海士町との関わり方は無限大! 200名が体感した『超!海士町祭り』イベントレポート
2024年11月9日(土)、日比谷・BASE Q で開催された海士町の関係人口イベント『超!海士町祭り』。200名を超える参加者が集まり、大いに盛り上がりを見せました! このnoteではイベントの様子をお届けします。
『超!海士町祭り』とは?
海士町はこれまで、様々な変革や挑戦に取り組んできました。移住者だけでなく、関係人口(地域に関わる人々)、滞在人口(一時的に滞在する人々)など、多様な形で人々が関わりながらまちづくりを進めてきました。こうした柔軟な関わり方ができることも、海士町の大きな魅力のひとつといえます。
今回のイベント『超!海士町祭り』は「POP!」をコンセプトに、より多くの方々に海士町との多様な関わり方を知っていただくことを目指しました。まちづくりや地方創生に興味がある方はもちろん、なんとなく気になっている方も、誰もが気軽に「まち」のことを感じ、考え、楽しみながら参画できる場を目指して企画されました。
トークセッション①:「海士町ってどんなまち?」で感じる”海士町の勢いと自由度”
トークセッションひとつめは「海士町ってどんなまち?」をテーマに、環境省環境教育室室長の黒部 一隆さん、Uターンで昨年、海士町に帰ってきてゲストハウスの立上げに挑戦中の磯谷 結加さん、そして元「隠岐島前高校の高校魅力化コーディネーター」で現在は都内の大学院に通う山野 靖暁さんが登壇。三者三様の視点で海士町の魅力や課題について語りました。
黒部さんはさまざまな自治体を見てきた視点から、海士町を「勢いを感じる町」と表現。特に若い人のパワーと、外部の人を受け入れる懐の深さを評価しました。また、通常の自治体がUターンを重視する中、海士町は関わり方の自由度が高いことを特徴として挙げました。
「海士町のような、移住をしなくてもPOPに関わり続けてくれればいいと明言している自治体は貴重ですよね」
磯谷さんは、地元出身者ならではの視点を共有してくれました。一度は複雑だった故郷への思いが、東京での生活を経て変化。
現在はゲストハウスの立上げを通じて、いま島にある仕事の中から何かを選ぶだけではなく、「自ら島でやりたいことをつくり実現する」可能性もあるよということ、そして島に戻ってきた今、自分自身が事業を実現させ、島に興味のある若い人(U・Iターン)が「選択肢がある・創れる」と感じられる未来を目指したいと語っていただきました。
山野さんは、5年間の高校魅力化コーディネーターから、温かな歓迎と地域に暮らす少しの難しさが共存する「島らしさ」を語り、東京での生活と比較しながら、土地との結びつきの大切さを実感した経験を共有いただきました。
勢いを感じる若い町、そして自由度を応援する町であるという、外から見た海士町の魅力を再認識することができました。一方、Uターンを通して感じる「海士町の課題感」についても話が交わされ、地域側の”あたり前”をローカライズしていくことの大切さや「オープンに語り合うことの重要性」など、有意義であたたかなセッションが繰り広げられました!
トークセッション②:「海士町でやってみたい企み」で未来への風を呼ぶ
続くトークセッション②では、「海士町でやってみたい企み」をテーマに3名が登壇。「大人の島留学生」から役場職員となった清瀬りほさん、XR開発企業・株式会社ビーライズ代表取締役の波多間俊之さん、そして株式会社ユビレジ取締役の白砂晃さんが、それぞれの視点から海士町の未来像を描きました。
■ 組織の壁を超えて。「海士町連合軍」構想!
