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半官半Xの大山さんに密着!海士町特産「崎みかん」の現場支援レポート

半官半Xとは、新しい働き方を推進する海士町役場独自の取り組みです。公務員と聞くと、デスクワークや事務作業が中心というイメージを持っていらっしゃる方もいるかと思いますが、海士町の半官半Xは現場での当事者意識を大切にしています。

今回は、海士町役場で昨年10月からインターンをしている島体験生の私が、昨年4月に海士町役場の半官半X特命担当として入庁した大山さんを取材しました。

海士町の崎地区にある、みかん生産の現場の様子をお届けできればと思っています。


自然に囲まれた環境の中で

半官半X特命担当大山さんに同行した日は、昨年11月下旬。ちょうどみかんの収穫の時期ということもあり、海士町の崎地区にあるみかん畑に行き、みかんの収穫と選果、箱詰めの作業を合計3時間程行いました。

丹後さんのみかん畑は、山を切り崩した海の見える場所にあり、非常に眺めが良いです。取材した日は雨が降っていて、たまたま虹も出てきたため、運がよければ、海と虹と山に囲まれて業務を行うという島でしか味わえない経験をしながら仕事ができる環境なのだなと感じました。

天気の良い日のみかん畑の様子です。同行当日は雨上がりの虹が大きく、とてもキレイに見えましたが、撮り損ねてしまいました…


崎地区で生産されていたみかんは、昭和の時代にみかんの価格暴落がきっかけで、産業として成り立たなくなってしまったそうですが、多くの島民からの「崎のみかんをまた食べたい」という声から、地域、行政が一丸となり平成25年から「崎みかん再生プロジェクト」がはじまっています。


大山さんは、収獲の作業は3回目とのことで、慣れた手つきで手際よく作業を進めていました。

みかんの収獲の様子。
収穫後のみかん。これらを選果用の機械に通し、大きさごとに分けていきます。
この機械を使って、選果の作業を行います。
誤った形に選果されないように注意しながら選果の作業をしています。


機械を使用してみかんを保護するためのワックスを吹きかけ、皮の周りをそのワックスで覆います。

選果の作業の後は箱詰めの作業です。


一見簡単そうに見える作業ですが、気をつけなければならないことがいくつかあります。最終的に取引先に出荷するため、箱を開けた時に見栄えよく並んでいないといけないこと、色や形、傷に気を付けて、みかんを手に取りながら慎重に詰めていました。

箱詰めが完了したみかん。

箱を閉じてやっと出荷できます。(右で数を数えている方が今回お世話になった丹後さんです。)


みんなで、しゃばる半官半X

半官半Xの活動では、自分の好きや得意を活かした働き方以外に、今回の崎みかんのように、「緊急性」「公益性」を重視し、職員が業務の一環として従事する「特定半X」という働き方があります。

特定半X活動の例
・後鳥羽院顕彰事業等、町のイベント
・崎みかんPJ・海士ワインPJ
・土木工事(災害復旧工事等)
・農地保全、拡大
・神楽・民謡等伝統文化
・急患搬送(船舶免許保有者)
・スクールバス等運転(免許保有者)
・ベビーシッター・デイサービス
・配食サービス・部活動指導
・民間、三セク、法人、組合支援 など

半官半X特命担当に所属する大山さんは、一次産業の現地支援に留まらず、前職の看護師という資格を活かし、海士診療所や福祉施設での現地支援もされているとのことでした。

時には海士診療所で業務を行う大山さん

大山さんがなぜ海士町に来たのか、興味のある方はこちらをご覧ください。


みかんの現地支援の取材を終えて

みかんが私たちの食卓に当たり前のように届いて、おいしく食べることができるのは、生産現場の方がそれぞれの過程でたくさんのことに気を遣いながら丁寧に育てていらっしゃるおかげだということを知ることができました。

収穫をしている生産者の丹後さん


また、取材時に「みかん畑に来てください」と言われたとき、みかんの生産現場の仕事をよく知らなかった私は、現場に行く前はみかんの収穫だけを行うのかと思っていました。

ところが現場に到着すると、思っていたこととは異なり、収穫以外の作業も行っていることに驚きました。大山さんは、役場職員というよりも、みかん畑を守るために現場に寄り添い、働いている印象を受けました。

半官半Xの大山さんは、「 現場の人と一緒に汗を流しながら本音で話すことで、現場の課題を見つけやすくなった」と、言います。

自分の居場所が海士町のあらゆる現場にできることは、半官半Xとして働く一つの魅力なのだと感じました。

昨年から島体験生として海士町役場でインターンをしている私は、今年の4月から他の場所で自治体職員として勤務する予定です。

海士町役場の半官半X職員のように、まちを支えている現場の声を意識して聞くようにし、より住みやすいまちづくりに貢献したいと考えています。


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