさり、「われは海の子しらなみパフェ」を作りました。
ほかにも、新しく「フィッシュ&海士ップス定食」を出したり、この秋冬でメニューがいっぱい加わりましたね。オムライスのご飯をパスタに変えたオムパスタも始めました。
それから、特盛もはじめました。男性のお客様から「パスタを食べたいけれど、すこし量が少なくて」とのお声から、特盛を導入すると、パスタの注文がすごく増えました。
これまでも、ご飯ものは大盛りにできていましたが、メニューに書くようになってから激増しました。ちょっと一言書くだけで、こんなにも反響が違うんだなと身に染みましたね。
メニュー表にもこだわっていて、最後のページでは、海士町のふるさと納税や、島のほけんしつ蔵さんなどの海士町にあるお店を紹介しています。
ーいつもメニューを決めた後も、メニュー表がかわいくて見ていました。そのようなこだわりがあったんですね!
うれしいです。一人で食べに来られるお客様も多いので、読みものとしても楽しんでいただけるようにしています。ご飯を食べにきた方に、島を好きになってもらえるようなお知らせできるページがあっても良いなと思って。
船渡来流亭は、フェリーを降りてから、島の中で最初に足を運ぶ場所にあるので、島の取り組みを知ってもらえるものがあってもおもしろいなと思っています。
船渡来流亭のコンセプトは、「島内の方が島外の方をお連れしたくなるお店」を目指しています。島内のお客様にも、島外からのお客様にも来たいと思っていただけるように、これからも新しいことを考えていければいいなと思っています。
セントラルバーガーをきっかけに、初めてご来店される方もぜひ船渡来流亭にお越しください!
▼海士町の飲食店情報はこちらから
杵築さん、福垣内さんありがとうございました。
セントラルバーガーは、Beef・Fishそれぞれ1日5個限定で、事前のご予約をおすすめしています。みなさん、ぜひ船渡来流亭のセントラルバーガーを召し上がってみてください!
[文:大人の島留学生 嘉根]