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海士町に来るときに覚えておきたい“船と港の話”

こんにちは!島根県に浮かぶ離島、人口約2,300人の島、「ないものはない」海士町です。

海士町は必ず船に乗らなければいけない場所にあり、「どうやって行けば良いんですか?」と観光協会や役場宛てにご連絡をいただくことも多くあります。そこで今回は、海士町を含む隠岐諸島の「船と港」について徹底解説。

海士町を訪れる前に、船の概要を把握していただき、計画に役立てていただければと思います。


海士町ってどんなところ? 

海士町は、島根半島の沖合約60kmに浮かぶ、隠岐諸島の4つの有人島のひとつです。1島1町の小さな島で、4つの島のうち「中ノ島」が「海士町」です。本土から海士町までは、高速船かフェリーで約2~3時間かかります。 

東京都杉並区と同じくらいの面積の海士町には、約2,200人が暮らしています。島にはコンビニも映画館もありませんが、海の恵み、悠久の歴史、隠岐ユネスコ世界ジオパーク、外から吹く風に対する柔軟さ、新しい知恵を取り込むフトコロの深さなど、大切なものはすべてあります。「ないものはない」。それが海士町です。 

まずは隠岐諸島の位置関係をざっくり把握しよう

隠岐諸島は、大きく「島前(どうぜん)」と「島後(どうご)」の二つに分けられます。

隠岐諸島の東側(地図左側)にあるのが「島前」、西側(地図右側)にあるのが「島後」

東側に位置する島後は、4つの島のなかで一番大きな「隠岐の島町」からなります。隠岐の島町には「隠岐世界ジオパーク空港」と「西郷港」があります。

西側に位置する島前は、海士町、西ノ島町、知夫村からなります。海士町には菱浦港が、西ノ島町には別府港が、知夫村には来居港があります。

島の名前と市町村名と港の名前は一致しない

隠岐諸島の島の名前と港の名前は一致していません。そのため、旅の計画を立てるときには、自分が行きたい島がどこで、その島にある港は“何港”なのかをインプットしておきましょう。 

船の種類は大きく分けて2つ

海士町(菱浦港)に着く船は、大きく分けて、フェリー(おき・くにが・しらたまの3隻)と、高速船(レインボージェット1隻)の2種類です。隠岐汽船(株)が運航しています。

※利用する港、時刻、季節によって最適な船が異なるため、ぜひ下記の記事を参考に自分がどの港・船を利用すべきか検討してみてください。

▼主要都市からの行き方はこちらhttps://note.com/amacho/n/n407357287006

(1)フェリー

■フェリーの特徴
客室定員800名を超える大型の船です。フェリーおき、フェリーくにがでは、エレベーター設置、段差を少なくするなどのバリアフリー対応がされています。

■船内の様子
船室は2等室~特別室まで5種類設けられています。予約不要の2等客室は、広々とした絨毯敷のお部屋。

特2等室は絨毯敷の大部屋、1等室は絨毯敷でグループ利用もできる部屋、特等室(洋室)はベッドの付きの個室、特等室(和室)はカーペット敷の個室、特別室は3名定員のベッドの個室です。

2等室、特2等室の場合でも、混雑時以外は雑魚寝ができるので、旅の疲れを癒せます。各港到着時には海士町の民謡「キンニャモニャ」のメロディが流れるので、寝過ごしの心配もありません。

▼各客室の詳細はこちら
https://www.oki-kisen.co.jp/ships/31

■予約は必要?
2等室は予約不要、特2等以上は予約が必要です。

■所要時間
隠岐の島(西郷港)からは約1時間30~40分。本土(境港・七類港)からは約3時間です。

■料金

■乗船券の買い方
特2等室以上の客室を利用する際には、乗船予定の営業所に電話連絡が必要です(インターネット予約不可)。

・七類営業所    0852-72-2215
・境旅客営業所   0859-44-4281
・西郷営業所    08512-2-2266
・西ノ島営業所   08514-7-8024
・海士営業所    08514-2-0055

予約不要の2等室を利用する場合は、乗船する港で直接乗船券を購入します。クレジットカード決済も可能です。

写真は西郷港の切符売り場

(2)高速船

■高速船の特徴
本土と隠岐諸島を約1時間で結ぶのが、高速船「レインボージェット」です。客室定員は256名と少なめですが、「軽さ」を生かして海の上を浮きながら走ります(浮上翼走)。

■船内の様子
船内には座席が備え付けられており、座ってゆったりと船の旅を楽しめます。海士町から高速船に乗る際、進行方向に対して右側の窓が見える席に座ると、出発数分後に「三郎岩」を見ることもできます。旅の最後にもうひとつ思い出がほしい!という方は、ぜひ右側の窓が見える席を選んでみてください。

