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寒いなんて言わせない!(株)エネルギーまちづくり社の竹内さんと丸橋さんに聞く、あたたかい暮らしをつくる断熱DIY術。

布団やこたつから出られない!!
もっとおうちがあたたかくなったらいいなと思いませんか?

そんなあたたかい暮らしの実現に向けて、12月9日・10日に海士町の遊び場「あまマーレ」にて断熱DIY教室が開催されました。



今回、講師に(株)エネルギーまちづくり社の竹内昌義さんと丸橋浩さんにお越しいただき、断熱に関するお話とともに、お部屋をあたたかくする断熱DIYを伝授していただきます。

竹内昌儀さん
みかんぐみ共同代表、東北芸術工科大学教授、パッシブハウス・ジャパン理事
丸橋浩さん
一級建築士 省エネ建築診断士マイスター

(株)エネルギーまちづくり社
エコタウンやエコハウスに特化した建築家集団。全国に広がる学校断熱ワークショップ等も手掛け、竹内さんが代表を、丸橋さんが役員を務める。


そもそも断熱とは?

断熱とは、動かない空気の層をつくること。

断熱のされていない家でストーブを何台も稼働させることは、「はだかにカイロ状態」だと竹内さんは話します。

「熱い天井」と「寒い壁」は不快のもと。家の中でどの場所をあたたかくしたいのかを決め、足元からは寒い風をいれない、あたたかい空気を天井から逃さないことが基本だそうです。


断熱ワークショップスタート!

ラジオ体操📻
まずはからだをポカポカに!参加者全員でラジオ体操です。
体をほぐしてからワークショップがスタートしました。

丸橋さんによる道具のレクチャー⚙️
安全第一!道具の使い方を教えて頂きます。

刃物を使うときはからだの置き方やまわりを注意しながら使用すること。

コーススレッドという長いビスは、桟を取り付ける際に使うもの。最初はドリルで下穴をあけてから垂直にいれていきます。

コンベックスは寸法を測る道具。
きちんと測らないと収まらない、短いといった問題に繋がります。

作業になれると寸法を間違えやすいとのこと、油断は禁物です。
「作業をはじめていきましょう!」竹内さんの掛け声でワークショップのスタートです!


ワークショップ『障子編』⬜

力を合わせて、あたたかいあまマーレに大改造!
障子断熱からはじまりました!

用意するもの(戸1枚あたり)
・障子紙 2面分
・桟木 3本 (10mm角材)
・中空ポリカーボネート板 1枚(ハモニカーボ1820×910×4mm)
・細ビス 
・障子のり 

まずは障子紙をはがす作業。

べりべり剥がしたくなるところですが、我慢です!
障子紙と桟が接着している部分に水を含ませたスポンジをあてます。

5分前後時間をおいて、端からゆっくり折りたたむようにはがすと「すごい!かんたん!」

こんなにきれいにはがれました!

障子紙をはがし終えたら、肝心な断熱材。
中空ポリカーボネート板の出番です。
パーテーションやフェンスによく活用されるものだそう。同厚のポリカーボネートシートに比べ約1/5と超軽量で、すぐれた断熱性・保温効果があります。

中空ポリカーボネート板を障子にはまる大きさにカットします!
正確に切るため、寸法を測ったらしるしをつけておきましょう。

周りに注意してカッターで切る。太いカッターがおすすめのようです。

切った中空ポリカーボネート板を障子においてみると、すっぽり収まりましたね!

次は障子の桟を固定します!
保護フィルムをはがす前に、長さをチェック!
寸法を間違えないように慎重に行います。

保護フィルムをはがし、

まずは下穴を開けてから、上から垂直に電動ドライバーで固定します。

おや?
こちらではタオルと掃除機で木くずの掃除が行われていました。
このあとは障子紙を貼る作業。
木くずが入らないように入念な掃除が重要です。

中空ポリカーボネート板はピカピカに!
桟にのりをつけて、いよいよ障子紙の貼り替えです!

そーっと余分な部分をカット!

緊張の瞬間。
ペラペラっと端をめくると

じゃーん!!
同じように裏も貼り替えたら完成です!

思わず、撮影したくなる出来栄えです✨
障子は後ほどあまマーレに設置されるとのこと。
まさか断熱加工がされているとは!
きれいに仕上がりましたね。


ワークショップ『たたみ編』🍵

お次は足元をあたためていきましょう!
たたみの断熱を行います。

用意するもの
・透湿防水シート(タイベックシート ハウスラップソフト)
・気密テープ
・スタイロフォーム4mm厚(デュポン ザ・スリム4mm)
・タッカー(床や壁用のホッチキス)

まずはたたみをあげるところから。
たたみの入れ間違いが起こらないように番号を振っておきましょう!

