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地域留学みらい留学365&地域国際交流部メンバーの小林京胡さんにインタビュー!

みなさんこんにちは!
地域国際交流部です!

みなさん突然ですが、『地域みらい留学365』をご存知ですか?


2020年度に新たにスタートした制度で、一年生のときは地元の高校に進学し、二年生の一年間だけ、別の地域の高校で1年間を過ごします。その高校ならではの魅力的な高校生活を送れるよう、地域・高校が一丸となって高校生をサポートしてくれます。

今回は、その地域みらい留学365(以下365と略す)の一期生であり、海士町LINEメンバーの2年生 小林京胡(こばやし きょうこ)さんにフォーカスを当ててお送りしたいと思います!

小林さんは、宮城県出身で、高校1年生までは地元の宮城で過ごしていました。
しかし、昨年の4月にこの隠岐に来て、寮生活を送りながら島前高校に通い、今年の3月に離島して地元の高校に戻りました!

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隠岐島前高校で高校2年生を過ごした小林京胡さん


彼女はなぜこの隠岐に来ることを決めたのか!
地域みらい留学を通して1年間何を感じたのか!
そして隠岐で感じたことをどう地元に還元するのか!

彼女の濃い1年間を色んな人に知って欲しいです!
さぁ!本題へGO!!



小林さんに、島前高校に来た理由を聞いてみた

ー高校2年生で来たってことは、1年生の時に来ることを決断したんだよね~小林さんはなんで隠岐島前高校に来たんですか!


小林さん:

理由は2つあります!
1つ目は、自分の選択に満足していなかったからです。
もともと行きたい高校に向けて勉強していたのですが、模試の判定が伸びず、志望校を変更しました。

その時は、モヤモヤする気持ちが65%、しょうがないなあという気持ちが15%、何がしたいのか分からない気持ちが20%でした。
そして、私はモヤモヤが残ったまま高校に入学しました。

一部の高校の同級生からは、「京胡は頭がいいから。」というレッテルを貼られているように感じて、それが嫌だったんです。

2つ目は、海外留学の前の練習をしたかったからです。私はもともと海外留学を視野にいれていたのですが、コロナウイルスの影響で海外への行き来ができないという状況でした。しかし、あきらめきれず留学について調べ続けていたのですが、丁度そのタイミングで、インスタグラムの広告に365が出てきて、365の存在を知りました。

365の中で最も偏差値の高い別の高校に行こうと考えていましたが、「どうせなら変わったところに行きなよ。」という父の言葉に影響され、9月に島前高校への留学を決断しました。

島前高校の受験に合格するまで友達には編入することを話していませんでした。
編入が決まり、仲のいい友達に話したときには思いもしなかったほどの手紙や言葉をもらって本当に驚きました。嬉しさより、申し訳無さが上回るほどで・・・。


ー1年前の京胡は1年後自分はどうなってると思った?


小林さん:
一年後の自分は想像してなかった
ですね。(笑)
その時は、とにかく地元から離れて新しい環境に行ってみたかったです。
当時はどんな形であれ、戻ってくる頃には成長しているだろうと過信していました。

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部活の様子

 

ー島前に来ての苦難


小林さん:

島前に来て5か月が過ぎた9月から、答えのわからない違和感を感じていました。

言葉で表現すると「わああ、、、。」というような心情で、“自分は何したいの?”、“ここに何をしに来たの?”、“本当に学校生活に馴染んでるの?”というような自分の芯をついてくる疑問に何度も苦しんでいました。

その苦しんでいる期間に、魅力化コーディネーターの大野さんとお話する機会があり、このことを打ち明けました。そしたら自然と涙が止まらなくなり、話しながら号泣してしまいました。

大野さんからは、「一回島を出てこい」という言葉をいただき、その言葉が自分の中にスッと入ってくる感覚があった私は、学校を1週間休み、いろいろな場所を旅しました。

旅から帰ってきた私は、行く前の私とは違い、11月中旬から何事にも“楽しい”という感情が湧き上がってくるようになりました。“生きていることが楽しい”、“苦がない”と思うことができている現状に喜びを感じます。

今振り返ってみると、違和感を感じた原因としては、夏休みの間「ローカル探究」という、海士町で行われた3週間の就業体験とシェアハウスプログラムに参加して、実家に帰るという休息時間がなかったからだと思います。

今の自分に違和感を感じて旅をしてみた私からすると、“1人旅は絶対にやるべき”だと思います。

実際、一人旅をして私は大きく変化することができました。“今モヤモヤしている人”や、“旅をしてみたいな”と思った人は是非!挑戦してみてほしいです。本当におすすめです。


