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中学生と協働制作!海士町の方言でLINEスタンプをつくりました

「海士弁を取り戻そう」昨年の子ども議会でこのような提案がありました。

子ども議会とは、海士町内の小学校6年生が一人一人議員として町長に「町をよくするためのアイデア」を提案する取り組みです。


昨年度の子ども議会で提案をした小学6年生は現在中学1年生。2022年の秋から、海士中学校1年生の総合的な学習の時間では、「海士の暮らしにワンアクション」というテーマでの授業がありました。グループに分かれ、一年前の子ども議会の提案をブラッシュアップし、実践していくというものです。


その中の一つ、海士中学校1年生「海士弁を取り戻そう」チームと海士町役場は、海士町の方言を使ったLINEスタンプを協働で制作をすることとなりました。


海士弁LINEスタンプができあがるまでの舞台裏をぜひご覧ください!


方言を取り入れたい

海士町の方言LINEスタンプをつくっていく第一歩として、中学生が方言やスタンプに関するアンケートを作成しました。そのアンケートを昨年の12月に海士町公式LINEで配信したところ、なんと175もの回答をいただきました。ご協力いただいたみなさん、ありがとうございました!

海士町LINEで配信したアンケートのお願い
よく使うスタンプの言葉は、「ありがとう」や「お願いします」でした。


ゆるい・かわいい・カラフルなスタンプを

みなさんからの回答や今までに調べてきたことをもとに、中学生がLINEスタンプのコンセプトを考えました。海士弁を知っていただくためにも、幅広い年代のみなさんに使っていただけるよう、

  • 利用されるみなさんが使いたくなるもの

  • 方言や海士町らしさを表現できるもの

  • 海士町役場のLINEスタンプらしいもの

を意識してもらい、海士弁LINEスタンプのコンセプトは、「ゆるい・かわいい・カラフル」に決まりました。


海士町らしさをどう表現したらいいか?

コンセプトが決まった後は、海士町在住のイラストレーター、千彩堂の千葉梢さんと、海士弁LINEスタンプのイラストについて、打ち合わせをすることとなりました。

打ち合わせの様子です。この日は町役場で打ち合わせをしましたが、中学校で行う日もありました。  


中学生チームは、前もって考えてくれた原案をもとに、スタンプの雰囲気や表現したいイメージを千葉さんに一生懸命伝えました。

最初は、海士弁スタンプを「人物」でつくることを考えていましたが、協議を重ね、海士町らしさを表現するために、いわがきやイカ、隠岐牛など海士町の特産品をモチーフにしたスタンプをつくることに。再度、中学生チームか、どんなスタンプがつくれそうかイメージをふくらませていきます。

冬休みに中学生が考えたスタンプの原案


海士町の特産品を使ったスタンプの原案。
左側がアジと崎みかん 右側:本氣米とサザエ


最終的には、下記8種類の特産品と方言に決まりました。

イカ : なおらいやら〜や!(打ち上げしよう!)
隠岐牛:あ~けぇ(あぁ、もうっ!)
みかん:だんだん(ありがとう)
アワビ:がめた(疲れた)
サザエ:どげした?(どうした?)
いわがき:ちょいちょいせいや(早くしなさい)
アジ:まめだぞ(元気だぞ)
海士の本氣米:いねがつきそうだわい(よく寝れそうだ)


あるときの打ち合わせでは、大雪で急遽オンラインになった日もありましたが、イラストの画面を共有しながら、細かいニュアンスについても話し合いを重ねていきました。

方言の「がめた(つかれた)」を表現するために、アワビの目の形や眉毛のありなしなどを検討!


方向性が定まり、スタンプらしくなってきました!


納得のいくサザエの殻の色をみんなで考え中


完成間近のスタンプ


「がめたぁ~」のアワビや「いねがつきそうだわい」の本氣米が寝ている布団の色など、細部にもこだわりました。

より海士町らしく方言が伝わるスタンプにするためにはどうしたらいいか、何度も何度も話し、ついにスタンプが完成!

「ゆるい・かわいい・カラフル」をコンセプトにした、海士町らしいスタンプになりました。


中学生チームと言葉を選び、吹き出しタイプのスタンプも制作。 


海士弁LINEスタンプを制作を終えて

一緒にスタンプを制作した中学生チームとイラストレーターの千葉さんに、完成までを振り返ってもらいました。

ーースタンプを制作していく中で、特に苦労したことはありましたか?

中学生:
自分たちで原案を考えて、さらに、イメージ通りのイラストを千葉さんに伝えることが大変でした。1回の説明では相手に伝わらないことがあり、自分たちが考えていることを言葉にして伝えることが難しかったです。

また、方言の意味を調べることも苦労しました。間違った情報は公開できないため、自分たちが持っている情報が本当に正しいかどうか、調べたり複数の人に聞いたりしていました。アンケート結果を集計するときに数を正確に数えなければならないことも大変だったことのうちの1つです。

大変だったこともありましたが、大人の方と打ち合わせをしたことで、計画的に物事を進めていくことの大切さを学ぶことができました。小学校6年生の子ども議会で提案したことが、自分たちでは思いつかなかったアイデア・イラストとなって、実現でき、よかったです。

自分たちだけの力ではできないことだったので、町役場の方や千葉さんが協力してくださったおかげで、最終的に海士町らしいLINEスタンプに仕上がったと思います。


ーーどんなスタンプができあがりましたか?

イラストレーター千葉さん:

可愛くて明るい世界観のスタンプになったと感じています。当初、人物をモチーフにしていましたが海士の特産品をキャラクターにした効果は大きかったですね。

千彩堂の千葉さん

イラストレーター千葉さん :
一方で、特産品となると魚介から米、牛とサイズ感やジャンルが異なるモチーフだったので、顔の表情や手振りのパーツにどう統一感を出すか、工夫が必要なポイントでした。


ーー中学生が考えたコンセプトやイラスト原案をもとにスタンプを作るにあたって、注力した点は何でしょうか?

イラストレーター千葉さん:

中学生が描いてくれたラフスケッチを大切にしました。中学生が対面で大人と話すと、尻込みすることもあると思うので、事前に描いてもらったスケッチにこそ皆が表現したい事があるんだろうなぁと受け取っています。

中学生のラフ画でもプロの力でここまでの完成度になるよ!というのは多くの人に伝えたいですね。大切なのはプロの画力だけではなく、どんな形でも構わないので発案者のアウトプットが大きいことだと感じています。


ーー中学生からみなさんへメッセージをお願いします!

中学生:
海士弁LINEスタンプは海士町の特産品がイラストになっていることが特徴です!また、言葉は海士弁ですが、普段会話するときによく使われている言葉を選んだため、誰でも気軽に使えるスタンプだと思います。

色にもこだわり、千葉さんが最後にかわいらしく仕上げてくださったので、ぜひ、みなさん使ってみてください!




中学生チームは当初、海士町でカルタ大会を開催し、海士弁を広めようと考えていたそうですが、海士町外に住んでいる多くの方に海士弁を知ってほしいという気持ちから、LINEスタンプをつくりたいと思ったそうです。

海士弁LINEスタンプができたことで、海士町の方言という大切な文化を気軽に発信することができるようになりました。

海士弁を楽しみながら使ってみてくださいね!


海士弁LINEスタンプについて


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