すべてあげたら、掃除機やほうきできれいにお掃除。

床を触ってみると、ヒヤッとする!
「冒頭でお話ししたはだかにカイロ状態とはこういうこと」と竹内さん。こんなにすきま風が入ってきているとはびっくりです。

そんなすきま風を防いでくれるシートがこちら!
『透湿防水シート』です。一般的には外壁の屋外側に用いられるもので、外からの水の侵入を防ぎ、家の中に生じた湿気を外に逃がす役割を果たすもの。すきま風だけでなく、ムカデなど害虫の侵入もおさえることができるとか。

透湿防水シートの端を、20センチほど重ねながら部屋いっぱいに敷き詰めます。重ねたところはしっかり気密テープをはります。

寒い風を通さないよう、重ねたところは気密テープで固定

床の角まで敷いたらカットします。

角まで敷いたら少し壁面の木もカバーできる長さでカットします。床と壁の隙間からの空気も遮断して、どこからも空気が通り抜けできないようにすることが重要です。

バチン、バチン。タッカーという床や壁に使えるホチキスで固定。タッカーは100均やAmazonで購入することができます。

さらに気密テープでとめ、すきま風を食い止める。上にテープを貼ってしまうとたたみを戻したあとにテープが見えてしまうため、貼り方にはご注意を。

これがすごいんです!断熱材スタイロフォーム

厚さは4mmですが、床に敷くだけでまるでホットカーペットのよう。
寒さでジンジンする足もスタイロフォームの上に乗ったらあたたかい!!

サーモグラフィカメラでみると…黄色くなっている!
温度の違いに驚きです!
スタイロフォームは、1,000円台で買えるそうなので布団の下に敷いておくだけでも効果的かもしれません。(このスタイロフォームは1枚800円で西ノ島のさんもく工業さんでも購入可能です)

サーモグラフィカメラで温度の差をチェック!
スタイロフォーム側(右)黄色く表示され、断熱効果が高まっていることがわかります 

スタイロフォームが離れないようにテープを貼っていきます。

順番にたたみを戻したら、

たたみの断熱完了です👍
心も身体もあたたまる和室に生まれ変わりました!


内窓でぽっかぽかのお部屋に🏡

2日間にわたって行われたワークショップ。
1日目は海士町シニア世代の大工さん、中畑さんと和泉さんにご協力いただき、断熱性の高い木製内窓が製作されました。

中畑さん(右)1日目、木製内窓の準備中
2日間にわたり、ご指導いただいた和泉さん(真ん中)

1日目に続いて、内窓の取り付け作業です。
いまある窓枠のそばに、新たな窓枠をつくります。
※窓枠は水平垂直に取り付けることが非常に難しいとのこと、プロにおまかせすることがおススメのようです。

あとは適切なサイズに切った中空ポリカーボネート板をスライドして取り付けるだけ!

こちらの内窓は約10年はもつといいます。しかし、小口のところからホコリが入るため、隙間テープなどを貼って対策することが長持ちの秘訣だそうです!

腕の良いお二人の大工さんのご活躍もあり、あたたかいお部屋に仕上がりました。

おまけ
こんなに簡単な断熱方法も!
モヘアテープを窓の桟の間などに貼って隙間を埋め、風を防ぎます。こちらもAmazonや100均で購入可能です。
ちょっとした一工夫で、あたたかさが違うといいます。

モヘアテープでお部屋のすきま風を防止


ワークショップ最後は、感想タイム⏰

「久々に熱中した!」、「早速やってみたい!」など参加されたみなさんからも大絶賛だった今回のワークショップ。
みなさんの力により、あたたかくて快適なあまマーレに変身しました。

ワークショップにご協力いただいた、
竹内さん(左)、和泉さん(真ん中)、丸橋さん(右)


今回使用した材料の多くは、西ノ島町にあるさんもく工業さんで購入ができ、無料で海士町に配達していただけます。

障子や窓の断熱に使用した中空ポリカーボネート板4㎜は、海士町の農協さんで取り寄せができ、隠岐の島町のジュンテンドーさんでも購入可能(送料1,300円〜)とのことです。資材に関する情報は、2023年12月時点のものですので、お求めの際は、最新情報をお店にご確認くださいね。

自宅でも実践したくなるDIY術。
まずはみんなでたのしくやることがコツだと話します。

(R5年度 大人の島留学生:渋谷)

島との距離は離れても、気持ちはいつも近くに