ー1年間を振り返って


小林さん:
今は日常生活がただただ楽しいです。
島前高校に来てよかったなと思っています。島前には面白い大人、話しやすい大人が多いと思います。自分の話を目を見て聞いてくれて、自分が考えてなかったことをポロって言ってくれる最高の人たちに出会うことができました。

島前で1年間過ごして、改めて振り返ってみると、1年の中で2つほど深く悩むことがありました。

1つ目は、人間関係についてです。
島前に来てすぐだったこともありますが、人間関係を作っていく上で何度も衝突することがありました。そのような時、自分の気持ちを素直に伝えることで解決することができました。

2つ目は、自分自身についてです。
自分の意思で島前という地域に来て、

“自分を追い込みたい”
“バリバリやってる人になりたい”

と思いながら行動してきました。でも、周りの人からは「頑張ってるね」と言われることが多くありました。その時、

“頑張ってるってなんだろう”
“自分は頑張っている感覚がない”

と思うことがあり、褒めてくれている言葉を素直に聞き入れられなかったです。今考えてみたら、自己肯定感の低さの現れだったかもしれないです。

島後へ遠征に行った写真


現状を変えるため、旅をすることを決意して東京に行きました。そして、東京で様々な人の話を聞いて、自分なりにしっかり考えることができ、今では島前に来ていない自分が想像できません!


ー宮城へ帰ることをどう思っている?


小林さん:
ただ怖い
と思っています。

みんなは2年生という高校生活でとても濃い1年間を一緒に過ごしていて絆もできているはずで、そこに自分が入っていけるのかすごく不安だからです。

また、島前高校とは全く違うという点でもすごく怖いです。

自分の高校は島前高校とは違って同じ地域から来ている人ばかりで、色が固定されているんです。ほとんどの人の顔を知っているし、中学校の同級生の半分が同じ高校に上がってきます。

ハリボーで例えるなら、島前高校はゴールドベア(何種類もの味が入っているバージョン)で、地元の高校はハッピーコーラ(コーラ味のみのバージョン)という印象です。

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インタビューの様子


ー島前の経験を生かして地元で何するの!


小林さん:

一度地元に帰省した際に、もともと通っていた高校の校長先生にお会いしました。この方は、とても教育熱心な方で隠岐島前高校での生活や教育方針を伝えると、

「一緒に学校を変えていきましょう!」

と言ってもらいました。

こうして、ここ(島前)での過ごし方について興味を持ってくれている方がいるということを知り、他にもそう思っている方に広めたいと思っています。

サプライズ送別会をしたとき


そのため、当初はやる予定はなかったのですが、全校生徒(約700人以上)の前でパワーポイントを使って発表しようかなと考えています。


ー雑談の中で


小林さん:

海士町に来て、自分についてよく考えることが多くなった時、私は“飽き性”であるということが分かりました。遠い近い関係なく、常に「どこかに行きたい」という欲が絶えなかったです。

先ほどの一人旅とも重なりますが、11月に違う島留学に行こうかとも考えていました。
しかし、その時粘ったからこそ、今の安心感・安定感があるのだと思います。



地域みらい留学365について

ー実際に365としてをやってみてどう?


小林さん:

私は今では積極的に活動できているものの、これまではそんなことはなく何事に対しても消極的な人でした。

そんな私でも隠岐島前高校での活動を通してだいぶ変わりました。
その例として、地元に帰省した際に以前から気になっていた野原の清掃を一人でしました。(1年前の私ならありえないこと)清掃をしていたら、地域の方に「ありがとね」と言われました。すごく嬉しさがこみ上げてきました!人のためにするのは気持ちがいいことですね。

ゴミは結構集まったのですがゴミの処理がわからずお父さんにやってもらいました。今度は、最後まで自分で片付けたい!


ー地域みらい留学365をどう思ってる?


小林さん:
もっと発展してほしい、というより発展させていくべきだと思っています!地元の高校の生徒に、「他の高校に行ってみたいと思いますか?」というアンケートを取ったところ、アンケートに応じてくれた生徒の半分以上が行ってみたいと回答していて、365の制度はとても需要があるんじゃないかなって思います。

献血遠征の様子


半年でも、もっと短くても、もっとたくさんの高校生、特に自分のように思うようないけ かった人や地元の高校に違和感を感じている人たちに、地域留学というものを経験してほしいです!


