町民のおうちに眠っていた家具たちをチャレンジショップの棚、平台に~新庁舎リメイク家具ストーリー~
2024年11月に新しくなった海士町役場。その空間を彩っているのがユニークな家具たち。海士町新庁舎魅力化プロジェクトの家具職人チームによって生まれ変わったリメイク家具にまつわるエピソードをご紹介します。
おうちに眠っていた和箪笥たち
新しい役場の家具を考えるにあたり、
旧役場で使われていた家具だけではなく、
町内で眠っている使われなくなった家具やアイテムも集め
再生しました。
今となっては貴重ともいえる和箪笥。
知々井地区、西地区、東地区、崎地区の町民の方から
和箪笥をお譲りいただきました!
実際におうちまでお伺いすると、
歴史を感じる家具たちのなかに、
なんとも重厚感漂う和箪笥がありました。
現在は比較的安価な合板の箪笥が増えつつあるため、
昔ながらの和箪笥にはついついロマンを感じてしまいます!
部屋から軽トラに運ぶだけでも、
到底1人では持ち上げられないずっしりとした重さがありました。
手触り感のある和箪笥でしたが、
今回お譲りいただいた和箪笥は全て横に取っ手がついていたので、
重いとはいえど、実は大人2名で運ぶには十分でした。
この横の取っ手は、
「金具手」や「持ち手金具」と呼ばれているそうで、
昔の和箪笥は婚礼家具としての役割も果たしていたため、
このように運搬しやすいように作られていたらしいです。
また和箪笥をお譲りいただいた
西地区の竹谷さん、東地区の串間さんからお話をお伺いしました。
竹谷さん:
「箪笥はわしらの父と母が使っとったですわ。
親の時代からだけんね。」
串間さん:
「私も実家に帰ってきて30年以上、もう40年近くなるかな?
箪笥はお母さんが閉まったままにしていて。
母が亡くなってもう10年が過ぎたから、
そろそろ片付けようと思ってね。
箪笥のなかには、両親の着物が入っていた。」
ご両親も大切に使われていた和箪笥。
和箪笥の一部が生まれ変わる(和箪笥棚と和箪笥平台)
今回は、和箪笥の一部を活用して、
家具職人チームがチャレンジショップの棚と平台に再生しました!
和箪笥の引き出しの部分は、棚に生まれ変わりました!
ガラス戸は平台の引き出しに生まれ変わりました!
チャレンジショップの在庫等を収納予定です。
また上記の平台には、
キンニャモニャセンターの2階に置かれていた大きなテーブルも
天板が活用されています!
町民のおうちにあった和箪笥と、
キンニャモニャセンターにあったテーブルが、
家具職人たちの工夫と技術により、
新しい役場の家具として生まれ変わりました!
町民の「やってみよう」を応援するチャレンジショップ
そもそもチャレンジショップとは?
「誰にでも開かれたチャレンジシップ」を目指す
新しい役場では、町民の小さな一歩を応援します!
まるど、大感謝祭、産業祭など、
海士町では事業者でなくても食品や雑貨を販売できるイベントが
あります。
今は事業者として出店されている方々も、
小さな一歩から踏み出して今に至っているかもしれません。
作るのが得意なものはあるけど、
わざわざ知らない人に売ろうとは思ったことない、
売ってみたいけど機会がない、ハードルが高い、、
こんな思いを持った町民の方もいるのではないでしょうか。
一歩踏み出して出店してみることで、
普段合わない人たちと交流したり、
評価を受けて刺激や自信に繋がったり。
ときには出店者どうしが、
ときには出店者と購入者が、
ときには購入者どうしが、
ときにはふらっと集まった人どうしが、
ときには町民と役場職員が、
新たな繋がりが起こればチャレンジショップは大成功です。
お菓子、雑貨、書籍、写真、野菜、お弁当、、、
出品できる商品内容や、チャレンジショップの仕組み自体も、
町民の方々の意見や声を集めながら、
一緒に柔軟で良いものにしていきたいと考えます。
和箪笥を通じて、さらなる次の世代へ
今回再生に用いた家具のなかで、
町民のおうちに眠っていた和箪笥たちは、
特に長い歴史を感じる印象がありました!
ご両親の代から使われていて、保管されていた和箪笥もありました。
世代を超えて、ありがたくお譲りいただいた和箪笥は、
姿を変えて新しい役場に置かれ、さらなる次の世代へ引き継がれます!