海士町の通販事情を高校生が調べてみた!
皆さんこんにちは!隠岐島前高校地域国際交流部です!
今回私たちは海士町の通販利用について調べました。
まず!私達が通販にスポットを当てた理由は、本土から3時間半かかる離島「海士町」には温かい商店は沢山ありますが、大きなスーパーやコンビニはなく、通販を利用する人が多いのではないかと考えたからです!
では、早速みていきましょう!
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高校生・教員にアンケート!
はじめに島前高校の生徒・教員に通販についての2つの項目でアンケート
をとりました!
①どのくらい通販を利用するのか
〈 結果 〉
・1,2週間に一回 → 5.8%
・一ヶ月に一回 → 44.6%
・三ヶ月に一回 → 18.2%
・半年に一回 → 9.1%
・ほとんど利用しない → 17.4%
・全く利用しない → 5.0%
②通販で何を購入するのか
〈 結果 〉
・日用品 → 32.4%
・衣服衣類 → 26.8%
・食料品 → 20.3%
・文房具 → 10.0%
・釣具 → 1.7%
・その他 → 7.9%
このアンケートから島前高校の教員・生徒はかなり通販を使っていることと、通販を使う場合は海士町に売ってない日用品や衣服を買うときが多いということがわかりました。
しかし、海士町の通販の利用状況は島前高校内のアンケートだけでは分からないと思い、海士町の通販事情を調べるべく、菱浦郵便局の局長である吉田公三さんにインタビューしました!
菱浦郵便局にインタビュー!
そもそも菱浦ってどこ?
菱浦は、海士町唯一のフェリーターミナルがあり、いわば海士町の入り口です。宿泊施設や商店、私達が通う隠岐島前高校があり、海士町内では一番人口の多い地区でもあります。
海士町には全部で郵便局が5つあり、その中でも菱浦郵便局は唯一の集配郵便局です。
※集配郵便局とは郵便物の集配を行う郵便局
高校生:
菱浦郵便局では一日にどれくらいの荷物を運んでいるのですか?
吉田さん:
1日に80個〜100個ほど荷物を運んでいます。
高校生:
なるほど!どれくらいの人数で荷物を運んでいるんですか?
吉田さん:
4人でバイク2台、車2台で運んでいますよ。
高校生:
4人!大変ですね!
海士町に運ばれる荷物にはどんなものが多いですか?
吉田さん:
一番多いのが食料品です。私は隣の島後(隠岐島町)出身なのですが、島後と比べても食料品が多いのは、大きなスーパーなどがないことが理由だと思います。
他には、ネット通販の普及によって様々な商品をネットで購入するようになったことから、小さな荷物が増えていますね。あと島なので釣具が多いですね。
高校生:
逆にあまり発送のない荷物はありますか?
吉田さん:
はい。クールやチルドが少ないですね。理由としては、海士町が四季折々の食べ物に恵まれているからだと思います。
〜吉田公三さん、ありがとうございました!〜
菱浦郵便局にインタビューをしてみて
クールやチルドの配達品が少ないのは、島で新鮮な魚がとれ、旬なものが食べられる海士町ならではですね!
また、高校生・教員を対象にとったアンケートでは、日用品を頼む人が一番多かったのに対し、島全体で見ると食料品が一番多いということから、環境によってニーズが違うということもわかりました。面白い結果になりましたね!
ちなみに、海士町の他の配達会社では1日に400個ほど荷物を運んでいるそうです!
「ないものはない」という海士町の宣言がありますが、ないものを島民が通販というツールを使って購入したりするのですね!
しかし、「あるものはある!」ということを考えた私たちは、海士町の特産物が多く売っているお店にインタビューすることにしました!
しゃん山にインタビュー!
そこで、海士町の食材などを売っているお店「しゃん山」さんの渡辺雄一郎さん(取材当時)にお話を聞いてきました。しゃん山さんでは商品開発や大人の島留学の受け入れなど、どんどん新しいことに挑戦されています。
商品開発をすることになったきっかけを教えてください!
きっかけは、JAさんや役場、地域の人と協働して行ったサザエカレーの開発です。
このサザエカレーは商品開発第一号で、この出来事がきっかけで商品開発をするルーツができました。今では、海士町の特産品や商品開発は、ほぼしゃん山が行っています!
今まで開発した商品は、
・海士町産の米粉を使ったシフォンケーキ
・海士町産のサツマイモを使ったスイートポテト、島かんぺ
・海士町で昔から親しまれている調味料であるこじょうゆ味噌
などなど、たくさんあります!
商品開発をすることで、日持ちの心配をせず安心してお土産を買ってもらえたり、海士町の特産品に付加価値をつけて、より魅力的に販売することができます!
大人の島留学生の受け入れについて!
高校生:
近年、海士町で行われている大人の島留学制度で、Ⅰターンの大学生をはじめとした20代の方々がしゃん山で働いている姿をよく見かけます。どのようなお仕事をしているのですか?
