悩みながらも前へー海士町で見つけた大切なこと
海士町はJICA(独立行政法人国際協力機構)と提携を結んでおり、JICA海外協力隊の派遣前の任意訓練、グローカルプログラムの受け入れ先となっています。JICA海外協力隊とは開発途上国に2年間派遣され、現地でそれぞれの専門性を生かしながら地域の発展を目指すものです。
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今回の記事は七瀬さんのインタビューです!
仕事を充実させたい!
ーどうしてJICA海外協力隊に応募したのですか?
七瀬さん:
そもそもなんですけど、私めっちゃ結婚したかったんですよ。当時付き合っていた人に振られて婚活したんだけど、上手くいかなくて。仕事もその時上手くいかなくて。これじゃあ30代を迎えられないなと28歳の誕生日にふと思って。結婚はとりあえず置いて、仕事の方を充実させよう!と決意しました。転職しようと思って、転職活動を始めたんです。20代でやり残したことってなんだろうと考えるようになりました。
七瀬さん:
大学院の時の先生がWHOで栄養士してた方で、JICAの方を呼んで講義してくれたことがあって、「あ、栄養士でも海外行けるんだ」と衝撃を受けたことを思い出しました。当時は栄養士としての経験も無かったし、お金もなかったからとりあえず就職するしかなかったんだけど、調べてみたらちょうど協力隊の募集があり受けてみたら受かったって感じです笑。
行ったことのない海士町へ
ーどうして海士町に来たのですか?
七瀬さん:
JICA海外協力隊合格の時にグローカルプログラムの存在を知って。私はタイミングが良かったっていうか。私は公務員だったから、3月末でやめた方が都合がよかったんです。7月から派遣前の訓練が始まるんですけど、グローカルプログラムは4~6月だったので。よっしゃ行こう!!と決めました。それで、行くんだったら今まで行ったことのない山陰、しかも離島だということで海士町を選びました。
ー海士町では七瀬さんの栄養士としての経験を活かせる場があったのも理由でしょうか?
七瀬さん:
そうですね——。
私の出身地である長崎県には、「かんころ餅」という郷土菓子があります。これは、干し芋・もち米・砂糖があればできるので、それを参考にした商品開発ができそうですね、と地産地商課さんにお話を持ち掛けたところ、快く承諾してくださり、やってみることになりました。
海士町のお土産にぴったりだと思ったからです。かんころ餅は冬期の保存食としてつくられるものなので、長期保存に適しているおり、お土産としても適してるんじゃないかな?
また、海士町は離島ですが湧水が出るため、もち米の生産もしています。海士町のかんぺ・もち米で、海士町らしいお土産品が作れたら面白いんじゃないかなと。
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悩みながらも前へ
ー海士町で過ごして変化はありましたか?
七瀬さん:
自分の中の変化か~。太ったね、実家に帰って体重計載ったらびっくりしました。自分の行動とか中身の変化は、う~~ん自分ではよく分からないけど、他のグローカルの仲間からはすごい真面目でよく悩んでたね。と言われました。今振り返ると、研修の中盤がきつかったです。全然上手くいかないし、時間ばかりが刻一刻とすぎるだけで漠然とした焦りを感じていました。民宿のお引越しとかもあって精神的に不安になってしまっていたのかなと思います。周りの方の助けもあって最後には悩みから解放されることが出来ました。良かったです。
あっという間の3か月
ー最後に、海士町での経験を踏まえたうえでグアテマラでの活動の抱負などあればお願いします!
七瀬さん:
人生で初めて長崎から離れ、海士町でという全く知らない土地に3か月飛び込んで生活してみて、私は環境の変化に対応するのに時間がかかってしまうのだなと初めて気づきました。グアテマラも海士町と同じくらい「ないもはない」環境なので、メンタル面にも意識を配りながら自分らしく過ごしていけたらと思います。
あとがき
生まれ育った長崎を離れ、海士町に来た七瀬さん。自身の活動に悩みながらも、自分らしく着実に一歩ずつ歩んできたそうです。七瀬さんがやわらかさ、甘さ、色合い、食感にこだわり完成させたかんぺ餅はキンニャモニャセンター一階のしゃん山で販売しているのでぜひ一度召し上がってみてください!
ここまで読んでくださった皆様ありがとうございました!
文・大橋拓真