清瀬さんは「若者の輪を広げたい!」という思いから、「海士町連合軍」なる構想を提案。島留学生や役場職員など、現在は組織内で完結しがちな若者たちのつながりを、組織の垣根を超えて広げていく構想を語りました。
「海士町が盛り上がっていないと、新しい人は惹きつけられない」という清瀬さんの言葉には、周囲も巻き込み、熱を持ち盛り上がることで、やがて島を離れる方に対しても、島を離れた後も”繋がり続ける”関係性を築いていきたい。それが新たな関係を紡ぐきっかけになるという強い思いが伝わる言葉でした。
■ デジタルが拓く新しい可能性
波多間さんは「時空を超えた海士町」という大胆な構想を提案。
例えば、私たちは時間が無い、天気が良くない、物が無い、あの人がいないとできないなど......当たり前ではありますが、多くの物理空間の制約を受けて生きています。言語化が難しい「ないものはない」魅力がたくさんの海士町ですが、離島ゆえにその制約をより多く受ける環境でもあります。
波多間さんは、VRやメタバースといったデジタル技術を駆使して、「物理的な制約を超えて人らしい体験をする」ことをビジョンに活動をしています。そこで、VRやメタバースの世界で「海士町にまつわる人と人がつながる機会」をどこにいても同じように作っていけば、言葉にするのは難しい海士町の魅力がどんどん広がっていくのではないかという構想を語りました。
「海士町は良い意味でぶっとんでいる島。VRやメタバースなどのデジタルをフル活用して、もっと『やばい』海士町にしたい」という波多間さんの思いを聞いて、物理的制約を克服し、様々な人が出会う未来の海士町を想像するだけでとてもワクワクしました。
■ アートの島を超えて:NAOSHIMA超え構想
白砂さんが掲げたのは、アートの島として世界的に知られる直島(なおしま)をベンチマークとした「NAOSHIMA超え」という構想です。
「海士町がより大きく成長していくためには、明確なベンチマークが必要です。その点で『なおしま』は理想的なモデルになる。アートというひとつの軸を持ちながら、世界中から人々を惹きつける力を持っているからです」
また、海士町ならではの特徴についても興味深い指摘が。 「海士町には、人生における企業家精神を刺激されるような何かがある。『レールから外れてもいいよ』という空気感や、若い人たちの持つパワーは特別です。それを最大限に活かせるよう、島の内外で対話を重ねていくことが大切だと考えています」
海士町に新しい風が吹く予感を感じさせるとても熱いセッションから、若者の新しいつながり方、デジタル技術の可能性、そして明確なビジョンの重要性など、海士町の未来を切り拓くための具体的なヒントが見えてきました。
後半戦:15の個性派ブースで海士町を体感!
イベント後半は「超!交流タイム」と題し、海士町の"いま"を体感できる15の個性豊かなブースが出展されました。参加者はスタンプラリー形式でブースを巡り、最後に印象に残ったブースに「推し投票」できる仕組み。それぞれのブースで繰り広げられた交流の一部をご紹介します。
■ スナックあまのわ
『スナックあまのわ』のスペースでは、海士町アンバサダー皆さんがカウンターでお待ちかね。「白波(海士町の和菓子)」と「ふくぎ茶(海士町産のクロモジの木を使ったハーブティー)」をいただきながら、アンバサダーの方々と会話を楽しめるスペースです。
海士町との出会いのきっかけやアンバサダーとしての活動、海士町と関わり続ける理由など様々なトークが繰り広げられました。
会の後半では『スナックあまのわ』に自然と海士町アンバサダーが集まり、久しぶりに会って話をする人や、はじめましての方々が繋がるなど、アンバサダーの輪が広がっている様子も見せていました。
■ アヅマ堂ベイクショップ|アヅマ堂焼き菓子
元々お菓子屋さんだった空き家を改装し、小さなベイクショップとして週2日間だけ営業している「アヅマ堂ベイクショップ」。
近くの豆腐屋さん(亀田商店)のおからと豆乳を使ったドーナツは普段は島でしか食べれないですが、東京で食べれるとのことで可愛らしいディスプレイと香りに惹かれたお客さんが列をなしておりました!