渡辺さん:
制度ができる前からしゃん山は人手不足で困っていました。
そのため、従業員が増えることはとても助かり、しゃん山一同ウェルカムでした。
しかし、ひとつ心配していたことがありました。
それは、「島留学生の目的はしゃん山で働くことで達成されるのか」ということです。
島留学生は島に来るときそれぞれ目的をもって来たと思います。果たしてその目的がしゃん山で働くことで達成されるのか、心配でした。
実際には、島留学生は店頭のレジだけでなく、積極的に商品開発にも関わってくれているので、その心配はなくなりました。
どのような人が買いに来るのか!
しゃん山は、9:1の割合で観光客の方が買ってくれています。
その1割の島の方は、自宅用ではなく島外の方に向けてお土産を買うために購入する印象です。
高校生もスイーツを買いに来てくれたり、島内に住んでいるお母さん方がしゃん山に野菜を買いに来てくれたりしています。
離島ということもあり、観光向けの商品展開を意識してきましたが、島内外の様々な方がしゃん山に足を運んでくださっています。
これからのしゃん山としては、もっと地元の方にもしゃん山を利用してほしいと思っています。
海士町だけじゃないものをそろえている理由
高校生:
しゃん山は海士町にありますが、海士町以外でつくられた商品や食材をよく見かけます!
渡辺さん:
しゃん山では、もともと海士町で生産・加工したものしか売らないというルールでした。(実は今も少し残っています。)しかし、しゃん山は新たな商品を売りたいという想いがあったので、地産地消の地産(地元)の枠を海士町だけでなく、島前三島や島後まで広げて商品をそろえています。
最近では、島後のきゅうりの生産が今年は少し早かったので積極的に仕入れをしました。
もちろん、仕入れるだけではなく海士町の商品も島後に出荷しています。
しゃん山のこれからのビジョンを教えてください!
しゃん山として、これまで力を入れていたのはしゃん山に商品を置くということです。その商品を地元の方や観光客が買ってくれます。いわば、店頭に力を入れていたということです。
しかし、近年は島民の人口も減っていることや、時期によって店頭に並ぶ商品の個数にばらつきがでてしまうという問題が発生しています。
そこで、今後のしゃん山では、生産者と消費者を直接繋げる仕組みを作りたいと考えています。例えば、給食センターや高校の寮などまとまった量を必要としている人たちと、島の生産者さんを繋ぐということです。
「これがほしい!」と「こんなものが海士町でとれています!」の両方を解決する架け橋になろうと考えています。
〜しゃん山の渡辺雄一郎さん、ありがとうございました!〜
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高校生とその家族にインタビュー!
次に、島ならではの買い物について、海士町出身の島前高校生と島外からきている寮生にインタビューをしました!
隠岐島前高校3年生の磯谷奈津子さんと家族
海士町で取れる魚介類を朝市や鮮魚店で購入するそうです。
港の朝市では、採れたての魚やイカが沢山売られていて、1匹買えばおまけで2・3匹もらえたりすることもあるそうです(笑)
早い時間に行われる朝市に対して、鮮魚店では採れた魚介類をCAS冷凍し、保存し販売しているので、いつでも質の良い状態で買う事ができるそうです!
隠岐島前高校3年生の徳平雅良太さん
徳平さんは基本的に毎日釣りをしているのですが、島のお店で釣り具を購入することも度々あるそうです。理由は、魚には釣れる時期やタイミングがあるので、本土に行って買ったり、通販で頼むより早く手に入るからだとおっしゃっていました!
お店に行った際には、店主さんが毎回在庫を沢山見せてくださったり、新しくおいてほしいルアーがあるかを聞いてくださったりして買い物から人との繋がりが生まれるということが嬉しいそうです!
〜磯谷奈津子さん、徳平雅良太さん、ありがとうございました!〜
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〜終わりに〜
みなさん、今回の記事はどうでしたか!
今回驚きだったのは、多くの島前高校の教員・生徒が通販を利用していたということです。改めて寮に届く荷物を思い出してみると、毎日かなりの量が届いています。ほとんどが親からのお菓子や日用品です。
海士町には手に入らないものも多いですが、通販があるのであまり不便とは感じません。荷物もすぐに届きます。
商店の方は「よく来てくれた!」と温かく迎えてくださり、ときにはお豆腐などをくださることもあるんです!
しゃん山さんでは、様々な商品を開発し、より観光客の方を楽しませるような仕掛けを多く用意していることがわかりました。
そして、観光客の方に向けた店にするのではなく、地元の方にも多く来てもらえるような仕組みが作られています。
しゃん山さんの取り組みによって海士町が注目された部分もあります。
今度は島内に向けたアプローチに力を入れるそう!
これからのしゃん山さんの活動に注目です!!
磯谷さん、徳平さんのお話から、強い地元への愛を感じられます!
高校生が、ここまで地域に対して愛を持っているのも海士町ならではなのかもしれませんね。
島留学生である私達は、3年間という短い期間しか海士町で過ごすことはできませんが、町の一員としてより深く関わっていきたいと思いました!!
改めて、インタビューを受けてくださった『菱浦郵便局』さん、『しゃん山』さん、『隠岐汽船』さん、『中村さん』、『磯谷さん』、『徳平さん』!
本当にありがとうございました!
写真・文:隠岐島前高校 地域国際交流部
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