【後編】高校生たちが夏休みに島で働いてみた!
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【後編】高校生たちが夏休みに島で働いてみた!

7月22日~8月17日の間、海士町では島前高校生を対象としたローカル探究が行われました。

高校の夏休み期間を活用し、日中はインターンシップとして" 島の仕事 "をしながら、シェアハウスで共同生活をする" 島の暮らし "に挑戦するローカル探究。

後編となる今回は、有機栽培で野菜を育てているムラーズファームと、島で唯一のホテル×ジオパーク施設entoを運営する株式会社海士でインターンをした高校生2人の様子をお伝えします。

▼前編はこちらから

さくらの家

池田さん 1年生
さくらの家でふくぎ茶(クロモジが原料)の製造作業などを行いました。

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さくらの家
社会福祉法人だんだんが運営している就労支援施設です。2007年からふくぎ茶の製造を始められ、町内の清掃業務などもしています。


-仕事内容-
⒈ふくぎ茶の製造作業

 ①枝から葉っぱをとる
 ②枝を小さく折る
 ③葉っぱをいいところ、わるいところにわける
 ④枝をしわける

この4工程に携わっていました。いろいろな方法を試しながら作業をしていましたが、集中力が必要でなかなか大変でした。

⒉テニスコートの小屋の掃除
テニスコートの小屋のほかにもリネン工場や開発センターなどの掃除も行いました。

水曜日・木曜日のお昼ごはんは、さくらの家手作りのカレーを買うことができます。とてもおいしい。

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休憩中にはオリンピックを一緒に見るなど、なにげない時間が好きでした。
おしゃれ好きな方がネイルをよくしていて、かわいいな~と見ているのが密かな楽しみだったり、毎朝海士弁版のラジオ体操をするのが新鮮でした。


ー島で働いてみてどうでしたか?

「自分の役割をしっかりこなすだけで十分」という言葉が心に残っています。

与えられた仕事以上をこなすこと(仕事に貪欲に取り組むこと)が当たり前だという風潮があるけれど、みんながそれぞれの役割をこなせば、仕事はしっかり回っているという意味なのかなと感じました。

自分から仕事を見つけなきゃ!という大きなプレッシャーを感じることが少なく、自分にあった働き方だなと思いました。目の前にある自分の業務に取り組めました。

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慣れていない作業で時間がかかり、貢献できる部分が少ないように感じていて、仕事という気持ちよりお手伝いしている感覚が強かったです。

それもあって、" 働くこと "にとてつもない変化が伴うわけではないなと感じました。心持ちが180度変わるわけではなく、学校も仕事もルーティンがあって、そのルーティンが心地よかったりもしました。

慣れない作業の中でご迷惑をかけた部分もあると思いますが、自分の与えられた作業にきっちり取り組めてよかったです。

また、一緒に働くみなさんと距離が近くなっていくことがうれしかったです。この3週間でただの" 高校生 "という存在から、だんだんと名前を読んでくれるようになりました。

一緒に同じ作業をして、長い時間同じ空間にいて、少しずつ会話をができれば、もっと距離が縮まっていくのではないかと思いました。

さくらの家のみなさんともっと長い時間をかけて仲良くなりたいです。また、作業を手伝わせてください!

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ー学んだことを教えてください。

1つ目に大人のみなさんとの関わり方を学びました。マナーや礼儀などは、インターン生として必要な知識で、相手に失礼のないようにふるまうことが難しかったです。

「ごめんなさい」を伝えるときは、メッセージよりも電話がいい。
電話する際は、はじめに確認のメッセージをする。

など、あいさつやマメに連絡をすることを意識しないと信用を失ってしまうのかなと思いました。

2つ目に大人の人とメッセージのやり取りをすることが増えたからこそ、当たり前を持続させることの大切さに気づくことができました。

3つ目に聞かないとわからないこと、伝えないとわからないことがあると学びました。仕事でも学校でも大事なことですが、「そうだろう」「こう思っているだろう」と、予測で行動するのはよくないと思いました。

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池田さん、ありがとうございました。
自分がチームの中でどう貢献できているのか、仕事場でもシェアハウスでも周りをとても気遣っている姿が印象的でした。一生懸命さが素敵でした☺


ムラーズファーム・畜産農家

五十島さん 2年生
農作業や畜産業に携わり、毎日体を動かしながら業務を行いました。

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-仕事内容-
◎ムラーズファーム◎

⒈野菜の収穫・袋づめ
オクラ、ナス、ミニトマト、カブ、ニンジンを収穫しました。その後、袋詰め作業で、グラムを図ったりシールを貼りました。

⒉草抜き
草抜きなど、野菜を育てる過程を経験させていただきました。

⒊ヤギの餌やり、にわとりの卵を回収など
農作業だけでなく、ムラーズファームにいる動物のお世話もしていました。

◎知夫の牛飼い◎
⒈牛舎を洗う、牛のフンを運ぶ、餌をあげる作業
牛のフンは重く、思っていた以上に大変な作業でした。

⒉出産直後の子牛を見守る
初めて生まれたての牛を見ました。なかなか経験できないことをさせてもらいました。


ムラーズファームにいるみなさんは、ドイツ人、イギリス人、オーストラリア人、アメリカ人と海外の方が多く、英語での会話が中心でした。

みなさんフレンドリーで、楽しく仕事していました。
上司、部下という関係ではなく、仲間として受け入れてくださいました。

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ー島で働いてみてどうでしたか?

