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半官半X活動~保健福祉の魅力~

こんにちは!半官半X特命担当の根岸(ねぎし)です。
私は今、看護師・保健師の資格を生かして、福祉施設や役場の健康福祉課の中で、町がもっと元気になるために活動しています。
約3か月、活動の中で感じる、ここでの魅力ややりがいについて紹介します。
近年コロナ禍で大きく影響を受ける医療福祉の現場ですが、ほっこりと関心をもっていただけると嬉しいです。


自己紹介

名前:根岸 祐季(ねぎし ゆうき)
出身:北海道 十勝幕別町
年齢:31歳
所属:海士町役場 半官半X特命担当
趣味:旅行、音楽、お酒、スープカレー、温泉・サウナ、スキー
海士町の好きなところ:みんなで頑張った後の、直会(なおらい)の文化!
今年4月に北海道から海士町に移住しました。8年間地元の北海道で保健師をしていたので、こちらでも健康福祉課の保健師と一緒に健康相談などさせてもらっています。

半官半Xの働き方については、こちらをご覧ください。

高齢者住宅・デイサービス「福来の里」

福来の里とは

「社会福祉法人だんだん」が運営する、定員12名の生活支援ハウスです。
基本的に身の回りのことを自分でできる元気な70歳~90歳代の方が居住する場と、普段自宅に住む方が通所するデイサービスの場を兼ねた施設です。介護のスタッフと一緒に季節の行事や、レクリエーションを通して楽しく過ごせる場所です。

ここでの看護業務

現在は常勤看護師がいないため、私含め3人の看護師が週5日を交替で勤務しています。役場と兼業しているため午前中のみの出勤です。
お部屋に伺い、血圧や体温を測り、会話やお部屋の状況から、体調の変化や服薬状況、困りごとがないか等を確認します。元気なお年寄りとはいえ、何らかの病気や障害がある人は多いので、大切な家族を預かるうえで万が一のリスクを判断しつつ、それでも今まで通りに近い生活ができるように心がけています。

デイサービスで血圧と体温の測定


入居者さんの爪切り

また、年齢に伴って誰しもが体力が衰えます。
意識して運動しないと身体の筋力や柔軟性が低下したり、意識して栄養を取らないと虚弱な状態になったり、意識して頭を使わないと脳の機能が低下します。
日々の体操や、レクリエーションの中で楽しみながら介護士さんと一緒に予防することも大切な業務です。

機能向上を目的とした体操

私個人としては、ここに来るまでずっと行政保健師をしていたため、今まで病院での看護師経験がない「ペーパー看護師免許」でした。正直、想像するような医療行為(採血、経管栄養、摘便、吸引など…)が少ない現場なのでちょっと安心した部分も。また、介護スタッフさんと一緒に最近の様子や心配事などを共有しながら見守れることや、診療所やケアマネージャーさんとの連携も取りやすく、相談できるため、安心して働けます。

ここで感じるやりがい・楽しさ

じいちゃんばあちゃんが好き!

元々そうですが、海士町にきて元気なお年寄りの多いことに驚いたとともに、一緒に話す機会が多くてますます楽しいと思えることが増えました。
まるで子供のように若々しく無邪気な姿がとっても愛おしいです。今から80~90年も遡って過ごしてきた元気なご長寿こそ、大切にしたい「島の宝物」のように思います。私よりも、50年以上の大先輩で、想像以上の苦楽を経験されただろう、この懐の深さ、穏やかさにほっこりと尊敬します。私もこんな年齢の重ね方をしたい!

その人の「生きがい」を大事にしたい

「生きがいはなんですか?」と聞いても、答えるのは難しいかと思いますが、近くで話を聞いたり行動を見ているとだんだんわかってくるような気がします。
体力自慢でしっかり者の「船乗りさん」、いつもピシっとしている「先生」、周りを明るくさせるおしゃべり好きの「旅館の女将さん」、、、等々この道何十年のプロフェッショナルがたくさんいます。
 例えば、お部屋の中では手持ち無沙汰にしている方も、畑や庭の草抜きやお裁縫となると黙々と熱心に手際よくやってくれます。よく聞くと、昔から自分の兄弟や近所の小さい子たちを面倒を見ていて、その傍ら家の農作業もしていたと、そりゃあもう馴染みある作業なのだそうです。その時の姿が本当に輝いているので、そんな時間をより多くできるように、我々も安全に見守れるようにバランスを取りながら寄り添っていけることを目指したいです。

耳が遠くても、腰が曲がっても、足が悪くても、入れ歯でも、認知症でも、日常に支障が出るのは仕方ないけど、それを受け入れながら、自分らしい生活が過ごせると良いなと思います。

こんな素敵な笑顔にキュンとした瞬間

そんな福祉における課題

数々の課題に挑戦している海士町ですが、保健福祉分野でも難しい局面はたくさんあります。

そう思ったきっかけ

1人の地元出身の方の介護度が上がり、なかなかこの施設で対応できなくなったときに、他の施設もいっぱいな状態であったことから、この町では難しく、島を出て過ごすことになった方がいました。
本当は、その人も、自分の生まれ育った町で、家族も近くて安心してずーっと暮らせる方が良かっただろうな、と寂しい気持ちになりました。
このエピソードを通じて、私は何かできないかと考えるようになりました。ただ、福祉や介護の充実って人や場所が増えたところで、この問題って解決するんだろうかとモヤモヤしているところです。

一緒に元気になる「働き手」に

どこの現場でも働き手不足があると思いますが、福祉の現場は特に24時間365日体制で、さらに日常生活の介助など業務内容もマンパワーが必要なものが多く、それが顕著のように感じます。ただ働き手を増やすのではなく、元気にする側でもあり、元気づけられる側にもあるような働き方ができたら良いなと思います。
健康福祉課の保健師と行っている、「事業所の従業員さん向け健康相談」では、事業所スタッフの方々もそれについて頭を抱えており、話題になることが多いです。70代の介護スタッフも夜勤業務など現役で働いていることにも驚きました。もちろん事業所も最大限に職員さんを思い、健康を配慮していますが、なかなか今の状況では限界があるようです。
そこで、次の記事では、そんな課題を一緒に考え、福祉の現場をもっと盛り上げてくれる看護師や介護スタッフを募集します!

まとめ

私自身3か月で仕事にもだいぶ慣れ、海士弁溢れる気さくなやり取りと、優しい気遣いと笑顔に「来てよかった」と救われる気持ちになります。なにより、地元のじいちゃん・ばあちゃんがこの町を大切に思う気持ちや、長年の思い出を語ってくれる姿を見ると、「誰もがいつまでもその気持ちを大切に安心して暮らせる町にしたい!」と頑張る気持ちをもらいます。より魅力ある福祉を目指して、もっとじいちゃん・ばあちゃんを輝かせるために、より多くの人の「手」や「目」、「感性」を活かして職員も一緒に元気になる現場にしたいなと感じます。
もし、興味をもって実際に「現場を見てみたい」「入居者さんと話してみたい」ということがあればこんなに嬉しいことはないです。ぜひご連絡ください。


長くなりましたが、読んでくださりありがとうございました。


島との距離は離れても、気持ちはいつも近くに