▼客室の詳細はこちらから
https://www.oki-kisen.co.jp/ships/126

■予約は必要?
予約無しでも乗船可能ですが、繁忙期には早くに座席がいっぱいになってしまうことも。確実に乗るためには予約がおすすめです。

■所要時間
本土(境港・七類港)から海士町(菱浦港)までは約2時間、隠岐の島町(西郷港)から海士町(菱浦港)は約40分です。

■料金
本土(七類港・境港)~海士町(菱浦港):6,680円
隠岐の島町(西郷港)~海士町(菱浦港):3,050円

■乗船券の買い方
高速船は、インターネットでの予約が可能です。こちらのサイトから会員登録の上、予約してください。
https://www.oki-kisen.net/reserve-rainbow

時刻表の見方

フェリー・高速船の時刻表は、隠岐汽船公式サイトに記載されています(https://www.oki-kisen.co.jp/timetable/)。

この時刻表には、船ごとに「往復の動き」が書いてあるため、1つの時刻表の中に複数回同じ地名が登場します。

「乗船する港は決まっているので、何時の船に乗ればいいか具体的に知りたい」という場合には、隠岐航路案内で出発地と目的地を入力し、時刻表を表示するのがおすすめです。

高波のときは欠航も!出発数日前から天気をチェック

フェリー・高速船は、天候によって欠航になる場合があります。台風や強風のほか、波の高さがあるとき(高速船2~3m、フェリー4~5m目安)にも欠航となることがあるので、出発の数日前から天候を気にしておきましょう。

フェリー・高速船の運航会社「隠岐汽船」では、毎朝6:30に運行状況を知らせています。

引用:隠岐汽船株式会社「運行状況

出発当日の朝にも、しっかり運行状況をチェックしましょう。

▼もしも欠航になってしまったら…。おすすめの過ごし方についての記事はこちら

船を待つ間のおすすめの過ごし方

観光地によっては、飛行機とバス、飛行機と船が連携し、待ち時間なく次の移動に移れるケースもあります。しかし、隠岐諸島の各港と飛行機・電車・バスの到着時間は連携していないため、船に乗る前に長い待ち時間が発生することも。

事前に「どの港でどのくらいの時間待つのか」を把握し、過ごし方を決めておくのがおすすめです!

隠岐の島(西郷港)のおすすめの過ごし方

隠岐の島町の西郷港の近隣には、喫茶店やカフェが複数営業しています。最近できた新しいお店から、古くから愛されるレトロな喫茶店までお店の雰囲気もさまざま。お好みに合わせて、好きなお店を選んでみてください。

▼隠岐の島町のグルメ
https://www.e-oki.net/gourmet/?area=11

▼隠岐の島町のカフェ
https://www.e-oki.net/feature/detail.php?spid=259

本土(境港)のおすすめの過ごし方

本土の境港の近くには、『ゲゲゲの鬼太郎』で知られる漫画家、「水木しげる」が描く作品などが展示される「水木しげるロード」があります。水木しげる記念館、ユニークなアイテムがそろう土産店のほか、177体(2023年7月現在)の妖怪のブロンズ像が立ち並んでいるため、歩いているだけでも楽しめそうです。

▼水木しげるロード公式サイトはこちら
http://mizuki.sakaiminato.net/road/

▼境港まで自家用車で向かわれる方は、べた踏み坂もおすすめです!
https://www.kankou-shimane.com/destination/20267

本土(七類港)について

鳥取県の境港と比べると七類港付近に散策スポットは少なめです。七類港付近の岸壁では、釣りをされる方もいらっしゃいます。

港から最寄りのコンビニは数キロ先です。軽食やちょっとしたものを買う予定がある方は、バス・タクシーでの移動前に買っておくと安心です。

また、バスはフェリーや高速船の出発に合うよう接続していますが、少し時間に余裕がある形になっています。旅のお供に本を持っていくとゆったりとした時間を楽しめます。

忘れちゃいけない!船酔い対策

船に乗り慣れていない人は、船酔い対策も万全に。心配な人は、事前に酔い止めを飲んでおくのがおすすめです。

フェリーの場合は、眠ってしまうのが一番。予約不要の2等室でも、混雑時以外は寝転がることができ、枕も用意されています。気になる方はタオルなどを持参いただき、“寝る準備”を万全に!

また、船の両側(窓際)は揺れやすい傾向があります。船酔いが心配な方は、船中央の絨毯スペース、もしくは通路寄りのスペースを確保しましょう。船内には自販機が設置されているので、お水やお茶も購入できますよ。

まとめ

  1. 隠岐諸島を旅する時は「島の名前」と「港の名前」を頭に入れておきましょう!

  2. 船の種類は「フェリー」と「高速船」の2種類。選ぶ船によって乗船券の購入方法や船内の様子が違うため、どちらに乗るか決めておきましょう

  3. 出発数日前~当日の朝まで、運航情報を要チェック!

  4. 港で待ち時間が発生することも。旅ならではの“ゆったり時間”を楽しんで

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島との距離は離れても、気持ちはいつも近くに