はじめは、どのように動けばいいのかわからなかったけど、だんだんと自分から仕事をみつけれるようになり、感謝されることがふえました。やっぱり必要とされていることがわかるとうれしいです。

みなさんフレンドリーに話しかけてくれて、働く楽しさを感じました。これから仕事をするときには、仕事の内容以上に誰とするのかを大切にしたいと思いました。

また、まずなんでもやってみることも大切だなと思いました。行動をはじめるときは面倒くさいと思うけれど、

ローカル探究のおかげで1歩を踏み出すことが楽になりました。まずやってみたら、楽しいということが身にしみてわかりました。

元々、小さいころから農作業が好きで、近所の方から畑をお借りし、ジャガイモ、ニンニク、きゅうり、ナス、ピーマンなどを育てていたので、

農業は小さいころからなじみのある仕事の1つでした。今回は仕事としてだけでなく、野菜の育て方も学ばせていただきました。

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ー暮らしの中で思い出に残っていることを教えてください。

ヘビを自分で捕まえて、調理して食べたことです。帰り道に1mくらいのヘビを見つけたので、その場で倒しました。

以前にもヘビを食べたことがあるのですが、あまりおいしく作れなかったので、今度こそは!と奮闘しました。
ヘビは骨が多くてサバサバしていて魚みたいで、シェアメイトにも好評。美味しかったです。

高校1年生の夏はダラダラ過ごしてしまったので、2年生は夏休みを充実させることができてよかったです。

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五十島さん、ありがとうございました。
興味のあるものにまっすぐ突き進んでいるようで、パワーを感じました!!

主催者にインタビュー

海士町役場人づくり特命担当に所属し、大人の島留学などのプロジェクトを担当する青山さんにお話を伺いました。ローカル探究は、大人の島留学のプロジェクトの高校生版として始められました。

ーローカル探究を開催してみてどうでしたか。

最終日の活動報告会の中で、「職場の一員として働き、シェアハウスでの生活を通して、両親や学校の先生たちに、いかにお世話になっていたのか気づけた。感謝したい。」という言葉を高校生が話してくれたのが、とても印象的でした。

この言葉を聞けただけでもローカル探究を企画したかいがあったなと思っています。

他にも高校生からは、「普段の学校生活を通して感じる<地域>と、ローカル探究中にシェアハウスでの自炊生活や職場で働く中で、見えてくる<地域>には、少し違いがあった。」という声をいただきました。

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彼らが何に違いを感じたのかまでは聞けていませんが、ローカル探究での経験を残りの高校生活へ活かしていってもらえると嬉しいです。

暮らしの中でも、シェアハウスに住んで、自立を味わってほしいと思っていました。通勤もご飯も、自分のことを自分でし、時には同じシェアメイトに助けてもらって、仲間で乗り越えてもらいたかったです。

参加してくれたみなさんからも「自分で生活する大変さを身にしみて感じた」「当たり前だと思っていたことが当たり前ではなかった」との感想をいただき、よいローカル探究になったと思っています。


ーなぜローカル探究を行いましたか?


周りの方から守ってもらっている環境から半歩踏み出し、島の暮らしと仕事に挑戦してもらうことで、島の「暮らし・仕事・人」がよりリアルに、深く感じてもらえるのではないかと思い、ローカル探究を行いました。

学校生活の中だけだと、ある程度人間関係が固定化してしまいます。大人もそうです。だからこそ、もっと新しい環境に自ら飛び込んで、色々な島の顔を知ってもらう機会を作りたいと思いました。

また社会人のように、日中は仕事をする、帰ったら家事を自分でする、自分の時間を自由に暮らすといった、島で暮らす大人と同じ過ごし方を挑戦してみる。

それは、高校生活とはまた違った経験になるのではないでしょうか。今までの自分から踏み出して、島の大人たちと一緒に働きながら、自分の力で暮らしていく。そんな島らしい1か月を過ごしてもらえたらなによりです。

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今回はじめて知ったこと・学んだことを今後の高校生活に活かしていってほしいです。お世話になった人たちとも関わりつづけていってください。会いに行けば会えるのが島の良さです!

ローカル探究は、来年の春にも開催予定ですので、参加した高校生のみなさんも、はじめて参加されるみなさんもぜひ参加お待ちしています。

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青山さんありがとうございました。

ローカル探究に参加したみなさんからは、「仕事終わってから自分のご飯を考えるのが大変」「仕事が楽しくて、学校以外の人と関われていい経験でした」などの声がたくさんありました。

参加したみなさんお疲れさまでした!
そして受け入れてくださった事業所のみなさん、地域のみなさん、保護者のみなさんのご理解ご協力ありがとうございました。


島との距離は離れても、気持ちはいつも近くに

ブクブクブクブク(ありがとう!)
教育の魅力化など様々な取り組みを推し進める【挑戦の島】海士町。島根県隠岐諸島に位置し人口は約2,250人。海・山・田畑のそろった自給自足のできる半農半漁の島です。2011年に【ないものはない】宣言。https://naimonowanai.town.ama.shimane.jp/