マガジンのカバー画像

海士人(あまじん)

62
見どころ満載!島内で様々なことに挑戦されている海士町の「人」にフォーカスした記事をまとめました。
運営しているクリエイター

2022年3月の記事一覧

小さなときめきに耳をすませて

25歳にして初めて経験した釣りに感動し、いきなり「よし、漁師になろう」と決意する女子が世の中にどれだけいるでしょうか。しかもそれから1年も経たないうちに離島へ移住し、実際に漁師になってしまう女子が。 海士町には少なくとも一人います。海士町複業協同組合で働く、山郷(やまごう)志乃美さん(埼玉県出身)です。 「爆釣だったわけでも大物を釣り上げたわけでもなく、20cmくらいのカサゴでしたけど(笑) 私の中で何かが変わるほど嬉しくて…」 初めての釣りは2020年5月、大学院修

“島の宝”を活かす。ふくぎ、そして人材。

島で昔から当たり前だった食文化に、“よそ者”、すなわちIターン者の視点で光を当てて商品化する。そんなプロセスから生まれた海士町の特産品として「さざえカレー」が有名ですが、もうひとつ忘れてはならないものがあります。島のハーブティ「ふくぎ茶」です。 ふくぎとは、クスノキ科の落葉低木樹であるクロモジのことで、和菓子の爪楊枝(黒文字)として使われている植物。4月頃から山で咲く淡い黄色の花は、碧さを増し始める春の日本海をバックによく映えます。 “現場のプロ”であればいい ふくぎ茶

若い頃はひたすら試練。40代で「解き放たれた」!?

中里地区から西地区へ向かう道沿いに建つ、クールな外観の建物。 周りは田んぼだらけのいわゆる“田舎の風景”ですが…だからこそ、思わず目を奪われます。 さわやかなライトブルーでデザインされたお洒落なロゴの隣には「YUDEN」の文字。 ここは、水道や空調設備の施工を行う地元企業、株式会社ゆうでんの事務所です。 「カッコいいだら?イメージは大事だけんな!海士町にもイケとる会社があるぞって、毎日ここを通る海士中学生たちにマインドコントロールをかけとるだわい!」 そう言ってニヤリ

自分で育てた「もち米」で作る本みりん「海士の本みりん 儘(mama)」

海士町の自然の”まま”に育った、海士町のその”まま”の味を感じる「海士の本みりん 儘(mama)」。海士町のお米から作られた本みりんができました。 「海士の本みりん 儘 mama」を手掛けたのはみやざきサービスの宮﨑さんご夫婦。自家生産された「もち米」を原料として、愛知県の九重味淋株式会社さん(以下、九重味淋さん)のもとで製造されています。 今回は、宮﨑さんご夫婦に「海士の本みりん 儘 mama」を作るきっかけや、特徴、オススメの使い方などを取材しました。 海士町の食材

井田翔太さん・石原紗和子さん ご夫妻-自分と他人を受け入れられる地域-

「ここには自分と家族を両方大切にしながら生きていける、受け入れてくれる環境がある。」 そう感じさせてくれたのが、今回お話しを伺った井田翔太さん、石原紗和子さんご夫妻だ。 海士町では数年前から始まった町の魅力化により移住者が年々増加し、人口減少に歯止めがかかりつつある。しかし、良い意味でも悪い意味でも”風通しの良い”この島では結婚・出産のステップが一つの大きな課題であることは事実であり、やはり「人が住み、結ばれ、命を繋いでいく」というこの循環により地域が創られていくのも事実だ

松田昌大さん-大躍進する海士町のふるさと納税の裏側に迫る!-

              『(株) AMA holdings』が海士町の第三セクターとして積極的に取り組んできた「ふるさと納税事業」。納税と返礼という単純な関係を超えた『海士町未来共創基金』の仕組みはこの会社のコンセプトである「あらゆる境界を超えて」を体現しているように感じる。 2020年12月、海士町のふるさと納税寄付総額は1億円に達し、2021年には2.15億という新たなボーダーを超えていった。そんな怒涛の2020年に海士町に移住し、このふるさと納税事業に取り組み、偉