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「心が豊かになる共育」を考え続けたい

みなさんこんにちは。大人の島体験生、名取彩雲(なとりあやも)です。
4月下旬から海士町教育委員会でインターンをさせていただき、早くも2か月が過ぎました。見えてきたのは、教育委員会の職員の皆さんが熱い思いを秘めてお仕事をされていること。

海士町の地域共育を支える方々ひとりひとりの熱い思いをじっくり知りたい!知ってほしい!そんな思いが膨らみ、島体験生の山田さんと2人でインタビュー企画「あま育を支えるひと」をさせていただくことにしました。

1人目の「あま育を支えるひと」は海士町教育委員会共育課長濱中香理(はまなかかおり)さんです。


プロフィール


ー海士町の教育委員会に勤務してみて、どのように感じていらっしゃいますか?

配属されるまで、あまりイメージが湧かない場所でした。実際に入ってみると、こんなに多くの地域の方々が教育委員会に関わってくださっているのか、という驚きがありました。特に社会教育ですね。

教育委員会っていう中で色々考えられているのかと思っていましたが、実際は職員が現場に出ることがすごく多いのと、地域の社会教育委員さんはじめ、色々な方が教育に参画してくださっていることを初めて知りました。


ー教育委員会で働く中で意識されていることはありますか?

「共育課」を名付けたのは前町長の山内氏だったと思いますが、どうしてわざわざ共に育つっていう共育課にしたのかということを常に一番に考えていますね。そこに絶対大切な意味があるはずなんだと。

共に育て共に育つっていうことが『海士の教育』に書いてあるんですが、それはやはり一方的な教育じゃないはず。やはり大人も一緒に学んでいくとか 先生だけで育てるんじゃなくて地域も一緒になって子供達を育てていくとかもそうだし、それがこの島らしい教育なのかなと思っています。

ほかの市町村にはない言葉だし、名刺を見せた時も「教育ではなく共育なんですね」って言われるから やっぱり常に自分の考えを持っておかなきゃと気をつけています。


ー共育課をまとめる役目として、どんなことを大切にされていますか?

自身の働き方においても同様に「共育」です。トップダウン型のやり方だったら自分が全部知っていないといけない。でも今の社会って若い人たちの方がICTのこととか色々と詳しいこともある。

だから、その力が必要だと思った時には、ボトムアップ型で上手に若い視点や外部の力も活用しながらやっていく力が一番大事なのかなと思います。

余談ですが、人づくり特命担当の仕事も同じで、自分が人をつくるなんておこがましくてできないんだけど、人を作るためには地域の人たちに私自分がつくられている姿を見せることが、何もできない自分が共育課や人づくり課でできる唯一のことだと思っています。

それを見た人たちが自分もやってみようみたいな感じで、共育や人づくりの考え方が地域に広がっていくのかなって。

仕事の内容としても、自分が何かを担当するというより、基本的には職員が考えている事や悩み、進む上での障害を聴いて一緒に考えるというのが中心ですね。自分が答えを持っているのではなくて、基本的には係とか現場を見ている職員に答えがあると考えています。

結局、教育委員会としての職歴が一番浅いので、自分が知っていること・できることはあまりないんです。

だからこそ、現場に行って色々理解している職員が何か「やります」と言えばオッケーを出して、それが上手く進むようにサポートしていきたいですね。


ー子どもにとっての「共育」について、考えていることはありますか。

知らないことを外から吸収して、自分の動力にしていく大人の姿っていうのが子どもたちに一番響くんじゃないかなと思っています。だから、知らない事に出会った時に「私よくわからないです。」と引くんじゃなくて「お、それは知らないわー!」みたいな感じで逆に興味を持つ大人が増えると、子供たちもいろんなことに興味を持っていいんじゃないかなって。

それは子供だけじゃなくて大人の教育も含めて、社会教育にとってすごく大事な気がします。


ー最後に濱中課長の「共育」ビジョンについて聞かせてください!

教育の目的って、僕は心が豊かになるっていうのが一番かなと思って。学校の先生も、色んな先生がたまたまこの島に赴任してきて何年間か過ごすと思うんだけど、来てもらったからには仕事に忙殺されるんじゃなくて先生自身が心が豊かになって次のステージに行ってもらえたらいいなと。

それをみんなで一緒に考えて行く感じですかね。


ー濱中課長にとって「心の豊かさ」ってなんですか?

どんな環境に置かれてもそこで興味を持てることが心の豊かさじゃないかと思っています。ひとりひとりに等しく色んなことがやってくると思うんだけど、その一つ一つにこれすごいなとか面白いなとか感動があるなって思えるような場面が増えるっていうことが心が豊かになっていくこと。島で暮らすにはそれがすごく大事だと思う。

その辺の雑草を見たときに、何という名前の植物だろう、とかネタが本当にいっぱいあるから、そういうスキルが身につけば自分の人生が楽しくなるはずだし、そういう人が増えればこの海士はすごい豊かな町になるんじゃないかな。そこで果たす教育の役割っていうのは大きいと思いますね。

まずは自分が一番心が豊かな人でいたいかな、そうじゃないと説得力がないから、と課長。

ー海士町のみなさんへひとこと!

今までの沢山のご協力がありがたいです。私は本当に何もできないので、引き続き色々と教えていただきたいです。
そして、教育行政について色々ご意見を頂き、その声を拾っていい共育を作りたい。これからもよろしくお願いいたします。

インタビュアーから:あもメモ

海士町では、職場でも暮らしの場面でも学び尽くしの私の毎日。新しいことを吸収するだけで満足していた時、そうやって知ったことをどう活かせるか、自分なりに意味づけして考える大切さを教えてくださった濱中課長。

それは、課長の考える共育ビジョン「心の豊かさ」につながっていたんですね。

インタビュー、最初が良すぎてあとの人が答えづらかったらどうしよう、と
笑いで締めくくっていただいた楽しいインタビューでした。


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