ーちなみに私たちは、、

海士町ラインメンバーが365の人をどう思っていたのか

・2年 茂木温輝
もう1人の365メンバーである林七菜子さんのインスタをみて、「シティーガール」という印象を受けたから、小林京胡さんもシティーガールなのかなと思っていました。
特別枠で来ることを決めた2人に強い刺激を受けました。
学校が始まって、小林さんと一緒に学校生活を送っていったとき、動物で例えるならリスみたいでした。クラスの席が隅っこで、常にクラスのみんなの様子をうかがうタイプに見えました。

・2年 廣瀬惟來
まず、高校生になったばかりの1学期に、“島留学をしたい”と思う飛び込み力がすごいなと思いながら、会えることを楽しみにしていたことを覚えています。
私の勝手な印象でしたが、何事にもガツガツ取り組んでいく人たちだったら、今の学年の雰囲気が大きく変わることがあるのでは、と少し心配する気持ちと、新しい風が吹くことにワクワクする気持ちがありました。
初めて会ったときは、私が春休みの帰省から帰ってきたタイミングでした。
ハウスマスターの方と話していた2人を見て、“大人っぽい!”と思ったことを強く覚えています!
2人が加わってまた始まる1年間が、とても楽しみでした!



地域国際交流部について

ー地域国際交流部に一言お願いします!


小林さん:

実は、いつ入部したのか正確には覚えていません!

そのくらい地域国際交流部のメンバーは、居心地のいい空間で、いつも和やかな雰囲気です。

一年間所属して、「地域国際交流部のためにもっと何かできたなー」、「部活のためにもっと貢献できたかもなー」という後悔が残っています。


ー小林さんに一言


茂木さん:

どうも、相棒(きょうこちゃん)が属する地域国際交流部の部長を務める茂木でございます。相棒はとっても謙虚なんです!みなさん今までの話を見て感じたでしょう、この年にしてここまで考えられるものなのか!と。そう、ほんとにすごいんです!なのに威張ることなくいつも人を立てているのです。僕が同じ立場なら威張り散らすでしょうね。(笑)
さすが相棒です!


小林京胡さんから読んでくださったみなさんへ


小林さん:

みなさんこんにちは。小林京胡です。 まずは、ここまで記事を読んでいただき本当にありがとうございます☺

 記事を掲載するにあたって実は、自分なんかがこのような取材を受けていいのかと、(口には出してはいませんが、)最後の最後まで頭の中でぐるぐると考えていました。味気ない受け答え しかできていませんが、広い心で、ふふ、と軽い気持ちで読んでいただけていたら幸いです。

今回取材を受けて、改めて自分はこんな風に受け取り、考え、そして、こんな形で生きていたと 客観的に振り返る機会をいただいたような気がします。自分ひとりで自問自答するとどうしても思考が偏り、さらには凝り固まってしまうので、とてもありがたいことです!! また、よくあるインタビュー記事の話し手の方は、このような気持ちで話しているのかなあと、想像する時間 でもありました。

“質問力が大事”とは聞きますがそれでもやはり、一番大事なのは話し手の語彙 力だと痛感(うっ、心が痛い)。

これからもっと言葉の幅を広げていければと思います。 もう少しで終わってしまう 365 日。⻑いようで本当に本当に短かった!今も来年度もここにいたいなあと思っています。ですが、来年度は宮城の高校。そこに行っても頑張れるように、 残りの日々も大切にそして楽しく過ごしていきたいと思います!!



あとがき

みなさん!小林さんの1年間はどうでしたか!

私たちも島留学として3年間、この島前地域で生活する予定ですが、小林さんの1年間もとてもとても濃いと思います!

地域みらい留学365としてこの海士町に来てくれたことも、1年間を通してたくさんのエネルギーを還元してくれたことも、私たちにとって大切な時間でした。

物理的には離れてしまいますが、また逢う日まで元気でいてほしいです!

ここまで読んでくださりありがとうございました!

次回は、、、

「海士町の飲食店にインタビューしてみた!」です!

お楽しみに🎵

 

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AMA LINE

写真・文:隠岐島前高校 地域国際交流部


みなさんからのコメントをお待ちしています!


この記事は、隠岐島前高校 地域国際交流部のみなさんが部活動の取り組みの中で書いてくださった記事です。ご感想や記事を通して感じた素朴な疑問などありましたら、ぜひコメントいただけるとうれしいです。
少し遅くなってしまうかもしれませんが、できる範囲で高校生がお返事します✨

▼ LINKS:前回記事はこちら


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島との距離は離れても、気持ちはいつも近くに