■ AMA Whiskey&Co. |ジンレモンサワーとジンの飲み比べ
隠岐島前高校出身者や海士町オフィシャルアンバサダー数名が集まって、海士町でウイスキー&スピリッツ(ジン)の製造・販売を始める「AMA Whiskey&Co.」。
イベントではジンレモンサワーと、ジンの飲み比べをしながら「海士町でつくるジンはどんなものがいい?」というのを皆さんでアイデア出しをしていました。これからどんなジンが出来上がるか、わくわくするブースでした!
■ 本氣米|米農家版人生ゲーム!
体験交流ブース「本氣米」では、ブースを訪れてくれた人となんと人生ゲームを実施! ゴール時の所持金と収穫したお米の売上の合計金額をチームで競っていただきます。また、その金額に応じて景品として本氣米をプレゼント。海士町らしい米づくりをゲームを通して体験でき、とても盛り上がっておりました。
■ なわない体験
藁(わら)を綯(な)って縄を作る「なわない」体験ブース。海士町の田んぼで育てた藁を使用し、なわない名人の指導のもと、子どもから大人まで真剣な表情で伝統技術に触れる姿が印象的でした。
■ 離島にもっと若者の還流を | 大人の島留学制度
海士町を含む、隠岐島前3町村(海士町・西ノ島・知夫村)で、仕事や普段の暮らしに挑戦できる3か月~1年間の就労型お試し移住制度「大人の島留学」。今回のブースでは、大人の島留学担当スタッフと、現役島留学生・そして卒業生が登場し、島で暮らし・働く若者のリアルな声に皆さん興味津々でした!
参加者の心を射止めた推しブースNo.1は、「恋する島前フォーチュン高校」!
ブースでの交流タイムが終わり、いよいよ推し投票の結果発表。栄えある1位に輝いたのは、隠岐島前教育魅力化プロジェクトによる「恋する島前フォーチュン高校」のおみくじブースでした!
16歳の現役高校生2人(関東出身と海士町出身)とコーディネーターが担当したこのブース。おみくじから出てきたテーマをもとに、高校生たちが島前高校での日常や魅力を等身大の言葉で伝えていきます。最後に部活動の宣伝も飛び出し、会場が和やかな空気に包まれた表彰式となりました。
2部は交流会&フィナーレは東京に響く!みんなでキンニャモニャ踊り
「これを踊らずに島からは帰れない…」。そう言われるほど、海士町で親しまれている民謡・踊り「キンニャモニャ」。2部の懇親会の締めくくりに、会場にいた全員で輪になって踊りました。
普段は島で踊られているこの踊りが、東京の真ん中で、総勢200名以上の人々によって踊られる様子は圧巻でした。初めて見る人も、懐かしい人も、みんなが笑顔で輪に加わり、会場全体がひとつになった瞬間。ここにも、海士町ならではの不思議な魅力が詰まっているような気がします。
『超!海士町祭り』を終えて。
イベント終了後のアンケートでは、参加者の皆さんからはこんな声をいただきました。
Q. 今回のイベントで見つけた海士町の推しポイントを教えてください
このほかに、たくさんの温かいお言葉をいただきました。本当にありがとうございます!
実行委員からの感謝の言葉
『超!海士町祭り』2024へご参加いただき本当にありがとうございました!
そして、アイディア段階からイベントを一緒に作ってくださった、隠岐島前高校・大人の島留学の卒業生の皆さん、海士町オフィシャルアンバサダーの皆さんへも感謝申し上げます。
皆さんと直接お顔を合わせて、ご挨拶や感謝をお伝えできたこと、ブース交流などで楽しい時間を共有できたことを心より嬉しく思います。
また、イベントを企画・運営する中で、多様なバックグラウンドを持つ方々が、様々な形で海士町を作っていることを改めて感じました。普段は、海士町で働く私達ですが「海士町ってやっぱりおもしろい!」「そして、これからの海士町ももっと面白くなっていっちゃうかも!」と振り返って感じているところです。
これからも、海士町との多様なつながりの中でワクワクする企みを一緒に形作っていけたら嬉しいです。
引き続き宜しくお願いいたします!
(総務課)